過去に読んだ本
00年3月


ネタばれがある場合があります。ご注意の程を。

00/04/29
『退魔針』#9, 菊池秀行×斉藤岬, バーズコミックス, 4-7897-8250-6
『山田章博の世界 ミスティックアーク アートワークス』, 山田章博, ソフトバンク, 4-7973-0940-7

00/04/28
『悲劇の解読』, 吉本隆明, ちくま学芸文庫, 4-480-08376-6

00/04/22
『イエスタデイをうたって』#2, 冬目景, ヤングジャンプコミックスBJ, 4-08-876013-1
前巻をあまりちゃんと読んでないのでサブキャラの関係がよく分からん。

『ドラゴンヘッド』#10, 望月峯太郎, ヤンマガKCスペシャル, 4-06-336854-8
ついに完結。「恐怖」をテーマになかなか面白いトコまで来たと思う。

『ニライカナイ』#2, 岡田芽武, アフタヌーンKCデラックス, 4-06-334296-4
実は「クトゥルー」ものだったのか。思ったよりもきっちり世界を作ってるみたいだから、意外と面白くなるかも。

00/04/21
『「探偵趣味」傑作選』, ミステリー文学資料館編, 光文社文庫, 4-334-72994-0
『素敵なステッキの話』 横溝正史。『バスタード』を思い出してしまった。こんなふるい地口だったとは。それにしても変な話。元の持ち主に戻ると思ったのだが、そう思わせといて、戻らなかったのがみそか。

『豆菊』 角田喜久雄。独特の一人称の文体が、怪奇的幻想的な雰囲気を醸し出していて、なかなかいい感じ。最後にもう一度女に会いにいくあたりは構成として結構うまく作っているか。

『老婆三態』 XYZ(大下字陀児)。タイトルのとおり老婆をモティーフにした3編のショートストーリーなのだが、本当に普通に老いさらばえた老婆の無意味な死をあつかっているので後味悪い悪い。

『墓穴』城昌幸。一人の女性を巡る三人の男の対立ということで、このころってこんな話多いよなあ。なんか。語り手の位置がなかなか面白いかな。あくまで消極的な位置からの視点ということで。ただ、最後の三人がそれぞれというのが、うまく書ききれなかったのは残念。

『恋人を喰べる話』 水谷準。なんとも悲しく切ない幻想譚の傑作というところか。キャラクターの設定が実に絶妙なんだろうな。ただタイトルはどうなんだろう(素直すぎるけど)『いちじく』あたりがいいんじゃないかなあ。

『浮気封じ』 春日野緑。解説にも書いてあるとおり、ミステリーじゃないよなあ。たんなる小説。それに読んでるときは忘れていたので気にならなかったけど、タイトルがオチそのままというのはいただけないよなあ。「探偵趣味」の創刊に尽力したほどの人物で、新聞記者でもあるのにこの辺はどうなんだろう。

『流転』 山下利三郎。これで行くんだったら、「事件」に対して、聞き手がそれなりに解答を引っ張り出してとくとくと語って聞かせるところまでないと弱いかな。枚数の制限もあったのかもしれないけど。

『自殺を買う話』 橋本五郎。うーん、面白い作品ではないんだが、もう少し文句をいう切り口が見つからない。冒頭の謎の導入自体は悪くなかったんだが、オチがあまりに平凡な(おそらく)悲恋話で終わってしまったんだよな。これが江戸川とかだったらどう落とすんだろうという気もしないではない。

『隼お手伝い』 久山秀子。なんか久しぶりに探偵ものを読んだ感じ。本格ものとまではいえないが。

『ローマンス』 本田緒生。もうひとひねり、何で6時に事件が起きたかまで含めてつなげてほしいところ。

『無用の犯罪』 小流智尼。皮肉な結末ものの基本パターンどおりではあるのだが、ちょっともう少し伏線とかをきちんと張っておいてほしいかな。

『いなか、の、じけん』 夢野久作。片田舎で起きた事件をフィクションなのか、(半)ノンフィクションなのか知らないが、オムニバスにまとめた作品。格別にひねりがあるわけでもない笑劇(でないのもあるが)なのだが、デカメロンとかを思い出す、面白い作品。

『煙突奇談』 地味井平造。幻想的な想像と合理的な解決との対比が実に現代的で面白い作品。あとこれでもう少しきちんと理に落ちた解決がついていれば、ほんとに最近の新本格系の作家が書いたといってもおかしくないな。

『或る検事の遺書』 織田清七(小栗虫太郎)。完全に回想でなく日誌形式で過去を書いているあたり、さすがにきちんとしているが、ちょっと偶然が過ぎないか。

『手摺の理』 土呂八郎。うーん、いったい誰に語っているんだろう。この辺がなかなか作品が採用されなかった一つの原因なのかもね。

『怪人』 龍悠吉。十分な伏線が張れていないことを除けば、きちんと二段オチになった、正統的な探偵小説。ただ章題が解決1、解決2ってのは先が読めていただけないな。他の作品のタイトルとかでもそうだけど、このころはあまりこの辺のところにこだわりは低かったのかなあ。それとも同人誌的な編集のりなんでそこまでフォローしていなかった?いやしかし、ミステリマニアは今も昔もそういうところにこそ拘りそうだが。

『兵士と女優』 渡辺温。評論? 虚構の戦地と内地の戦争の対比は面白くはあったが。

『頭と足』 平林初之輔。確かに、論理的というか理論的というか、理詰めな作品ではあるが。

『戯曲 谷音巡査 (一幕)』 長谷川伸。フェアプレイとまでは言わないにしても、さすがにこれではドラマにも成り立たないのではなかろうか。いきなり犯人がのこのこと出てきて捕まりましたじゃなあ。

