- 二 坂本弁護士一家事件をめぐる報道の概要
1、事件発生から公開捜査まで
11月4日未明、事件発生。
7日、神奈川県警磯子警察署に捜索願を出す。
10日夕方、毎日新聞の記者から事務所に 「坂本先生は連れ去られたのではないですか」との電話が入る。これがマスコミからの最初の連絡。
11日、毎日新聞と日本テレビから当たりをとってきた。 横浜法律事務所は、一家の人命に関わることであり、磯子署に対し、報道協定を結ぶべきだと申し入れたが、磯子署は消極的であった。
12日夜、朝日新聞が動き始め、横浜法律事務所の弁護士などに、夜討ち朝駆けの取材を始めた。
公開捜査への動き
13日、県警刑事部長らは「今のところマスコミを抑えてはいるが、週刊誌まではどうしようもない。おもしろおかしくかかれるよりはきちっと公開した方がよいのではないか」と、坂本夫婦の両親に公開捜査了承を強く求めた。
これに対し横浜法律事務所は、県警に対し、報道協定を結ぶようあらためて要請したが、「この種事案では前例がない」などとして、拒否回答。さらに県警は、マスコミがもう止まらないこと、また事件発覚後聞き込みなどの捜査をしてきたがもはや手詰まりであること等を理由にして、ご両親に公開捜査への説得を続けていた。
これに対し、さちよさんは、 「11月14日は自分の誕生日、もし息子が元気でいれば私の誕生日にきっと連絡してくるはずだから、それを待ちたい」と、県警に対して公開を1日延ばしてくれるよう 頼んだ。

これを受けて県警は、さちよさんらの了解が得られたとして、11月15日午後3時、「公開」とすることを決めた。
このようなこの公開への動きの中で、県警が、「坂本一家は、サラ金など借金を苦に夜逃げしたのではないか」などというデタラメの話をマスコミに流しているとの情報もあった。そこで横浜法律事務所しても、公開捜査が避けられない以上、事件の正確な内容を報道してもらうために、事務所としても独自に記者会見を開くことを決めた。
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