読書の部屋 ミステリー編
ということで、ここは専ら京極夏彦系以外の作品・・・ではなく、昔に読んだミステリー、ホラー系の作品を。今年の4月から7月にかけて、読書の空白期があるので、99年4月以前に読んだ本がこのページに入るということです。もう一方の「SF系」が当分出来そうにないので、なんとなく、SF系でも書くかも。ここは前ページと違い、作品ごとのコメントとし、まぁ、みなさんの今後の読書の参考にでもなれば、ならないと思うけど、付き合ってくださいな。
(一応)目次(順番は思い出した順)
梅原克文 二重螺旋の悪魔 ソリトンの悪魔
福原文彦 ブルックナー伝説
雁屋 哲 3000年の美味?題名忘れた
瀬名秀明 パラサイトイブ ブレインヴァレー
中3の秋に「二重螺旋の悪魔」が発刊。バイオ系ホラーだが、「パラサイトイブ」などの一連のバイオ系ホラーの原点と言える作品。第2作目の「ソリトンの悪魔」もそうだが、”ノンストップジェットコースターエンターテイメント作品”(のような触込みだった)というのがぴったしで、二作とも京極のような厚さが上下巻というボリュームであるが読み出したら一日二日で読み終えなければならないかんじがする。止まらない勢いである。時間の流れとしては「二重螺旋の悪魔」は三つの期間に別れていて、展開が滅茶苦茶なのだが、その荒さがまたよい。「パラサイトイブ」や「レフトハンド」などのバイオ系作品の設定は「二重螺旋の悪魔」のコピーと言ってもいいと思う。
「ソリトンの悪魔」は、出てくる生物の設定がすごい!スターウォーズやスタートレックにはたくさんの宇宙人が出てくるが、想像力が貧困である。なぜみな目が2つなのだ?なんでみんな手があるんだ?などと僕は考えるわけだが、「ソリトンの悪魔」たるやレベルが違うのである。まぁ題名そのまんまなのだが・・・。この作者の次の作品を心待ちにしている。
聞くところによると、99年の春に新作が出るはずだったようであるが、どうなったのだろう・・・。あとは誤字訂正だけだったはずなのに。
まぁ・・・宣伝文句は「あのアマデウスを超えた」とか書いてあるが(もっともアマデウスも映画は見たが原作は読んでいない)、当然そんなことはなく、なんとまぁ、ブルックナー好き以外が読む価値はない。でも僕は3回読みました・・・。なかなかブルックナーの聖人ぶりがいいのですよ、素朴で。・・・。この作者は日本ブルックナー協会の会員らしいが、他にも著作があるのだろうか。まぁあっても読まないけど。
「美味しんぼ」の原作者。この「3000年の美味」だかいう作品の他に「美味んぼ探偵局」とかエッセイをいくつか書いている様子。スパゲッティの作り方など参考になった。で、この「3000年の美味」とかいったと思う題名の作品、どうせ誰も読まないだろうから内容を少し書くと、中国の「史記」に出てくる易牙という料理人がいる。この男、主君に自分の子供を料理して差し出したのだが(確か丸焼きだった)、主君には「けっこうおいしかったぞ」くらいしか言われず不満が残り、奥さんからは呪われて復讐を果たさなければ死ねない体になってしまったので、主君が輪廻するのを待つこと2000年以上・・・ついに復讐の時きたる・・・という話し。はっきり言って小説としての価値は全くない。ところでこの作品の中では、究極の美味として○○の脳味噌の踊り食い(つまり生きたままたべる)というものが出てくる。猿の踊り食いなど有名であるが、この食われる生き物の前に鏡を置いて、食われるところが見えるようにするのが美味しくするこつだそうだ。さらに、食う10日前くらいから美味しいものをたくさん食べさせ、ストレスもない生活を送らせる。そうすることで気の流れがよくなるとか。だが、唐沢俊一の本によると、脳というのは、どんな生物でもカリウムを多く含んでいて、煮るなどしないと食えた物ではないそうだ。そのように料理すれば大概の生物の脳は美味しいらしい。肉などは人間に近い動物なほど美味しいという法則がある程度成り立つそうで・・・まぁこの本に出ている究極の美味というものが、なんたるか知りたい人は、本を読むか僕に聞いてください。
パラサイトイブが有名ですね。しかし、第2作目のブレインヴァレーの方が傑作である。パラサイトイブの方ははっきり言って、駄作で、なんであれがあんなに売れたのか理解出来ない。もっとも僕も買ったのだから大きな事は言えない。しかし、「二重螺旋の悪魔」と比較すると、どうにもつまらないのである。このパラサイトイブ、もし読む価値があったとすれば、スターウォーズのキーワードである「フォース(理力)」のイメージの一助になることである。ルーカス曰く、フォースの根源であるミディなんとか、というものはミトコンドリアを元に考えたということである。ミトコンドリアのことを深く知りたいならパラサイトイブはお勧めである。
パラサイトイブに比べると、全然売れていないのが第2作「ブレインヴァレー」であるが、これは傑作である。恐らく、あの厚さと、パラサイトイブよりはるかに専門用語が出る読み難さが悪いのだろうが、物語の独創性、その世界観設定など、大変興奮して読んだ。神という存在について実に興味深い設定をしている。そころで、この本が見当たらない・・・。ひょっとすると従兄弟にあげたのかな。副読本として、この作品を現在の科学で解説する本が出ていて、こちらもおすすめ。ただし、徹夜あけに読むとトリップしてしまうので注意。
以上、8月4日
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