『助五郎余罪』 牧逸馬。平凡ながら不思議な事件の裏の意外な真相となれば、いまどきも通じるのだが、ちょっと、裏の真相がまんますぎたな。

『段梯子の恐怖』 小酒井不木。もう少しやっぱり憶測だけでなく、疑わしいかもしれないしそうでないかもしれない理由というのを作ってほしいところ。

『嵐と砂金の因果率』 甲賀三郎。ホントまあ、因果話なんですが、面白くはある。

『木馬は廻る』 江戸川乱歩。なかなか叙情的で味のある作品だと思ったら、最後に作者の言い訳が。

00/04/18
『恋人プレイ』#2, 玉置勉強, 講談社アッパーズKC, 4-06-346015-0
買ったあとずいぶん読んでなかったのだが、、2巻で終りなのね。奇麗に、ある意味古典的な「青春もの」で終わらせたあたりうまいかも。いくらでもどろどろに引っ張れそうなところを。

『犬夜叉』#15, 高橋留美子, 小学館少年サンデーコミックス, 4-09-125585-X

『かってに改蔵』#7, 久米田康治, 小学館少年サンデーコミックス, 4-09-125537-X
なにやら懐かしいキャラクターが。そういえば最後まで読んでないし、最初も読んでないし、久しぶりに読みたくなってきたかも。

00/04/17
『月の裏側』, 恩田陸, 幻冬舎, 4-87728-398-6
某MLで「こんなSFが読みたかった」と力説されていた方がいたので読んでみた。わたし的には(いまどきの)ホラーだなあ。それに、もう少し、「世界がひっくり返っていくような感覚」がほしいところ。なんかもう一ひねりあるかと思ったんだけど、ちょっとストレートなまま終わってしまった感じ。

ずいぶんエヴァ(映画編)を思い出すところがありましたが、どうなんですかね。

00/04/16
『ハンニバル(下)』, トマス・ハリス, 新潮文庫, 4-10-216704-8
どーだろうなあ。レクター博士がなんか(小説の中の人物としての)普通の人になってしまった感じ。ふかぼりしちゃったからな、人格を。

『荒野に獣慟哭す』#4, 夢枕爆, 実業之日本社 ジョイノベルス, 4-408-50359-2
完全に続きもののシリーズを三年に一度出すのはやめてくれ。しかもたくさん。

それはそれとしてもこのシリーズはつまらないなあ。発表しているメディアにもよるんだろうけど、「いつものパターン」以上のものがないんだよなあ。

00/04/13
『ハンニバル(上)』, トマス・ハリス, 新潮文庫, 4-10-216703-X
うーん。思わずレクター博士の応援をしてしまうぞ。

『サイコ』#5, 大塚英志、田島昭宇, 角川書店, 4-04-713328-0
なんかルーシーセブンな人たちはでてくるなり死んじゃったな。まだまだ続々でてくるらしいし、その辺に西園が絡んでいく展開にするのか。

00/04/09
『「ぷろふいる」傑作選』, 光文社文庫, 4-334-72974-6
光文社って意外と推理小説に話のわかる編集がいるのかな、なかなか渋い選集だと思うんだが。
それはともかく、蒼井雄の「狂騒曲殺人事件」とかはなんか今の新本格系の作家が書いたといってもおかしくないくらい、骨格や形式がしっかりしてる作品だな。戦前にもこれだけのものが書かれていたのね。

00/04/05
『かってに改蔵』#5,#6, 久米田康治, 小学館 週刊少年サンデーコミックス, 4-09-125535-3,4-09-125536-1
ということで、結局一気に最新刊まで買ってしまった。確かに何でもエロねたに走ってた『南国』に比べるとずいぶん濃くなってきたかな。キャラクターの作り方もうまくなってる感じだし。

00/04/04
『かってに改蔵』#3,#4, 久米田康治, 小学館 少年サンデーコミックス, 4-09-125533-7,4-09-125534-5

00/04/03
『小松左京ショートショート全集3』, 小松左京, ケイブンシャ文庫, 4-7669-3091-6
初期のころの作品に比べるとずいぶんこなれてきた感じ。初期のショートショートはなんかアイデアをそのまま書いてただけという感じだったが、この辺になると、それなりにきちんと落とすための準備が出来ている感じかな。ほんとかどうか分からんが。あと、意外と今でも通用するだけの文明批評的な射程を持つ作品がこの当時に、もう書けているのはびっくりした。このころのほかの作家の作品といわれてぱっと思い出すのがないから、小松左京だからかけたのか、このレベルの物が書けるのが当然の社会状況だったのか、わからないけど。

『HUNTER×HUNTER』#8, 富樫義博, 集英社 少年ジャンプコミックス, 4-08-872847-5
うーん、スタンド化してきたなあ。話もどうでもいいけど、メガネっ娘がいいからいいか。

『かってに改蔵』#1,#2, 久米田康治, 小学館 少年サンデーコミックス, 4-09-125531-0,4-09-125532-9
久米田の作品を読むのは途中で読むのを止めた『南国』以来久しぶり。どこかのサイトで紹介してあったので、ちょっと読んでみようかと思ったのだが、しかし、芸風変わってないなあ。嫌いじゃないんだけどね。こういうの。

00/04/01
『弥次喜多 in DEEP』#4, しりあがり寿, アスペクトBEAM COMIX, 4-7572-0742-5
ああディープだディープだ。