3 TBSが、ビデオを早川らに見せたことを坂本に伝えなかったことの問題
10月27日放映予定であった坂本インタビューが、放映中止になったことについては、武井共夫、小野毅弁護士が、坂本から「オウムの宣伝にならず、中止になってよかった。」と聞いていること、また事務所連絡簿にTBSのプロデューサーからの連絡が記載されていることなどから見て、おそらくTBSから坂本に伝えられていたものと考えられる。
- しかし、坂本インタビュービデオを見せたことはおろか早川らが10月26日深夜TBSに押し掛け、抗議交渉していたことについては、全く坂本に伝えられていない。
- 従って坂本としてはオウム側が自分のインタビュー内容を知った、あるいはオウムがそれを問題視して抗議した事実を知る由もない。もし、この時点で、この事実を坂本において知ることとなっていれば、オウムが自分をどう認識したかについて、緊張感と警戒心をより強く持つに至ったことは想像に難くない。もしそうであれば、10月31日の横浜法律事務所における交渉に、恐らく一人で対応することはなかったであろう。事務所内に当時からオウム弁護団の一員であった小野毅弁護士もいたし、事務所の同僚弁護士もいたのである。当然これらの人に声をかけ、複数の弁護士同席の上で交渉に臨んだ筈である。
- また、もし現在伝えられているように、事件当夜、仮に自宅の玄関の鍵がかかっていないとしたら、そんなことも絶対起こり得ない事態であろう。
- 坂本は被害者の会の信者の親に対し、「オウムは危険だ。鍵は二重にしておくように」との指示を出していたのである。
- 10月26日の出来事が正しく坂本に伝えられていたら、我が身の防衛についても意識的になったはずであろうし、その後の展開は変わったものとなっていたであろう。