Back Numbers : 映画ログ No.16



今月の一言 : 15年来のファンだったに言わせれば、矢野顕子の魅力とは、かつてその音楽的衝動を“デーモン”と称した音楽評論家さえいたくらいの、決して飼い慣らせない野生の獣の美しさである。最近、2本の邦画(【大安に仏滅!?】と【卓球温泉】……題名からして何だか)で彼女の昔の歌をテーマソングに使っているようなのだが、いくらここのところの矢野顕子が一般ユーザー向けにアダプトされてるからって、そこまでお手軽に解釈してしまうのは犯罪的だと思うぞ。納得できない御仁には、【SUPER FOLK SONG ピアノが愛した女。】というドキュメンタリーを是非。

【《伊藤高志映画作品集/イルミネーション・ゴースト》】四つ星
もう10年ほど前になるか、某イ◯ージフォーラムで【SPACY】という10分ほどの長さの実験映画を観て、あまりの凄さにのけぞった記憶がある。日本のエクスペリメンタル・フィルム畑がいかに狭いとは言え、彼だけは間違いなく、掛け値無しに評価できる人の一人なのではないかと思う。そんな伊藤監督の代表作を、そもそも実験映像系は滅多に演らない一般の劇場で、11本もまとめて観ることが出来るとは、これはなんてスバラシイ、お得な企画なんざましょう。もう皆様、是非とも劇場に駆けつけて、パラレルワールドのそのまた向こうの世界まで一度はトリップしてみて戴きたいものである。そうそう、ポケモンで一躍悪名が広まってしまったフリッカー(強い光の連続点滅)なんて別に今に始まった手法じゃないことも、分かって戴けるかも(もっと昔の外国の実験映画で、そのものズバリを扱った作品だってある)。体質的に弱い人は一応注意してね。
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【ウィッカーマン】三星半
うーん、さすがに由緒正しいカルト映画だ。パンフにもある通り、ここまで土俗の信仰がフィーチャーされた上(お祭りのディテールなんかだけでも相当キッチュである)、キリスト教徒が救われない映画も珍しいだろう。いくらカウンターカルチャーの勢力がまだ衰えていなかった70年代とはいえ、どうしてこのような映画が成立し得たのか(そもそもどうして作る気になったのか)、ほんっと謎である。個人的には、信ずる者は間違える(どっち側も)、なーんて感想を抱いたりしたのだが。
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【ウインター・ゲスト】三つ星
エマ・トンプソンて、あまり心を閉ざしているような人には見えない気がした点を除けば、荒涼とした冬景色が非常に美しい、地味だけれども静謐な、良質なドラマなのではないかと思った。が、私は、子供の仕事に理解のある親なんてそれだけで充分有り難いじゃないの !! と、本筋とは全く関係のないことを思わず考えていたのであった……う~ん、すみません。
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【エイリアン4】四つ星
一言で言えばすごく面白かった、が、この映画には、重大にして致命的な欠陥がある。くすんだ緑色の画面に肉感的な悪夢のイメージ(個人的には、“つぶらな瞳のエイリアン”と“リプリーのきょうだいたち”がポイント高し ! )、というと、これはもうどう観ても、【デリカテッセン】【ロスト・チルドレン】のジュネ&キャロ印の新作以外の何者でもないじゃありませんか !! H・R・ギーガーの生み出したモノクロ・メタリックの世界はいずこ ? こりゃあもうエイリアン・シリーズの映画とは呼べないんじゃないの ? ……まぁ、あれだけ3で終わりって言ってたのにも関わらず4を作ることにした時点で、今までの伝統にこだわらず敢えてここまで変奏させてみるのもよし、ということになったのかもしれないけれど。でもまぁとにかく、土壌が変わろうがどうなろうが全然意に介さない彼等はやっぱりエラかった、とは言えるでしょうか。
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【女刑事RIKO・聖母の深き淵】三星半
【【Focus】】の井坂聡監督の映画と知っていなければ絶対見に行かなかったよなぁ、というような題名の本作なのだが、これが観てるとすっごく嵌まってしまった。シングルマザーの女刑事という嘘くさいことこの上ない設定なのにも関わらず、ヒロインに“働く女の人”のリアリティを持たせることが出来たのが、一にも二にも最大の勝因だと思う。これは主演(滝沢涼子さん)・脚本・演出の皆様に拍手を送りたい。後は、ところどころの話のほつれにもう少し説明を加えて、何であのやさ男相手に不倫して子供まで作る気になるか ? という点に説得力を持たせれば(申し訳ないが風間トオル氏はミスキャストでは ? )、結構カンペキに近かったのではなかろうか。
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【蜘蛛の瞳】三つ星
