Back Numbers : 王様の耳はロバの耳!2004年版



(一番上が新しいもので、下に行くほど古くなります。)

大谷健太郎監督が【NANA】を撮るというニュースに引き続き、今度は犬童一心監督が長澤まさみさん主演で【タッチ】を撮るというニュースが……。そりゃ【金髪の草原】の原作もマンガでしたが、やっぱりそれとは違うよな。ある程度評価されている知る人ぞ知る監督さん達が、一般的にもある程度名前が広まるかもしれない機会ができるというのはきっといいことなのに違いないし、監督さん達にしてみれば単に、仕事があればやるといった感じなのだろう。でも、やっぱり、何だかなー。企画の安易さを感じずにはいられないのは私だけ ?

えーっ !! 本当に名前変えちゃったの !? 私は【ゴースト・ネゴシエーター】というタイトルの方が好きだったんだけどなぁ。単にあの占い師のおばさんが“ネゴシエーター”って単語を知らなかっただけなんじゃ…… ? でも、映画宣伝はメディアに露出してナンボの世界だから、こんな流れになってしまったらタイトルの一つくらい変えてしまわざるを得ないのも仕方がないのか……映画が当たらなければ占いのせいに出来るってもんだしね。その時はポスターやチラシの刷り直し分の一千万円を賠償請求してみるってどうでしょう ? (勝てないとは思うけど。)

たけしさん、よく言った !! 映画評論家を自称する某有名バラエティタレント様については、心ある映画ファンはみんな同じことを思っていたはずだ !! ちなみに私は、映画評論云々ということさえ抜きにして考えれば、バラエティタレントとしてのその方は決して嫌いではないのだが。

松竹が中心になって映画ファンドみたいなのを作り、一般の人からも小口の資金を募って映画を製作するシステムを開始したとのことだ。そのアイディアはとても素晴らしいとは思うんだけど……第1回目の作品が、主演がオダギリジョーと仲間由紀恵の忍者ものだっていうのもかなり怪しいんだけど、よりにもよってこの監督を選ぶというのはどういう人選なんだ。申し訳ないが、この人の作ったもの、私は面白いと思ったことがない。ビンボーな私には投資なんて全くお呼びでない話ではあるけれど、もし私が金持ちだったとしても、これはお金は出せないでしょう。折角の企画がしょっぱなでつまずいてあえなく終了してしまったりしないのかな。そうならないよう、一応お祈りはさせといて戴きますが。

リニューアルした『ぴあ』は、重すぎて持って歩けない。どうして『ぴあ』って、モデルチェンジする度にどんどん不便になっていくんだろう……。

カフカの『変身』は、その内容が抽象的であるからこそ意味があるんじゃないかと思う。これの実写版を作った人がいるだなんて……無謀と無茶以外の何者でもあるまい。

全米で大穴No.1ヒットになったというベン・スティラー様主演の【ドッジボール】が、日本ではなんと劇場公開されないと知り大ショック !! 最近そういうふうに、中規模クラスの良作が入ってこないっていう現象が、もしかして増えてるんじゃない~ ? 作品にちょっと色がついてしまうと、向こうの言い値とこっちでの興行収入予想額の折り合いがつかなくなってしまう、などということもあるのかもしれないが、それにしても、公開すべき映画とそうじゃない映画の選定は、もっと考えて欲しいような。

アミューズ&シネカノンはまた映画館を作ったのか……景気がいいなとも思うけど、それ以上に、掛けたい作品がそんなにあるというのが凄いなぁと。今はどこも、番組編成では結構苦労してるんじゃなかろうかと思ったりするので。アミューズ系の俳優さんが出演する作品をもっと上映したいという思惑もあるのかもしれませんが。

【いま、会いにゆきます】という映画、話を聞いててどうも今ひとつ釈然としないなぁ、と感じてたら、突然思い当たりました……そうか、これ、【黄泉がえり】の二番煎じ狙いなわけ !! (作り手側はどうであれ、プロデュース側は絶対そう !! )中村獅童さんは、凄く好きな人だけに、主演か否かということよりは役柄の面白さで作品を選んで欲しいかなぁ、なんてちょっと思ったりした。

