草戸千軒

荘園公領制

しょうえんこうりょうせい

 中世という時代を、当時の基本的な土地領有制度の面からとらえた概念です。つまり、中世には国土が「荘園」(公家や寺社などの権門が支配・領有した土地)と「公領」(国の役所である国衙の支配・領有した土地)とに分割領有されており、それぞれの荘園や公領の内部には、類似した支配構造が存在したという見方です。11世紀後半ごろから形成され、16世紀末の太閤検地によって解体します。
 文献に残された中世の記録には、土地支配に関係するものが多いため、中世社会を特徴づける制度と理解されています。ただし、社会制度のすべての側面が、この土地領有制度に準拠していたとは言えないでしょう。近年の考古学的な発掘調査の成果から描き出された社会の様子は、土地領有の原理とは異なる世界が存在していたことを明らかにしつつあります。


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1996-1998, Yasuyuki Suzuki, Fukuyama, Japan.
Last updated: June 10, 1998.