過去に読んだ本
99年10月


99/11/30
『凍える島』,近藤史恵, 創元推理文庫, 4-488-42701-4
どこがどう悪いというところもないのだが、もうひとつ面白くなかった。やっぱり、ケレンミたっぷりの大仕掛けなミステリが好きな人なのだなあ、俺は。あと、ちょっとキャラクターを活かしきれていないのかなという気はする。わりとキャラクターとしては魅力的な人物もあるのだが、話の都合上一人称で進んでいくので、その辺描ききれなかったのではないか。
99/11/26
『百鬼解読』,多田克己, 講談社ノベルス, 4-06-182101-6
すごく博識な人だとは思うが、もうひとつ刺激には欠ける本だった。もっと広がりと転倒がほしいところだが、それをやると小説になるか。創作や名前だけの妖怪も多いから、絵解きと言葉遊びと引用しか手はないもんね。
『ランゴリアーズ』,スティーブン・キング, 文春文庫, 4-16-714818-8
さすがアメリカはスケールがでかい。これを中編集というんだから。それはともかく、執拗な繰り返し、ディテールの細かさ、なかなか正体が見えない「敵」と、昔と手法的にはまったく変わっていないと思うんだが、昔ほど面白くはない。俺が変わったのかなあ。
99/11/21
『ロケットガール』,野尻抱介, 富士見ファンタジア文庫, 4-8291-2618-3
普段だったら「富士見ファンタジア文庫」なんて絶対に買わないのだが、fj で評判がよかったので、読んでみました。たしかに、燃料が都合よさすぎる点と読者サービス?の宇宙服を除けば、非常にリアルな話。
99/11/20
『ことばのエコロジー』,田中克彦, ちくま学芸文庫, 4-480-08524-6
「ことば」と民族と国家とのかかわりについて論じたエッセーを集めたもの。
99/11/19
『ヨウスケの奇妙な世界 17 ここに愛の手を』,高橋葉介, 朝日ソノラマ, 4-257-72037-9
『辰奈1905』,鬼頭莫宏 ビブロス, 4-88271-728-X
ウェブ公開版も全部見ていたのだが、つい買ってしまった。作者注もついてお買い得?でもやっぱりCG メカはわかりにくい。
『死刑執行中 脱獄進行中』,荒木飛呂彦 集英社 SC オールマン愛蔵版, 4-08-782537-X
駆け引きもの・ルールものを描かせたらやっぱり相変わらずうまい。『デッドマンズQ』 はもっと描いてほしい気もするぞ。それはともかく『ジョジョ』再開か。
『犬夜叉』#13, 高橋留美子, 少年サンデーコミックス, 4-09-125583-3
99/11/16
『本格推理』#15, 光文社文庫, 4-334-72919-3
今回は特にひどい作品も少なかった代わりに、特に面白い作品もなかったな。みんな小ずるくなってきたのかしらん。
99/11/14
『豹頭将軍の帰還』#68, 栗本薫, ハヤカワ文庫, 4-15-030628-1
グインもやっとケイロニアに帰ってきて、これでようやく舞台が整った感じで、後は怒涛のごとくあんなことやあんなことが起きるんだねえ。
99/11/13
『エイリアン9』, 富沢ひとし, 秋田書店 ヤングチャンピオンコミックス, 4-253-14609-0
なんだかイヤな表紙だなと思ったら、最終刊か。話を広げすぎずにうまく個々人の話のレベルでまとめたなと思う。
『学校怪談』#13, 高橋葉介, 秋田書店 少年チャンピオンコミックス, 4-253-05396-3
ほんとにいったい何のマンガなんだか。
99/11/7
『谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明』, 谷岡ヤスジ, 実業之日本社, 4-408-61206-5
ギャグマンガってのはやっぱリアルタイムで読むべし。面白いんだけど、どうしてもなんか一歩置いて読んでしまう。
99/11/5
『武士沢レシーブ』#2, うすた京介, 集英社ジャンプコミックス, 4-08-872790-8
あっさり終わってしまったな。さすがに前作『すごいよ!!マサルさん』の時ほどのパワーもなかったし。
99/11/3
『ブギーポップは笑わない』, 上遠野浩平, 電撃文庫, 4-8402-0804-2
思ったよりなんだか地味な話だなあ。キャラクターのまあ、気持ちはわからないではないし、いまどきのふつーの高校生な人たちにはそれなりに重かったりするのかもしれないが、自分自身は普通の高校生活とは無縁な人間だったので、共感したりするまでは行かないのだ。第二作まで買ってるからそれ読んでから残りどうするかは決めよう。
『火星のプリンセス』, E.R.バローズ, 創元SF 文庫, 4-488-60139-1
『火星のプリンセス』『火星の女神イサス』『火星の大元帥カーター』の三冊合本版。とにかく面白い。助かるのも危険に陥るのもむちゃくちゃご都合主義なのだが、それがまったく興ざめさせない。その辺の文章力・構成力と、火星の世界観の構築の確かさが、いまだに読まれている由縁なのだろう。
『寺田克也全部』,寺田克也, 講談社, 4-06-330083-8
特別に好きな画家というわけではないのだが、つい買ってしまった。それもこれも、画面にあふれるパワーのせいだ。画面構成、色使い、独特のPainterによる?タッチ。力に満ち溢れている。