とはいえ、【呪怨】のリメイクが全米で1位を取ったっていうのは凄いですね。色んなタイミングの結果という側面はあるにしろ、清水崇監督、凄いです。

《Jホラーシアター》という企画ものについて思う。海外への売り込みなども視野に入れて、日本映画界を更に活性化させたいとのたまうプロデューサー・サイドの触れ込みはいいと思うのが、その手段はホラー一本槍で他にはないのかなぁ…… ? 世の中には、私のようにホラー嫌いで、いい加減ちょっとうんざりと感じてる人も少しはいるんじゃないのかと思うのだが。

去年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを取ったという【鉄西区】をやっと観に行く機会がありました ! 観た感想はというと、まぁ当然のことながら、長かったです……だって9時間もあるんですもの。これ全部が必要なのかなぁ ? と思うのと同時に、監督の生理としてこの長さが必要とされたのかなぁとも思いました。つまり、あらかじめ想定しているある種の“物語”に当て嵌めるだけなら、本編をもっと短いものにすることも可能だったのかもしれませんが、監督の中にはきっと、そうしたくない強い理由があったのでしょう。でも、9時間という長さは見る人を選んでしまうことも確かなのですが……。

かれこれ20年前くらいから存在している【くりいむレモン】が今更実写化と聞いて、ちよっとあきれてしまったり。凝りもせず何本も作られる【完全なる飼育】のシリーズと同様、これも身勝手妄想系の極みだよな。

最近映画館で「夫婦50割引」(夫婦のどちらかが50歳以上だと入場料が一人1000円になる)の宣伝を見ていつも思うのだが、今時、がま口ハンドバッグにソックスっていうファッションってありなのだろうか……。

えっと、これも映画とは直接関係無いんですがかなり嬉しかったので。今を去ることン十年前、上京する際に持ってこなかったことをず~っと公開し続けていた武田京子さんの漫画『昔遊んだジョージ』が、引っ越しでしばらく本屋さんに寄り付かなかった間に、何と再販されていたんですぅ~~ !! 勿論、速攻注文して全巻揃えましたとも。今で言うレディース・コミックの走りみたいな雑誌に掲載されていた作品ですが、今読んでみても、やっぱりこんな“たゆたう”ような雰囲気の漫画って他にないよなぁと、堪能致しました。舞台は無論、吉祥寺。この影響で吉祥寺に住みたいと思ったのだと言っても、多分、半分くらいは間違いではありません。それにしても、このジョージさんを始めとする登場人物の皆様も今やン歳くらいになってるはずと思うと……恐ろしや。(帯にあるジョージさんの奥さんの名前が全巻間違っているのは、何とかならんかったのか。)

本国では、正調ゴシック・ホラーを期待したそのテの客から悪評芬々だったと伝え聞く【ヴァン・ヘルシング】だが、その点を鑑みてか、日本では最初からアクション・アドベンチャーと割り切った宣伝活動をしているのは、いっそのこと潔いと思った。

【ボビー・フィッシャーを探して】のモチーフとなった伝説の元チェス・チャンピオンのボビー・フィッシャー氏は、何と今現在日本にいて、強制退去処分がどうのこうのと、(日本人以外にとっては)結構な大問題になっているらしい。(また、近々ある日本人女性と結婚予定との報道も。)何でも彼は、自らユダヤ人ながら反ユダヤ主義者で、かなり過激な政治的発言を繰り返していたことから昔から目をつけられており、特に、1992年に経済制裁下の旧ユーゴスラビアで賞金をかけた試合をしてからは、アメリカ政府から指名手配されていたのだそうだ。また、かの9.11に対しても反アメリカ的発言をしたため更に問題視されていたとも。今、何故この時期に ? ということに関しては様々な政治的な思惑絡み合っていて思ったより大変なことになっているみたいで、ここには書ききれないようにも思うので、興味のある方は検索サイトなどで当たってみて下さい。

お亡くなりになったと言えば、脚本家の野沢尚さん。人間には他人からは決して窺い知ることの出来ない領域があるのだし、タナトス君が長年の古いお友達である私に人のことをとやかく言えた義理など全くないのだが、それでもやっぱりどうしても一つだけ思ってしまうのだ。「死んで花実が咲くものか。」生きているということは、何かの形で何かを変えることが出来る可能性があるってことで、氏にはまだまだ出来ることがあったのではなかろうかと。

