リンドパピルスのパズル


リンドパピルスはイギリス人リンドがエジプトで購入したパピルスで、紀元前17世紀古代エジプトのヒクソス王の頃の数学の本である。この中で以下のように書かれている。

「7軒の家で7匹ずつネコを飼っている。それぞれのネコは7匹ずつネズミを捕る。それぞれのネズミはムギの穂を7本ずつ食べる。それぞれのムギの穂からは7マスのムギがとれる。これらの数の合計はいくらか。」
高木茂男”奇跡のパズル”


この問題が数学パズルと言えるなら、最も古いものである。
このパピルスをどこかで見たのではないかと思われる程よく似た問題が1200年頃の本に書かれている。

「七人の老婦人が、ローマに旅行した。婦人はおのおの七匹のラバを持ち、ラバはそれぞれ七個の袋を運ぶ。それぞれの袋には七個のパンがあり、そのパンには七梃のナイフがあり、それぞれのナイフには七個のさやがある。ここに数え上げたすべての和はいくらか。」
小倉金之助訳”カジョリ初等数学史”

どちらも、七ばかり。もう一つマザーグースに出てくるなぞなぞにも同様の問題があり、これも七が基本の数字になっている。なぜ七なのか考えるのも一つのパズル?
同種の問題は、日本では江戸時代のからす算として知られている。1627年吉田光由の「塵劫記」に書かれている。


「からすさんと云事、からす九百九十九わ有時、九百九十九うらにて、一わのからす九百九十九こえつつなく時には、此こえ合せて何程そ」
平山諦”東西数学物語”

このからす算や中国では、不思議と九が基本の数字となっている。



答えは
(パピルス)7+7*7+7*7*7+7*7*7*7+7*7*7*7*7=19607
(婦人の問題)7+7*7+7*7*7+7*7*7*7+7*7*7*7*7+7*7*7*7*7*7=137256
(からす算)999*999*999=9977002999