題名が凄く好き。で、映画の中の因果律のようなものを壊そう、壊そうとして、何か一種不思議な感じを醸し出していたのはとても面白く感じた。けど……これは見逃してしまった前作の【蛇の道】とどう関係があるのかしらん、よく分かんなかったなぁ。全然関係ないという説もあるんだけど……だったらどうしてわざわざ前作の後日談という話にしたのかしら……やっぱりよく分かんないなぁ。
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【汚れた女<けがれたマリア>】四つ星
聖なる者とも悪魔とも呼べない、汝の名とは女である。こんなにもひっどい女性描写の嵐を、私は何故こんなにも冷静に眺めているのかと言えば、瀬々敬久監督の冷徹な視点自体が、登場人物の内側には決して入り込まず、徹底的に外側からの観察のみに終始しているからではなかろうかと思う。この冷え冷えとした視線が、平凡なタクシー運転手と人妻の、私達の日常と地続きの位置に存在している殺意を、あからさまな場所へと引き摺り出す。これを観ると、例えば【CURE】辺りの恐怖感なども、やはりスクリーンの中という安全な異空間に存在していたものなのだと痛感させられた。私はこの映画を観る間中、ずっと“怖ぇー”と呟いていた。心底寒々とした気持ちになった。
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【SADA】二つ星
私の中での阿部定という概念は大島渚監督の【愛のコリーダ】で完全に完結してしまっているので(田中登監督の【実録阿部定】は未見です、ごめんなさい)、この上大林宣彦監督が阿部定の映画を作るとなると一体どういう勝算があってやるつもりなのだろう(すごく根本的に言って私は、大林宣彦監督の女性の描写は、非常に観念的で誤りが多いと思っているし)、と正直言って訝しんだ。「戯作・阿部定の生涯」なんて副題をつけているあたりにはちょっと期待できるかな ? なんて一瞬思ったのだが……しかし監督が、阿部定の生涯についての解釈に、この映画で一体新しい何をつけ加えたかったのか、結局はさっぱり分からないままに終わった。阿部定の初恋、とか何とかがその後の彼女の心情にどう影響したのかといえば、この描き方を見る限りほとんど影響していないように見えるし、龍蔵さんとの愛情も深まりもそのプロセスが全然見えないし、結局は性愛に焦点をあてるのだとすれば、その描き方の深度は【愛のコリーダ】とは比べものにはならない。すごく申し訳ないけれど、この映画は、ある女の人の心情について掘り下げるつもりのようでいて、実際は表面的な在り方や歴史をなぞるのに終始してしまっているようにしか見えない。もっと意地悪な見方をすれば、【失楽園】の黒木瞳に阿部定を色っぽく演らせたら ? という安易な企画意図に、でもそれだけではあんまりだから一つ大林流のアレンジを、という姿勢以上のものが伝わってこないのだ。はっきり言って、阿部定ものに挑戦するつもりなら、もっともっともっともっと強い覚悟が必要だと思う。これはこれなりに面白いという人はいるかもしれないが、私に言わせれば、これでは作る意味は無い。椎名桔平が久々にかっこよかったのだけは嬉しかったけどね。
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【ジャッキー・ブラウン】五つ星
やっぱりタランティーノは天才だった ! 今号の雑想ノートで対談しておりますので、詳しくはそちらの方で。
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【JUNK FOOD】四つ星
わー、なんか全然、昨今の山本政志監督らしくもなく、端正に創ってあるではないですか。こういう出来なら、“東京の今を切り取っている”とか何とか言えば、頭の固いタイプの評論家の人達もダマされてくれそうだし、山本政志、誰それ ? ってな一般の人達にも紹介がしやすそうである。山本監督は、本来もっともっと評価されていい筈の人だから、ここらでこういう映画っていうのもいいかもしれないですかね。
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【上海グランド】二星半
うーん、イメージとしては、【ゴッドファーザー】からテーマ性を全部ひっこ抜いて、他の映画の面白そうなエッセンスもちょっとふりかけて(【アナコンダ】とか !? ……音楽と花火のせいなのか、ちょっと【冬の猿】も思い出してしまった)、思いっきり香港娯楽映画調にアレンジしてみたような感じですかねぇ ? 上海租界の哀愁を帯びたモノクロ調の大河ドラマ、を期待させる予告編に惑わされてしまったのがいけなかったんだけど……コケてしまいそうになった私を納得させてくれたのが、場内の観客層。そ、そうか、こりゃ最初っから、アンディ・ラウとレスリー・チャンのアイドル映画だったのね。あのヒロインが“上海一の宝石” ? という重大な疑問も氷解。相手役もあんまり美人すぎない方がいいわけやね(嘘つけ !! )。
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【世界の始まりへの旅】三つ星