しばらく世間から遠ざかっている間に、フラメンコのアントニオ・ガデス氏と狂言の野村万之丞氏がお亡くなりになっていて、とても驚いた。(注:お二人とも映画界には所縁のある方なので。)特に、狂言界きっての理論家でいらっしゃった野村万之丞氏はまだ40代半ばで(ウチの父の享年とあまり変わらんがな)、これからますます一層御活躍なさったことだろうと思われるのに、本当に惜しまれる。お二人とも、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:・゜゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜゜・*

もう一つキネ旬ネタ。篠崎誠監督が、先日亡くなられた三橋達也さんの追悼記事を書いていらっしゃったのだが、これが、心からの哀惜の念に満ち溢れたあまりにも切々とした文章だったので、泣けました……。

しばらく前のキネ旬に載っていた、松竹の新社長・迫本淳一氏のインタビューが面白かった。かの城戸四郎氏の孫と聞いて、あぁまたそういう人かと一瞬思ったのだが、弁護士資格を持っていたり、実際に法律事務所で働いていたことがあったり、米国への留学経験があったりと、随分と外の世界の空気を吸っていらっしゃるようで、今までのいわゆる身内の人材というのとは一味違うみたい。ビジネスにも明るいようだけど、一番エラいと思ったのは、クリエイティビティというのは数字だけでは割り切れない部分があるので、映画会社の経営上の役割というのはそれをいかにうまくサポートしていくかということだ、ということを肌で分かっているように見受けられるところだ。ううむ、ずっと長い間、保守的なところ大概嫌いだった松竹だけれども、この人が社長ならば、確かに再生が期待できるかもしれない。

引っ越しなので、引っ越しなので、引っ越しなぁのーでぇ、イオセリアーニ監督特集を観に行けない~~(泣)。

窪塚洋介さんを過大に持ち上げて煽り立てる元凶となったであろう最初の雑誌を知っている。周囲がどうだからってそれで己を見失ってしまうのは当人の器の問題だとは思うけれど、そこは若い身空のこと。極端な意見をそれと気づかず突っ走ってしまうこともままあるかもしれないのに、要は周りに誰も、それを止められるほど分別のある人がいなかったってことなのでは。私はこういう形で潰れてしまった彼と彼の才能が気の毒でならない。彼は、10年掛かっても20年掛かってもいいからゆっくりと大人になって、いつか復活してきてくれないですかね。

もう皆様ご存知のことと思いますが、是枝裕和監督の新作【誰も知らない】の主演男優、柳楽優弥さんがカンヌ映画祭で最年少の主演男優賞を受賞したとのこと、本当にめでたいです !! これが御本人の将来にとってもプラスになることを願ってやみませんが、これで是枝監督のお名前も、日本のお茶の間で少しは知られた存在になるのではないかと思うと、それはとりあえずはいいことなのではないかと思います。ひいては、日本映画でもこれだけ素晴らしいものがあるんだよ、ということを一人でも多くの人が知って下さるきっかけになればと、願ってやみません。

キネ旬に載っていて驚いた話題2つ。角川がかのドリームワークスと独占契約を結んだらしい。高知工科大学で夏の間、ニューヨーク大学大学院の映像学科長をアドバイザーに迎えたフィルムスクールを開催するらしい。アジア全域から受講生を募集し、授業は全部英語なんだって。橋本(大二郎)知事、やる~。

