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2003/8/4「本番で泣けるか」

本番で泣けたからといって全然自慢にはならない。なんとなく女々しいし、第一、男泣きというのはスポーツマン以外は気持ち悪いことになっている。

でも本番で泣けてしまったことが過去に2度ある。大学4年生の演奏会でのアンコール「カヴァレリア・ルスティカーナ」。曲に感動したのもあるだろうが、リハで冒頭のチェロのトレモロが気に入らず、本番直前まで、いらだっていた。それが本番で思いがけずきれいに鳴ったのでついほっとして泣けてしまったのだ。

もう一回はバッカスの「木星」のandante(3拍子のところ)。あれはなにか本当に広大な宇宙の真ん中で、とてつもなく孤独で崇高な気持ちにかられ、感動のあまり、このむくつけき男が、むせながら泣けてしまった。
後で気がついたかどうか奏者に聞いたら、ほとんど気づかれていなかった。指揮見てくださいよ。指揮!(怒)

今年はどうなのか。私は実はドムラの2楽章のandanteあたりが非常に危ない。
すでに練習の時点で鼻の奥がきな臭い状態だ。

男が泣く姿は正直、気色悪いものだ。だがその気色悪いものをお客さんに直接向けずに済むのは指揮者の特権であるといってもよいかもしれない。
間近でもろに見せられる奏者の人はかわいそうだが。

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