郵便番号 7 桁化について
新郵便番号の概要
郵便番号が現行の 5 桁から 7 桁に変更になる。
- 平成 10 年 2 月 2 日より施行される。(1998 年 2 月 2 日)
- 現在の郵便番号 5 桁をもとにして、7 桁になる。
- 町丁目(市町村の下位区分)単位に番号を割り当て、大口の事業所には個別の特定の番号を割り当てる。
- 施行後も現在の郵便番号を使用することができる。
永続的に使用できるかどうかは不明。
- 料金減額制度が変更される。
住所のバーコード印刷が必要になる。
既存コンピュータシステムへの影響
- 住所を印刷した帳票の変更
- リスト、タックシール、はがき、差込印刷文書などのフォーマット変更が発生する。
- 郵便番号を扱っている帳票は、すべて変更されることになる。
- 新郵便番号制施行前と施行後で 2 種類を用意する場合もある。
- 郵便料金減額制度を利用するためバーコード印刷機能の追加。
- データベースやファイル設計の変更
- 現在 6 Byte (文字型、ハイフン含) で確保している場合は、8 Byte に変更する。
- 5 Byte (文字型、ハイフン無、3+2 桁)で確保している場合は、7 Byte (3+4 桁)に変更する。
- 新郵便番号制施行以前から使用する場合には、新旧 2 種類のデータフィールドを用意したり、新旧どちらかを示すフラグを用意するなどの処置が必要になる場合がある。
- 郵便料金減額制度を利用するためにはバーコードを格納するフィールドが必要になる。
- 住所簡易入力のために郵便番号を使用している場合は、住所マスターデータの変更や、データ容量の見直しが必要になる。
- ユーザインターフェースの変更
- 5〜6 文字、3文字 + 2 文字に固定されている画面レイアウトの変更。
- 住所簡易入力機能として、郵便番号を使用している画面の変更。
- 既存データの移行・変換作業
- 新郵便番号制度は現在の郵便番号制度を踏襲した形で 7 桁に変更されるが、追加される数字桁については郵政省が恣意的に決定する。
そのため現在の郵便番号から新郵便番号へ、機械的に変更することはできない。新郵便番号制度施行後も現在の郵便番号が使用できることを考慮し、徐々に変更していくことが現実的だと思われる。
- プリンタの見直し
- バーコード印刷を行う場合などで、既存のプリンタでは対応できないことが考えられる。
パッケージソフトへの影響
- 業務パッケージアプリケーション
販売管理や顧客管理などのアプリケーションで住所を入力印刷するもの。
- 宛先印刷
ハガキや封筒へ住所を印刷するためのアプリケーション。年賀状や暑中見舞いに焦点を絞った名簿管理ソフトが多々ある。
クレオの筆まめや、アスキーサムシンググッドの筆王はすでに対応済みと宣伝している。(詳細は未調査)
その他汎用のデータベースアプリケーションでも、名刺管理などのテンプレートを用意しているので、それらは変更する必要があると思われる。
- 住所入力支援ソフト
郵便番号を入力すると住所に変換する機能を提供するアプリケーション。文化オリエントの J*Address など。
- かな漢字変換フロントエンドプロセッサー (IME)
郵便番号を入力すると住所に変換する機能を持ったかな漢 FEP も、新郵便番号制に対応するためには変更が必要。
新郵便番号制のメリット
- 郵便業務合理化による、郵便料金の値上げの凍結や、サービスの向上。
- 住所表記の短縮
特定の企業やビルに割り当てられる郵便番号が増えるため、住所表記を短縮できる場合が多くなる。
- 住所誤記時の紛失率低下
住所を書き間違えた場合でも、郵便物が到着する可能性が上がる。(?)
- 新規コンピュータビジネスの展開
郵便料金減額のためのバーコード印刷など、システム化できる範囲が拡がる。
地区コードとして新郵便番号制度を使用することができる。
所感
新郵便番号制度は西暦 2000 年問題や消費税率 5% 同様、コンピュータ屋にとって厄介な問題である。
プログラムの修正、データの変換移行などの実作業が発生するものの、顧客にその対価を請求するのが難しい。特に新郵便番号制は利用者にとってほとんどメリットがない。税法の変更や西暦の変化は否定できないが、郵便番号などは特に書かなくても、郵便物は到着するのだし、対応する必要もなさそうに見える。事実、郵便局のパンフレットでは、郵便番号を空白にし、住所1 の部分に新郵便番号を、住所2 に残りの住所を記入すれば、現在使用しているワープロやパソコンをそのまま利用できると説明している。
本当に対応する必要があるのだろうか? 5〜6 年前から検討されていたのは聞いていたが、今の郵便番号制度に 2 桁か 4 桁を足しただけに見える なんとも不格好なコード体系だ。市町村とも、小選挙区とも、国勢調査などで使用されているメッシュとも関係がない。これらと連動していれば今後さまざまな使用方法が考えられるのだが。
2000 年は予測できたことであり、真剣に検討され移行ツールなども存在している。(個人的にはツールが役に立つとはとても思えないのだが....) 消費税率は消費税導入の際、今後税率の変更が予想されていたため変更は比較的容易にできるだろう。(経過措置や過渡期が難しい) しかし、新郵便番号制はまだ真剣に検討されていないようだ。あと 1 年少々しかないのに。
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