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霞ヶ浦

猿田駅で車に戻り、利根川沿いまで出ました。銚子で太平洋にそそぐ利根川は、このあたりでは向こう岸まで1キロ以上あるそうです。幼少のときをこの利根川の上流で過ごした私にとって、川とはこちらの岸から向こう側までせいぜい20メートル程度のものでした。毎日のように見ている相模川や多摩川も、大きな声で呼んだら、向こう岸まで届きそうな近さです。いちいち声に出して感動しながら国道51号線を西行していくと、大きなショッピングセンターが目にとまりました。

地方に行くと、都会では見られない大きさのモールやショッピングセンターに出会うことがあります。いずれも大手スーパーなどの経営なのですが、地方によって商品、特に農産物などに特徴があるので面白いです。広い敷地に、駐車場を囲んで、家電店、ホームセンター、家具店、スーパーなどが並んでいます。名前と店構えからはどんな商品を扱っている店なのか分からないものもあります。この店もご多分に漏れず、地方色豊かな商品が並んでいました。特に面白かったのは野菜の束がとても大きかったことです。漬物用でしょうか、ちょっと傷のついたきゅうりが3キロほど袋に入って300円。ごぼうも細めのものですが、30本くらい束になって300円。ずいぶん安いものだと驚きました。

宿探し

そろそろ今夜の宿を探そうという時間になりました。夫のお勧めの「るるぶ」を見て、これはと思う宿に空室はないかと電話をかけます。「あいにく今夜は・・・」と何度かいわれた後に、国民宿舎で「大丈夫です」というところがありました。国民宿舎はサービスは良くはないし食事も期待はできないのですが、公営だけあって宿泊費は格安で、安心して泊まれる宿だと思います。部屋はあるが時間的に夕食はできない、朝食のみにしてほしいといわれました。まあ、泊まれればよいとしてお願いすることにしました。
節句の祝い

霞ヶ浦の北岸を西行し、湖畔の宿に着きました。築40年の建物は、当時はさぞ近代的で立派なものだったろうと(当たり前か・・・)思えるものでした。
既に明日の準備が終っているのでしょうか、フロントの前に、受付のテーブルが用意されていました。机の上には「○○家節句祝」、奥まったところには「◎◎ちゃん控え室」書いた紙が貼ってあります。節句祝い・・・このあたりでは初節句の祝いをこのような形で行うのでしょうか。世襲制における長子という立場の重さを実感しました。



客引き

朝一番で目指したのは潮来のあやめでした。あの風情のある小船に乗って水郷を行く・・・、ちょっと期待して船の乗り場に向いました。近くまで来ると絣の着物に真っ赤な手甲、脚半の女船頭さんたちの姿が見えました。駐車場を探しながら近づくと、一斉に車のそばによってきて、客引きをしてきます。それはおぞましいともいえるほどのもので、夫は私に声もかけないで、すぐにその場を離れました。もちろん私も同じ気持ちで、大声で叫びたいほどでした。

太平洋

すぐに車を北に向け、大洗に向いました。長い海岸線と穏やかな太平洋、心地よい海風に吹かれながらのドライブは快適です。途中なんか初夏車を止め、展望台から太平洋を眺めたあと昼食を摂りました。

海岸線に見つけたレストランは、大きな古民家を改造したような建物で、その姿に惹かれて入ったものでした。期待はしたのですが、大味で、どこにでもある観光客相手の店でした。

今回の旅は「食」には恵まれていないようです。
天候に恵まれ、飛び込みで宿も取れ、霞ヶ浦や九十九里海岸の風景を堪能しました。最後に鹿島神宮にお参りし、2日間の旅は終わりです。