中野武蔵野ホールの思い出ベスト5(順不同)
1. 望月六郎監督の【スキンレス・ナィト】という映画を見て目からウロコが落ち、ポルノ映画またはインディーズ映画に対する認識を100%改めた。(結局 P1グランプリには行けなかったけどさ……。)
2. 【花を摘む少女と虫を殺す少女】の初日に行ったら舞台挨拶があり、映画が終わった後に出口にいらっしゃった矢崎仁司監督に握手して戴いた。(すごく柔らかくて繊細な手をしていらっしゃった。)
3. 【テシス 次に私が殺される】という映画を観に行ったら、客は激少なかったけど、これが滅法面白く、スペイン映画界の層の厚さに感じ入りつつ、これが監督デビュー作だというアレハンドロ・アメナーバルの名前をしっかりインプットした。(エラく才能ある人だなぁとは思ったけど、まさかこんなに名の知られた人になるなんて……。)
4. 【グループ魂のでんきまむし】を見に行った時、久本雅美さんと思しき方をお見かけした。(スッピンみたいだったけどとてもおきれいだった。)
5. 【戦艦武蔵】というドキュメンタリーを見に行ったら、客席の95%がおじいさんだったので驚いた(多分皆さん従軍経験がおありの方ばかり)。ちなみに、満員の客席で女性は私の他には一人だけだった !!
他にもどれだけたくさんの映画をここで見たことだろう(数が多すぎて覚えていない)。武蔵野ホールが閉館すれば、中野の駅に降りることも滅多になくなってしまうのだろう。たまらなく寂しい。

映画とは直接関係のない話で申し訳ないのですが……ここ半年、夜も昼もない生活に忙殺されている間に、いつも買っているマンガの新刊が山のように出ていたのにショックを受けた。特に呆然としたのが、『大阪豆ゴハン』のサラ イネスさん(サラ・イイネスから改名したらしい)の新作単行本が発売されていたことと、村上もとか先生の『龍 - RON -』の新刊が2冊も出ていたこと ! あぁぁ、我ながらウラシマ状態も甚だしい……。

壬生浪士組も始動を始め、段々佳境に入ってきましたねぇ、『新選組!』。毎週見てるとあっという間に終わってしまうし、やっぱり面白いと思うんだけどなぁ。おかしいなぁ。凄いなぁと思うのは、多分本当の年齢は香取慎吾君とあまり変わらないはずの沖田総司役の藤原竜也さんがちゃんと少年に見えること。それって演技力でそう見せているってことだよね。他に、毎回見てて特にいいなと思うのは、山南敬助役の堺雅人さんと、何と言っても土方歳三役の山本耕史さん♪正直、二人とも、ここまでいい役者さんだとは思っていなかった。ところで、お話が進むごとに、このお話の真の主役は実は、近藤勇をいっぱしの男にしようと奔走する土方歳三の方ではないかと思えてきて仕方ないんだけど、いかがなものだろう。

他の注目作は、フジテレビの『アットホーム・ダッド』。阿部寛さんの専業主夫というのが、私的に非常にツボ。隣家のベテラン専業主夫が宮迫博之さん、その妻のヤリ手の女社長がオセロの中島知子さんというのもいい。に勧められて見たのだが、いろいろな仕掛けがしてあってなかなか面白いなぁと思う。ところで篠原涼子さんはこちらのドラマでも主役級。1クールに2本も……働き者だなぁ。

このクールのドラマは面白いものが多いかも。日テレの『光とともに……~自閉症児を抱えて』は、テーマに真摯に取り組んでいるように思えるし、出ている役者さんも小林聡美さん、篠原涼子さんを始め山口達也さん、武田真治さん、市川実日子さん、井川遥さん、渡辺いっけいさん、鈴木杏樹さん(何と高橋恵子さんに大倉孝二さんまで!)と本当に好きな人ばかりで、好感度大。小林さんは(旦那さんが稼いでいるし)コンスタントに仕事をしている訳ではなさそうだけど、出演する作品はみんないいものばかりを選んでいるなぁと思う。ところでふと考えてみるに、篠原涼子さんは(若い身空で)子持ちの役ばかりが圧倒的に多いような気がするのだが、何故だろう。

最近、疲れが溜まっているとは思っていたのだが、【列車に乗った男】を見に行ってほぼ2/3以上を完璧に爆睡していた日にゃあ、こりゃ完璧に末期症状だわと嫌でも自覚せざるを得なかった……。パトリス・ルコント監督の映画で爆睡なんて、あり得ねー !! 救いがあるとすれば、辛うじて覚えている部分を断片的に継ぎ合わせて何とか思い出してみるに、もしかして、私の好きなタイプの映画じゃなかったかもしれない ? ということくらい ? (←完璧に負け惜しみ。)

