日本国憲法を読んで思うこと(6)2002.01.12
何が平和憲法か?と考えていたら、平和憲法の条件に逆戻り、平和とは何か、平和とは良いものかを再確認する必要を感じました。
というわけで、昨日に引き続いてと言うか、その前提に戻って考えたいと思います。

・平和とは良いものなのでしょうか?
ちょっと前までのアフガニスタン、ボスニア、現在のパレスチナを考えれば戦争、テロは怖いですね!
日本ではなぜかあまり報道されませんがチベットじゃ中国兵に無抵抗な人たち、僧侶が万の単位で虐殺されてます。私たち日本人はそんな目にあいたくありませんよね!
戦争、テロが好ましくないことは一致したと思います。
『平和は良いもの』であることは間違いありません。

私はこの日本を外国の軍隊に踏みにじられたくはない! 平和にも種々あります。一国が強大で世界を押さえつけている状態もあります。
パックスアメリカーナ(アメリカの平和)というのもそうかもしれません。私個人としてはアメリカはそれほど力を持っていないと考えますが。
過去にもこのような例は多々あります。モンゴル帝国、ローマ帝国、日本だって江戸時代はパックス徳川だったわけです。
世界中の国家がお互いに戦力を持たず、平和だという状態もあるかもしれません。私は知りませんが(^^)
複数の国家、あるいは国家群が武装して、お互いに牽制しあって均衡しているという状態もあるでしょう。これは過去の米ソ、第二次大戦直前のヨーロッパ、現在の中国とアメリカ/台湾、北朝鮮と韓国など非常に多く見られます。
この状態の平和が良いものでしょうか?
私はいずれの平和でも戦争でないのだから『悪くはない』と判断します。
パックスアメリカーナを批判して中国支配を是とする人がいますが、理解に苦しみます。
誤解なきように、一国支配は悪くはないですが、より国際関係を改善して『良く』することが必要だと付け加えておきます。



・平和を維持するにはどうすればよいのでしょう?
では上に述べた平和を保つにはどうすればよいのでしょうか?
まず、平和というのは国際関係ですから国内問題ではありません。
犯罪が多い・治安が悪いというのは国内問題であり、平和とか戦争の範疇ではありません。
ですから平和を維持する手段、方法については外国の方針に左右され、外国との関係で選択し実施しなければならないことになります。
自国だけでこういう平和維持策を執るといっても空論です。
いずれの国も時代とともに国内の事情が変わり、対外的な政策が変わりますから日本だけが固定した外交政策を採ることは平和維持に不適なことが分かります。
かって、日本が戦争に負けてアメリカ支配にあっただけでなく、金がなく自前の戦力を持てなかった時はアメリカの核の傘にあったことは平和維持として有効な政策であったとするのが当然です。
現在は米ソ対立がなくなった代わりに、中国の台頭があり東アジアの危険が高まってきています。北朝鮮はいまだ50年前の妄想に囚われていて現実の危険となっています。
当然、現在の環境に即した平和維持策をとることが必要です。


あまり逸脱しても発散してしまいますので集約します。
本日のおさらい

平和とは価値あるものであり、維持しなくてはならない。
平和を維持するためには国際関係を反映して政策を柔軟に変化させる必要がある。
平和を維持するためには軍備を必要とすることもある。

(パックス何々においては不要な場合もあるということです)

日本国憲法の目次にもどる