日本国憲法で思うこと(3)2001.12.22
この駄文を書くにも憲法を10回や20回は読み返しております。
ひとつの単語が他の部分ではどのように使われているか、他の法律ではどのような時に使われているかなどワードの検索機能を使い、法令サービスシステムのお世話になり確認しています。
まあ、単なる思いつきで書いているわけではありません。

さて、そんなふうに憲法を読んでいますと、同じようなことをあちこちで書いていることに気がつきます。
また矛盾はなくとも、あるところで『AはBである』と書いていて、別のところでは『BでなければAでない』と対偶のようなことを書いている。一般的でない単語を定義なしで使用している。などなど、なんか終始一貫しておらず、格調高くないんですね〜
話しはガラッと変わって、
私は昔図面を書いていましたが、図面屋の基本のきとして同一個所の寸法は二箇所に記入してはいけないという鉄則があります。
また、一人前の図面書きならば図面を読む人がここに寸法があると見当をつけたところに必ず寸法を記入している。そうでない図面屋の書いた図面を機械工は「あいつの図面は分かりにくい」と軽蔑します。CADの時代になってもこれは変わらない。
私もその後業務をいろいろ経験し、規格や規則を作るのが仕事になって10年になります。規格草案作成者のことをスタンダードライターといいます。
スタンダードライターの基本のきは起案する前に用語の定義を議論し決定して不明確な単語を使わない、明瞭で重複のない文章を書くことであります。そして決裁者に持っていく前に第二者、第三者による査読によりあいまい、疑義の恐れ、重複といったものを徹底してリジェクトしなくてはなりません。
そういった経験から見ると、日本国憲法は、文章あるいは法律としてはかなり仕上がりが悪いと言いますか、俗に言う粗製濫造といった感じがしてなりません。
なんかおかしいのよね?? 一般的に法律は定義を明確にしたうえで、定めていることに重複がなく、解釈に疑義が生じないように作文され制定されるのが日本の水準ですが、憲法だけは現在の法律の水準には遠く及びませんね。
文章あいまい、主語述語不明、そして一番の問題は記述している内容も意味不明ときては救いようがありません。

護憲と言っている政党、団体がありますが、彼らはこの文章を読んで書いてあるいることが理解できるのでしょうか?疑問を持たないのでしょうか??
もっとも、お経とか念仏と信じているのなら理解できないほうがありがたみがあるというものです。
しかし、私は文理解釈ではとうてい理解しがたいと断定します。
ちなみに文理解釈とは書いてある文字のみを読み解釈するものです。
『武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』(憲法前文)をそのままに『武力を持たない』と解釈するのが文理解釈、『国際紛争を解決する手段でなければ保有してよい』と解釈するのは反対解釈です。
私の考えですが、
憲法を改正しないにしろ、改正するにしろ現在の憲法を疑義なく解釈できるように文章を見直す必要があります。
その上で護憲なり改憲なりを議論しないと歯車がかみ合いません。


本日の結論

日本国憲法は論理的に解釈できるように見直す必要があります。
改憲論議はその後です。
もっとも現憲法にとらわれずまったく新しい憲法を制定する道もあります。

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