げーっ!テレ朝のスペシャルドラマの『砦なき者』、見逃しちまったよぉーっ !! ……ついうっかり就業した会社が月間40時間とか残業させられるようなところだったのがそもそもの間違いだったんだけどさーっ !! ……3月の残業時間はついに50時間を越えたっつの。あたしゃ派遣だっつの。おかげで休日も疲れ果て、映画に行くのが精一杯で、ページの更新も出来やしねぇ。(さすがに4月末で辞めることにしました。ページの更新はゴールデンウィーク明けまで待ってて戴けると嬉しいのですが……。)しかし私は、鶴橋康夫監督のドラマにはどうも御縁が無く、まだ一つもまともに見たことがない。これだけ評価の高い方だというのに。

アカデミー賞候補に渡辺謙さんと【たそがれ清兵衛】がノミネートされていたので、今年のその手の特集番組では、過去の日本人絡みの受賞作を解説しているのがやたらと目に付いた。だけど……黒澤明監督の【デルス・ウザーラ】が外国語映画賞を受賞したことに触れているものをほとんど見掛けなかったのは一体どういうことなのだろう ? かの映画に資金を出したのがいくら旧ソ連だからといったって、一言くらい言及したってよさそうなものじゃない。それとも何かい ? ……単なる勉強不足とか言ったら怒るからな。(しかし皆様、アメリカの映画産業に携わる人達の人口と層の厚さを考えてみて戴ければ分かると思うけど、アカデミー賞というのは、1回ノミネートされればほぼ一生看板が付いて回るくらい、受賞すること以上にノミネートされることの方が大変な賞なんですよー。謙さんはノミネートされただけでもの凄いことだったのに。日本のマスコミは、賞取れなかったからってがっかりし過ぎだって。)

【イノセンス】の看板を見て思いました……押井監督がこの映画で一番描きたかったのは、実は犬だったんじゃないのか?(注:氏は無類の犬好きとして有名。)そういえば、去年の【さよなら、クロ】に引き続き、今年は崔監督が【クイール】だわ、聞くところによると篠崎誠監督の新作も犬だとか……。どうしてそんなに犬なのだ。そんなに“癒されたい”のか、世間。

♪この身はぁ~露と消えても~っ、というジョン・健・ヌッツォさんの歌うテーマソングを聞いているだけでも、なんか泣けてきてしまう。面白いと思うんだけどなぁ、『新選組 ! 』。史実に厳密に沿っていないところがちょっとくらいあったっていいじゃないの、どうしてそこまで“正しい”ドラマでなければいけないっていうのよ ? それにしても、私が面白いと思うドラマってどうしていつも視聴率が伸び悩むんでしょうね~。三谷さん、ごめんなさいって感じ。謝ってもしょうがないんだけどさ。

個人的には映画はイマイチだったが、渡辺謙さんがアカデミー賞にノミネートされたというのは、とりあえず喜ばしいことに違いない。で、これでどういう影響が考えられるかというと……ハリウッドのプロデューサーの何人かが謙さんに興味を持って謙さんの出演作をいろいろチェックし始める→彼が今現在出演中のドラマにも目を止める→この作品に主演しているのが日本で今一番売れているトップアイドルグループの一人だということが耳に入る→このアイドルの所属事務所は日本やアジアの市場で大変な力を持っており、またグループの一人がウォン・カーウァイの次回作に出演予定であるなど、最近は映画にもかなり力を入れていることを知る→この事務所と組めばもしかしてアジア市場を視野に入れたちょっとオイシイ商売が出来るかもしれない……ということで、ジャニーズのハリウッド進出というのが割とありえるんじゃないかなー、などとアホな妄想が膨らんでしまった。……すみません。でも、与太話としては面白いじゃない ? 許してちょ。

ついにディズニーとピクサーは決裂したらしい。どう考えても、両社の経営上の理念には隔たりがありそうだもんね。やっぱり……という感じではあるのだが、しかしディズニーは【トイ・ストーリー3】をピクサー抜きで作るつもりだとかいう話も……。う~ん、恥も外聞もなさ過ぎ。ていうか、自分達にそれが出来ると思うとは、ずうずうし過ぎ。

