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2003/12/1『楽器との縁』

楽器には高級品から入門用までさまざま品質の楽器があり、実際、高級品ほど良い音 で演奏しやすく、ゆえに目をむくような価格で売買されているようだ。 だが人間と同じで楽器というの物にはやはり持ち主との縁がある。

いくら弘法筆を選ばずでも、良い演奏家には良い楽器がつきもののはずだ。 そうでもない演奏家にもそれなりの。

十把一からげアマチュアギタリストの私にも愛器というのがちゃんとあって、アスト リアスの10万くらいのやつである。大学1年のときにバイトの給料と母の援助で買った。 このギターを使い出して2.3年経ったころであろうか、そのときギターを個人的に習っ ていた大学の先輩に、何を思ったか生意気にも「もっといい音の楽器がほしいので買 い換えたい」みたいなことを相談したことがあったのだが、もの凄く怒られた。

多分、まだそのギターの能力を十分出せる技術もないのに買い換えるとは何事だ!み たいな感じで怒られたと思うのだが、目がさめるような気持ちで深く納得した。

それから幾星霜。数え切れないコンサートに使用し、月亭可朝では無いが「小唄、端 唄、演歌に都都逸、歌謡曲、クラシックから、ムードおミュージックまで」酷使し続 け、いまではこのギターの可能性、いや耐久性の限界をはるかに超えるまでに使い切 ったと言い切れる。使い切りすぎて最近はどこかの木材が変な鳴り方をするようにな った。

もうこうなったら、いつかこの両手の中で砕ける日まで使い続けるしかないし、それ がこの楽器への最高の供養だろう。

本当は新しい楽器を買うお金が無い、というのが半ば本音だが。

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