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2003/10/20『納豆の快楽』

最近、小泉武夫の影響ですっかり納豆がマイブームなのだが、会社帰りに宅配トラックみたいなので特製の納豆を売っているのを見た。「有機農法」「昔ながらのこだわり製法」みたいなコピーに誘われ、思わず買ってしまう。1パック150円〜200円。高い・・・しかし物はためしと各種買い揃えてみた。
家に帰ってから粋な藁づとのパッケージをはずしてみると、ミシンで縫い合わせたわらの中にもうひとつパッケージがあらわれる。意味のない過剰包装だ。
食べてみると、妙にやわらかくて粘りもにおいも少ないお上品な納豆で私はがっかりしてしまった。これなら、スーパーの3パック78円の納豆のほうが断然パワーがある。

しょうゆとねぎを入れて丹念に練り上げ、粘る糸に視覚を興奮させ、少々どぎついほどのアノ隠微なにおいに嗅覚を勃起させ、馬力とコクのある味に舌が飯を飛ぶように胃に送り込む。あの、野性味きわまる納豆が好きなのだ。最近それでなくとも、匂いがしない、糸を引かない納豆に需要があるようで、そういった製品を見かけるが、それが時代の趨勢なのだろうか?

音楽も私の好きな納豆のようなものが出来ないだろうか?十分練り上げ醗酵しきった臭気に、お客さんは一瞬度肝を抜かれ鼻を押さえるが、ぬめやかな感触や、妖しく糸を引く姿に次第に上気し、気がつくと夢中で飯をかっ込んでいる自分を発見する。
そんなコンサートが出来ないものか。

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