【オアシス】の初日プレゼントで『チャームゾーン』の試供品セットをもらえたのはかな~り嬉しかったです。(数回分使えそうな量が結構しっかり入っていたのがまた感激 !! )このテのプレゼントでこんなに嬉しかったのは【幼なじみ】の時のマルセイユ石鹸以来かな。この『チャームゾーン』というのは韓国ではかなり有名な高級薬用化粧品のメーカーなんだそうで、私は通販で買ったクレンジング・ティッシュを愛用しています。薬用の穏やかで優しい香りと使い心地がナイスですが、お値段がリーゾナブルなのもまたいいところ……って何で私は宣伝やってるんだ。ちなみにこの日は、【ラブ・アクチュアリー】でクリニークの香水を、【…クラブ進駐軍】ではハーシーズのチョコレート(…ギブ・ミー・チョコレート ? )をもらいました。大漁大漁。

サンダーバードの実写版ていうのはどうよ。あれは人形アニメだったからこその味があったのであって。人間がやってしまったら、単なるフツーのよくあるSFじゃないの。

ところでここのところ、朝の連ドラの視聴率はずっと落ち続けているのだそうで、それは決して人気が無いということではなくて、ビデオで録画して見る人が増えたり、BSとかでも放送をやっていたりする影響なんだとか……そういえばウチでも全部BSでビデオ撮って見てたっけ。でもそれじゃ視聴率の意味が無いような……。

彼等がキネ旬の決算号で、以前はちょっと難を示していた『てるてる家族』を改めて評価し直していたのでホッとした。いや~、面白かったですよ。石原さとみさんも可愛いったけれど、何と言っても浅野ゆう子さんと岸谷五朗さんの、何事も積極的で気の強いお母さんと、押しは弱いけどやるときはやるお父さんの夫婦が最高でした !!

樋口尚文さんや石飛徳樹さんがお書きになっているキネ旬のテレビ時評は結構スキでよく参考にさせて戴いているんだけれど、彼等がクドカンさんの前クールのドラマ『マンハッタン・ラブストーリー』を二人揃ってホメているのだけはどうも解せない。途中までは割と面白かったんだけど、それまでのお話は一体何だったの、ってな脈絡の無い最終回を見てガックリ……ウチではあれは失敗作だったということになっています。もしかしてクドカンさんって、既に出来上がっているカップルを描かせたら抜群に面白いけども、これから成就しようとする段階にある恋愛を描くのは苦手なのでは……ていうか、キョンキョンが出ている時点で彼女がヒロインだということが当たり前の規定路線なのだ、ということに気がつかなかった私達も、かなりマヌケなんだけど。

聞いた話によると、最近、外国映画は一部のブロックバスター作品を除いては興行成績が上がらなくて、むしろ邦画の方が着実に集客することが出来るのだそうだ。考えてみれば邦画の方が、テレビ番組に出演するなり雑誌に記事を書いてもらうなりして、その気になればずっときめの細かいプロモーション活動が出来そうだもんね。つまらないハリウッド映画をえらく高い値段で買って大コケしてしまうよりは、邦画に投資して製作段階から関わってそれなりの出来の作品を作ってもらう方が、ずっと安上がりかもしれないし。もしそれで日本映画の本数がかえって増えるなんて現象が出てきたりすれば、全公開作の何%を国産にするとか義務付ける制度を作ったりするよりは、よっぽど健康的でいいかもしれないのだが。

と思ってこの間、恵比寿ガーデンシネマに行ったら、置いてあるチラシがえらくスカスカなのに驚いた。ああもしかして、日本の映画界って、ここへ来てついに本格的な不景気状態に突入 !? そういえば最近、週当たりの公開本数もなんだか減ってきているような気が……(年末年始の端境期だからなのだと思いたい)。

とか言っている間に、なんと銀座のシネ・ラ・セットも閉館だとかいう話を聞いて、ちょっとかなりショックかも。最近、中でものを食うなとか、ちょっとうるさくなってきていたのには閉口していたんだけど、閉館となってしまうと話は別。過去にここでどれだけの数の名作を見せてもらってきたかと思うと……(涙)。
(追加情報:が言うには、シネ・ラ・セットの裏手にあった「レバンテ」という老舗のビア・レストランが移転したことを考えると、あの一帯に再開発が入るんじゃないかということです。言われてみればそうかもしれない。)