どっちかというと画(え)よりは台詞で構成されているこの世界は、ひょっとして、私が理解するには高尚すぎるのかもしれない……後半の、おじいさん・おばあさんと会話する辺りはすごくビビッドで好きだったけど。題名の“世界の始まり”とは、過疎が進んだ地域が文明の無い始原の状態に戻っていくことなのだそうだ。ポルトガルのわびしい農村で暮らすおばあさんの台詞だった。
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【杣人物語】三つ星
昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭への出品時に拝見。年を経てある種、純化された人々は、誠に仙人のようである……あ、仙人じゃなくて杣人(そまうど)だっけ。
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【台北ソリチュード】二つ星
姉と弟の近親相姦なんてテーマ自体、使い古されてるんじゃないかと思うんだが。人によってはこれを“精緻に描かれた緊密な葛藤”などと賞するのかもしれないが、私はかような描き方に、新鮮な面白さを感じることは出来なかった。
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【ディアボロス 悪魔の扉】四つ星
アル・パチーノ自身の監督作品【リチャードを捜して】(本人も出演のセミ・ドキュメンタリー)を観て以来、この人には絶対、悪魔の役が似合うと思ってたんだ……大当たり !! うれしそーにこの役を演じる彼こそが、実のところ、この映画の最大の見どころと言えましょう。法律事務所こそが現代の悪魔の巣である、という設定も、「Vanity is my favorite sin(虚栄こそ私の最も好む罪)」という決めゼリフも、今のアメリカ社会に対してはなかなか手厳しい批評になっていそうだし、エンディング・テーマにローリング・ストーンズの(『悪魔を憐れむ歌』じゃなくて)『黒く塗れ ! 』を使っているところも、センスの的確さを感じさせてくれて、なかなかナイスです。しかし、いくらアメリカでは反キリスト的なラストは難しいとは言え、それまでの重厚なクオリティをすべてお笑いに変えてしまう最後の10分くらいの展開にはあちゃーと頭を抱えてしまいそうになったけど……まぁその後、一応オチはついていたからかろうじてよしとするか。
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【ディディエ】三つ星
もうちょっとテンポがあればもっとよかったかな ? とは思ったけれど、今回脚本・監督も手掛ける主人公のアラン・シャバさん、どうしたって犬のディディエ君にしか見えません。この演技だけでも一見の価値はあることでしょう。しかし、こりゃ絶対にハリウッドでリメイクされそうなお話。
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【ドーベルマン】三つ星
ヴァンサン・カッセル、カッコエエ。初めて顔と名前を一致させて頭にインプット出来たぞ。モニカ・ベルッチとのカップリングもイケてる。原作はコミックだとの話だが、キャラクター設定やなんかもとても楽しめるんじゃないかと思う。気になったのは、マンガチックなシーンとそれ以外のシーンが少しアンバランスじゃないかと感じられて仕方なかったこと。下手に特撮なんかを使わず、才気走った映像を存分に生かしてスタイリッシュにまとめていた方が、スッキリしてかっこよかったんじゃないかなぁ。どうも残念な気がした。
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【パーフェクト・サークル】四つ星
だからどうして、本当の敵とは自分自身の内側にいる闇雲な恐怖感のことなのだということが分からないのだろう。敵を皆殺しにして、次にまた新たな敵を心の中で作り出して、永遠に愚かな行為を続けるつもりなのか。劇中で主人公の詩人は(イメージの中で)何度も何度も自殺を試みる。この世界にはあまりにも救いがないからだ。この映画が、サラエボの戦火の中を懸命に生き延びようとする人々の、ごくありきたりな人間としての心の動きを丁寧に描けば描くほど、余計に辛くなる。
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【ブレイブ】二星半
イギー・ポップの音楽と画面はOK。砂漠色に乾いた独特の世界観を十二分に創り出している。しかしどうして主人公が、そこまで愛している家族を置き去りにして、あんな因業じじい(マーロン・ブランドが演るとぴったり ! )の言いなりに命を売らなければならなかったのか、その理由が最後までよく分からなかった。残された家族にすれば、普通、お金よりもパパがいてくれた方がいいんじゃないのかねぇ。こんな“勇気”の履き違えをされるより、一緒に生きて辛酸を舐める決意をしてくれた方が嬉しかったんじゃなかろうか ? そこら辺にしっかりした説得力を与えられる程、ネイティブ・アメリカンの窮状についての充分な描写があったとも思えないし、ジョニー・デップさんの演技もそこまで破滅型には見えなかったしなぁ。
