アクアラインを経て銚子へ(2001年5月4,5日)

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i行き当たりばったりの旅

5月の連休の後半は、霞ヶ浦周辺へのドライブをしました。行き先は道路の混雑具合によって成り行き任せということで、宿の手配はしないで出かけました。連休の真っ只中のこと、空室はないかもしれない。最悪の場合は、夫の好きな健康ランドでも我慢しよう。どうしても泊まるところがなかったら帰ってくればよい、と本当に気楽な気持ちで出かけたものでした。

アクアライン

夜明け前に出発し、首都高湾岸線を経てアクアラインへ向かいました。
アクアラインは通行料が高いし、特に用もないのでこれまで通ったことがありませんでした。昨年7月に料金が改正されてからは、機会があったら通ってみたいと思い今回の旅行の方面を決めたものでした。

念願の海ほたるは、朝があけて間もないのに、駐車場には車が多く、売店やゲームセンターは大勢の人でにぎやかでした。冷たい風に吹かれてデッキからの眺めを楽しみ、軽く朝食をとって一路房総半島に向かいました。
海岸のドライブ

房総半島を横断し、勝浦のあたりで海岸線に出て北上しました。うす曇りの九十九里海岸は冷たい風が心地良く、快適なドライブでした。連休前半には荒々しい日本海岸の景色を楽しんできたばかりなので、このまっすぐな海岸線がなんとも感動できでした。

景色を眺めることも旅の楽しみであることはもちろんですが、おいしいものを食べるのも大きな楽しみであります。前回銚子にいったときに気になっていたお魚の店に行こう。でも、ゴールデンウイークで道路は混んで、駐車場もいっぱいかもしれない。では、ちょっと手前の駅に車を止めて、電車に乗っていってはどうだろうか。という夫の提案で、猿田という駅前の広場に車を置いて電車で銚子に向かいました。銚子駅から犬吠駅まではかわいらしい銚子電鉄に揺られていきました。
銚子電鉄     犬吠埼駅


行列の回転すし

犬吠駅から1.2分のところにある回転寿司の店。ここが今日の私たちの昼食の店になるはずでした。車を置いて、電車を乗り換えてはるばるやってきた私たちの目の前に展開する光景は、午後の2時に近いというのに店の前から角を曲がって延々と続く人の波でして。この行列が何のためのものか分かるのに一瞬の間がありました。私たちが考えるようなことは、世の中のほとんどの人が考えていることで、ゴールデンウイークともなればこういう状態になるだろうと予想しなった私たちがうかつでした。いえ、私たちではなく、私がうかつでした。夫がこういう状況に順応する人ではないということは、重々承知しているはずなのに・・・。
夫はこの光景を目の当たりにするや、すぐに「帰ろう」といい、駅へ向かって歩き始めました。それでも、このまま帰るのは忍びないと思ったのでしょう。駅前に出ている出店や、列車を改造したレストランをのぞいていましたが、やはりその気にはなれないようでした。私たちはそのまま10分ほど待って、戸川の駅から引き返してきた電車で、銚子に帰ってきました。

悲惨な昼食

銚子駅前で我慢しよう、ここにだってきっとおいしい店はある・・・そう信じて私たちは駅前の信号を渡りました。期待通り、おいしそうな店は何軒か見つかりました。ところが、私たちの大きな期待に反して、私たちが目をつけた店はどこも行列ができていました。この行列の長さなんてあの店に比べたらかわいいもので、ちょっと待てば入れそうなところばかりです。ところが夫はもうこれ以上待てないという様子でした。コンビニでも目に入ったらお弁当を買いに走りそうな雰囲気です。仕方なく私も妥協し、行列のないお蕎麦屋さんに入ることにしました。これがこの旅の間違いの始まり・・というか、マーフィーの法則のはじまりというか・・・。

行列こそなかったのですが、この日の客入りは彼らの仕事のキャパシティーを超えたようでした。半分ほどのテーブルには客がいて、残りのテーブルは食べ終わった食器類が片付かないままになっていました。私たちは片付いているテーブルの端のほうに座っているご夫婦に相席をお願いし、メニューを見ました。店の構えの割には驚くようなお値段で、天ざるを頼もうとし他のですがやめました。1600円の天ざるを頼みたくなるような店ではなったのです。天ぷらそばは950円だったので、私はそれを、夫は1300円のてんぷら定食を頼みました。

待つこと30分。その間に合計三組の客が来て、そのうち一組は注文したのいつまでも出てこないので黙って帰ってしまい、もう一組はなかなか注文を取りにこないと怒って帰っていきました。Woodpecker営業中には、私たちにもこういう経験は何度かあり、人事のようには思えませんでした。食べ終わった客は店が混んでいると、長居をしては悪いからと、席を空けてくるものです。それをありがたいと思うのは、未だ余力のあるときです。客がいるテーブルには、食器が載っていても不思議はないのですが、帰ったらテーブルを片付けなくではなりません。また、そこに次の客が入ってくる可能性もあるのです。

こんなときは表の看板をひっくりかえして、準備中にするのが一番なんです。そうすれば客を怒らせることもないし、客の注文を自分の都合にいように変更させるということもないはずです。私たちも何度か席を立とうとしましたが、同病相哀れむというのでしょうか、なんとなく怒り切ないでおとなしく待っていました。散々待たせた挙句に出てきたのが私の親指くらいの太さで、私の中指くらいの長さの海老天1尾と、私が親指と人差し指で作った輪っかよりほんのちょっと大きいサツマイモの天ぷらが1枚乗っかっただけの天ぷらそばです。

それからしばらくして、私がそばを食べ終わったころに漸く夫のてんぷら定食が出来上がってきました。黙っててんぷらを口に運ぶ夫・・・・。勘定を済ませて駅に行った夫が、立ち食い蕎麦屋をのぞいて一言「こっちの450円の天ぷらそばのほうがおいしそうだよ・・・」教えてくれました。