東映パラスなどが入っていた新宿東映会館がいつの間にか閉館してしまっていて、ちょっと悲しい。確かに、構造などもちょっと古めかしい感じがして、あまりきれいとは言えない状態の映画館だったかもしれないが、それがかえって、いかにもかつて最盛期の映画産業を支えてきたという風情があって、決して嫌いじゃなかったんだけどな。

【ルビー&カンタン】という映画を見に行ったのですが……いつもにも増して超激疲れの週だったのが良くなかったのか、はたまた映画と自分がよっぽど合わなかったのか、ところどころの映像をぼんやり覚えている以外、映画の最初から最後までほとんど超爆睡しておりました……。さすがにこれでは感想が書けん。ので、一応見に行ってはみたのだぞという報告だけ……。

そういえば、キネ旬の新人賞も柄本明さんの息子さんだったよなぁ……いいんだけどさ。結局は個人の実力だと思うし。

【ヴァイブレータ】や【赤目四十八瀧心中未遂】で主演を務めた寺島しのぶさんの演技は確かに大変素晴らしかった。彼女の演技が最大限の評価を受けること自体は、まことに妥当なことであるように思う。しかし、上記の2作品くらいの規模の映画だと、女優さんがどれだけ素晴らしい演技をしていても、評価の俎上にも登らなかったようなケースも、過去に何度も見て来たようにも思う。彼女が(いろんな賞の選考委員のオジサン達の間で)しかるべき注目を集めているのは、彼女が“緋牡丹お竜”の藤純子こと富司純子の娘であるという事実とも無関係ではないように思えて、そこのところだけがちょっと釈然としない。




今年もやっぱり……

見たかったのココロの墓場のコーナー !!


(見たかった指数)

★…………少し心に引っかかったので、うんとヒマなら行っていただろう
★★………かなり興味があったので、タイミングがよければ行ってただろう
★★★……ほとんど行く気になってたので、時間の都合さえつけば行ってただろう


