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Hydro Pneumatic Flow Distributor O/H
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フローディストリビューターのオーバーホール
BXのフロー・ディストリビューター(以下FD)はLHM漏れを起こしている代表的な部分です。
漏れを起こしている場所は左右4箇所のグロメットからがほとんどで、原因はゴム製o-ringの劣化です。
新品に換えるのが一番手っ取り早く確実ですが、4〜5万kmでまた漏れてきます。
ここではオイル漏れ対策に的を絞ったオーバーホールをしてみました。
    
FD本体の車からの脱着はこちらを参照してください。

作業の実際
注意点など

取り外したFDとOHキット。


手順
  1. まずはCリングで止まっている4つのグロメットのうち、取り出しが最難関な部分に挑みましょう。

    ここだけはスプリングが効いてなくて、指で押すだけでグロメットはへこみます。

  1. ピックと−ドライバーでCリングをほじり出します。

  2. ほじり出し中のCリング。

    リングが取り出せたら入り口5mm位を1000番のペーパーを掛けて汚れ、錆び等を取り除いてやります。
    これをしないと、後々グロメットを抜くのに苦労します。

  3. Cリングを外したグロメットは、トントンと木の板などに打ち付けてやると少しずつ出てきます。頭が見えたらプライヤーで掴んで左右に少し回しつつ引っ張ると抜けます。

    ここで最初にペーパーで掃除したのが効いてきます。ドライバー等で押し出そうとしてもフィルターが横に走っていますので不可能ですのでやさしく根気よく引き抜いてください。

  1. 他の三箇所のグロメットは内部でスプリングが効いていますから、大きなドライバー等で押し込みつつCリングを外します。

    Cリングは後で整形ができますし、キットに新品が入っていますから少々変形しても大丈夫。

    シリンダー内部に傷を付けない程度に大胆に。

  2. 2箇所はスプリングの力でグロメットは飛び出してきますので、プライヤー等で掴んで取り出します。

    シリンダーを覗いて、向こうが見えている1箇所は細いドライバー等で押せば出てきます。




本来ならここでパイプが刺さっている方角から覗いて、オリフィスが入っている所とその反対側の内部のフィルタを取り替えるのですが、このFDは内部の押さえ(1段狭くなっている部分)がヘキサゴンのネジではなく圧入式のパイプでした。

多くはネジ込み式ですので、回して内部にあるフィルタを取り替えます。

左:内部を取り外したFD本体。
中:取り出したグロメットとピストンとスプリング。
右:OHキットとの中身。

FD本体をきれいに洗浄、乾燥させた後、グロメットのO-リングを新品にして組み付けます。
内部のシリンダーに錆びが出ている場合は1000番のペーパーで軽くさらってやります。
ピストンは「ピカール」等で磨くだけにして、ペーパーを掛けるのは避けましょう。組み付けは全ての部品にLHMを塗りつつすすめます。

この時に「絶対に」ピストンの方角、スプリングの位置を間違わないように!



4個の穴の内、真中下段の奥にも小さいO-リングが入っていますが、漏れていなければ外さないほうが良いです。ここはFDで唯一の調整が必要な部分で、調整を間違うとパワステが効かなくなったり、レギュレターに行く油量が足りなくなりカットオフしきれない場合があります。

どうしても外す場合はポンチ等でマーキングし、何回転絞め込んであったか確かめて確実に同じ分だけ締め込み、外側のロックナットで固定します。

最後にエンジンを掛け、漏れとパワステの動作確認をして終了。

 → FDの脱着法


使用した工具

スプリングの効いているグロメットは、左上のCクランプで押さえると作業が楽なのですが、今回間違えて75mmの品を買ってきてしまったために(^^;使えませんでした。

使用したOHキット

純正品番:95 669 034(参考価格:7.000円)



(C) Y. Furukawa

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