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【ポストマン】一つ星
ここまで来ると、なんかケビン・コスナーがかわいそうに思えてきた。誰か途中で言ってやる奴はおらんかったのか。言っても本人、聞かなかったのかも知れないけどさ。さてこの映画、元々のコンセプト自体は決して悪くなかったのではないかと思う、のだが、どうやってその設定に説得力を持たせるかというディテールの組み上げ方が滅茶苦茶。見たところ、アイディアをただ思いついたまま並べている、といった感じで、構成力といったものが皆無なんである。こんな作り方ではそりゃだらだらと長くもなるし、ヒーローはヒーローになりきれないまま(こりゃポストマン2号の方がよっぽど偉いのとちゃうか ? )、悪役は悪役になりきれないままに(“アメリカ合衆国政府”を守るのが正義の味方で楯突くのが悪役、という図式はよくあることなので今更批判はしないが、どうしてかような図式が成立するのかはもう少し説明が必要である)、ケビンさんのナルシズムだけが浮き立ってくる結果になってしまう。壮大な叙事詩の作り方とはこうではない、ということをここらで勉強し直さなくては、ケビンさんの先行きは真剣にまずいのではなかろうか。どーするつもりなんだろう、これから。
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【ボッカチオ'70】四つ星
デ・シーカ、フェリーニ、ヴィスコンティ(マリオ・モニチェッリ監督は不勉強のためよく知りません、ごめんなさい)といったイタリア映画黄金期の大監督の皆様による豪華絢爛なオムニバス。噂には聞いていた古典(ビデオもなかなか見つからない ! )なんですが、この度スクリーンで観ることが出来たとはありがたや、ありがたや。三百人劇場ではこの後も、6月まで“イタリア映画の巨匠たち”特集(【靴みがき】【道】【鉄道員】【山猫】といった名作を連続上映)をするそうですので、興味のある方は是非どうぞ。
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【炎のアンダルシア】三星半
昨年、インドのこてこての娯楽映画が何十年ぶりかで一般公開されたという話題があったのだが、実は年間4~50本作られているというエジプト映画も、もっといろいろ見てみたいものである。さて本作は、以前観たユーセフ・シャヒーン監督の旧作【アレキサンドリアWHY ? 】とはうって変わって、歌あり踊りありドラマありの超豪華な娯楽作になっている(エジプトの一般的な娯楽映画も、きっとインド辺りの映画と作りが似ているのだろう)のだが、その中に込められた、いかにして思想の抑圧が行われるのか、というテーマは非常にシビアである。そこらへんがきっとカンヌでも受けた要因になったのだろう。(しかし欧米の人達は、自分達の目に民主的と映らない第三世界での政治的プロテストは非常に歓迎する傾向があるのでは ? とは言え)確かに、“思想には翼がある、誰もその羽ばたきを止めることは出来ない”というのは、座右の銘にしたいくらいいい言葉である。私達の目から見るとちょっと登場人物の区別が付きにくい、とかいった苦しさはさておいても、この映画を見て、思想を守り伝え抜こうとした古今東西の闘いの歴史に少し思いを馳せてみるのもよろしいのではないでしょうか。(私はごく個人的に、【薔薇の名前】と【天平の甍】を思い出してしまった。)
ところで : 場内の平均年齢、40~50歳代といったところ !? いくら日比谷のシャンテだからって、もっと若い人にも来るようにアピールして欲しいよなぁ。
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【恋愛小説家】四つ星
やっぱりジャック・ニコルソンには、ヒネクレ者の役こそがよく似合う ! で、この見ていて本当に不快になるほどの毒舌家の主人公だが、それは彼の自己防衛本能のなせる技、あるいは自分の感情と向き合うのが恐くてつい論点をずらしてしまおうとするせいなのだ、ということが彼の周りの登場人物達にも見る側にも分かってくるに及んで、段々と彼がカワイく見えてきてしまうところ辺りが、この映画のミソである。ゲイの隣人やペットの犬、などの細かい設定もすごく効いている。ハデハデの展開が圧倒的に多い昨今のハリウッドの中で、これだけ緻密に練り上げられたロマンティック・コメディも珍しいだろう。(この映画が支持されたのもよく分かる。)クラシックな香りさえ漂うなかなかの名品である。
そう言えば : 先月「雑想ノート」で取り上げた悪しきキャッチ・コピーの実例を一つ見つけてしまったぞ。『これが恋というものか。/初めて愛したのは、一匹の犬とウェイトレス。/人生って素晴らしい。』……よ、良かったぁ、宣伝を先に見てイメージをぶち壊されないで。
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