【エイリアンVS.プレデター】★★★
(こんなに公開作の多い週でなければ、ほぼ間違いなく行っていたのですが。)
【ベルリン・フィルと子どもたち】★
(題材があまり、そそらない。)
【ブエノスアイレスの夜】★★★
(監督のフィト・パエスさんは、ミュージシャンとして非常に高名な方なのだそうです。)
【クリスマス・クリスマス】★
(大倉孝二さん主演というのは魅かれるんだけど、なんか評がめちゃくちゃ悪い……。)
【《ラブコレクション》】★
(今時、“女性の愛・友情・エロス”なんてテーマで客の興味を引けると本気で思っているのか ? )
【でらしね】★★
(だから、お台場は遠いんだってば~。)
【2番目の彼女】★
(北村有起哉さん主演というのはよい。でもあらすじを聞く限り全然ピンと来ない……。)
【砂と霧の家】★
(完全賃貸派なもので、持ち家への執着というのはきっと理解しきれないんじゃないかと。)
【やさしい嘘】★
(隠し事をするのが苦手な体質なので……)
【ターンレフト・ターンライト】*
【リバイバル・ブルース】★★*
(桃井かおりさんに奥田瑛二さんに内藤剛志さんというメンツが、見たいような恐いような。)
【ツイステッド】★
【デビルマン】★
(とりあえず見に行くつもりだったんだが、どうにも下馬評が悪いんで。)
【ヘルボーイ】★★
(監督がギレルモ・デル・トロという以上に、主役がロン・パールマンというのが魅かれる ! )
【世界でいちばん不運で幸せな私】★
【なぜ彼女は愛しすぎたのか】★★
(見てたら凄く悲しくなってしまう気がする。)
【草の乱】★★
【トッポ・ジージョのボタン戦争】★
【ヴァン・ヘルシング】★★
【ジャスティス 闇の迷宮】★*
(お台場は遠い。)
【デビルズ・バックボーン】★
(ギレルモ・デル・トロ監督の新作らしい。)
【娘道成寺/蛇炎の恋】★
【ミラーを拭く男】★
【Mの物語】★
(ジャック・リヴェット監督か……微妙。)
【赤線】*
(獅童君は好きなんだけどさ……。)
【マッハ ! 】★
【丹下左膳・百万両の壺】★
【白くまになりたかった子ども】★
【ドリーマーズ】*
(というか、ほとんど興味が無いといった方が正解。そんな時代の話、後付けしてどうするのだ、ベルトルッチ様。)
【千の風になって】*
(監督が金秀吉さんだそうなので。)
【アメリカン・スプレンダー】★
【ウォルター少年と、夏の休日】★
(本当はオジさん二人が主人公だと聞いたので。)
【家族のかたち】★
(ストーリーなどはイマイチだそうだが、何せキャストが。)
【いつか、きっと】★
【夢幻彷徨<さすらい>】★
(美術監督としては第一人者の木村威夫さんの御年85歳での監督デビュー作 !! 確かにどう転んだって画は綺麗そうだ。)
【午後の五時】★
【ハナのアフガンノート】★
(マフマルバフ一家はもうええ ! ただ、アフガニスタンの国内を女性の視点で撮った映像というのは、資料としては貴重かも。)
【子猫をお願い】★
【白いカラス】★
(原作はものすごく面白いらしいんだけど……。)
【ラブドガン】★★★
(ストーリーはともかく、キャスト的に必見という感じ。)
【恋愛小説】★
(金城一紀さんの原作らしいので。)
【愛なくして】★
(高林陽一監督の前作を映画館に見に行って(16年前)、私的にはコリャアカン ! でした……。)
【海猿<ウミザル>】★
【浮気な家族】★
(【オアシス】のムン・ソリさんの色気全開の演技というのを見てみたい。)
【少女ヘジャル】★
【氷の国のノイ】★
【パローレ】★★
(くりぃむしちゅーのお2人はともかく、前田哲監督というところが。)
【ほたるの星】★★
【思い出の夏】★
【花嫁はギャングスター】★
【あなたにも書ける恋愛小説】*
(ルーク・ウィルソンが出てるのと、ロブ・ライナー監督作品という点のみ気になるが、プロットを聞いている限りでは全く新味が感じられない。)
【トントンギコギコ図工の時間】★*
【心の羽根】★
【トーリ】★
(なんか混んでそうでヤだ。)
【Re:プレイ】*
(奥さんばかりが評価されているライアン・フィリッブ君をちと応援したい気も。)
【フォーチュン・クッキー】★
(本作のジェイミー・リー・カーティスはとても評価が高いらしい。)
【《映画番長》】★★
【THREE/臨死】★★
(上の二つ、プロジェクトとしてはとても興味があるんだけどさ……)
【永遠<とわ>の語らい】★★
【チルソクの夏】★
【恋人はスナイパー】★
(どこかで読んだ評があまりにも悪かったので……TV版見てないしな。)
【ピーター・パン】★★
(正調派ピーター・パン……今そんなもの見たら、立ち直れなくなりそう……)
【ドラムライン】★★★
(マーチング・バンドの力強い響きが……今の弱った体力にはツラいかも。)
【あしがらさん】★
【ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション】★★★
(何を隠そう、ジョー・ダンテ監督大好きなのですが !! )
【卒業の朝】★
【ネコのミニーヌ】★★
【N.Y.式ハッピー・セラピー】★
【ロスト・メモリーズ】★
(仲村トオル氏の勇姿を拝見してみたい気もするのだが。)
【かまち】★
(望月六郎監督の新作なのだが……題材的にどうも。)
【花と蛇】★
(石井隆監督の新作なのだが……キャスト的にどうも。)
【ホテルビーナス】*
(クサナギ君が出てるという、興味があるとすればただそれだけ。)
【carmen.カルメン】★
【ゴシカ】★
【涙女】★★
【メイキング・オブ・ドッグヴィル 告白】★
【恋する幼虫】★★
【ガキンチョ★ROCK】★★
(前田監督、スミマセン。時間がないので今回はご勘弁を……。)
【伝説のワニ・ジェイク】★★★
【ポーリーヌ】★
【リクルート】★★
【かげろう】*
【のんきな姉さん】★★


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