Back Numbers : No.18~よもやま話



近日公開 !! ハリウッド版【ゴジラ】は是か非か ?

ぴ : いや~、いよいよ来月だねぇ、あの【ゴジラ】の日本公開も。
う : え゛ーっ !! ーちゃん、見に行くつもりなのォ ? あれをー ?
ぴ : おーよ、行かいでか……って、ありゃ ? っちゃんは見に行かないつもりなの ? だってあんな楽しい見せ物はないじゃないの。
う : だってぇーっ ! ーちゃん、新しいヤツの姿、見てないの ? あんなのゴジラじゃないじゃんよーっ !!
ぴ : いやぁ、見た見た。はっはっはっ、すごいねぇあれは。まるで半魚人みたいだな、あの足がにょきっ ! とした、たっくましい下半身。
う : 半魚人っていうよりー、あれじゃあ、上半身トカゲで下半身イグアナでしょう ? ひどすぎるーっ !!
ぴ : いやぁ、面白いじゃん。笑える笑える。
う : おまけにあれで猛スピードで走るんだよー !?
ぴ : おお、なんか新幹線より速いんだって ?
う : 走るゴジラなんてゴジラじゃないーっ !! 何が生物っぽさを強調しましただよー !!
ぴ : ますます笑えちゃうよねぇ。
う : ゴジラはただの生き物じゃないんだよ ? いわば自然を超越した存在なんだからねっ。そんで、ゆっくりしたスピードでのっしのっし歩く姿にこそ、侵しがたい威厳があるんだから。
ぴ : そーよね。ゴジラは性懲りもなく核実験を繰り返す人類に警告を与えるために生まれてきた、ある種神格化されているような存在だもんねぇ。でもさぁ、今度のハリウッド版に、そもそも反核のメッセージなんて込められていると思う ?
う : ……思わない。
ぴ : 東宝側では一応それが製作を許可する際の条件の一つだったっていう話はどこかに載ってたんだけどね。でもどぉかなぁ。
う : ハリウッドのやることだもんねぇ……面白さを優先するとか何とかで、オリジナルの持っていた意味性なんて、跡形もなく消えてしまっているに決まってるよねぇ……。
ぴ : オリジナルに対するオマージュも何もあったもんじゃないのが、ハリウッド版のリメイクが作られる時のセオリーじゃん。
う : そりゃあ確かに……期待する方が間違ってるって言ってしまえばそーなんだけどさー。
ぴ : だから、ハリウッド版のありゃあ、あくまでも「ゴジラ」じゃなくて「ゴヅィ~ラ」なんだからね。日本版の「ゴジラ」とは似て非なる全くの別物なワケよ。ハリウッド版の製作が始まった当初からそうと決まっている、というか、ハリウッドって、もともとそういうつもりでしか、作り直しをしようとなんてしないところでしょ ? そこんとこは間違えちゃぁいかんのよ、最初っから。
う : じゃあーちゃんは、そこを踏まえた上で、笑かしてもらおうってつもりだったのね。
ぴ : オリジナルとは別物になるっていうことは決まってるんだから、そうなると、どこまで壊してくれるかってことをギャグとして楽しむ以外には無いじゃない ?
う : はぁぁ。
ぴ : でもまぁね……ハリウッドというところが、私達の思っているような映画の面白さの理解からいかに隔たった発想で動いているか、っていうことをいわばおちょくって楽しもうだなんて、我ながら歪んでる見方だなぁとは思うけどさ。
う : でも、この映画に関しては他に楽しみ方も無いだろうと ?
ぴ : どーでぃっちゃん、少しは見に行く気になったっしょ ? ねー、一緒に劇場に行って笑ってこようよー。
う : うーん、でもぉ……やっぱり私は、オキシジェン・デストロイヤーの出てこないゴジラなんてつまんないしー。
ぴ : う、そうきたか……確かに日本版の【ゴジラ】でも、本当に面白くて心底凄い !! と思えるのは第一作目だけだけれどもね……
う : 私にとってのゴジラは永遠にあの第一作目だけなのよっ !! てなところでおあとがよろしいようで。
ぴ : ところでゴジラと言えばっ。この夏「キネカ大森」で、あの幻の北朝鮮版ゴジラ、【プルガサリ】を演るらしーじゃないのよっ。
う : え ? 何それ ?
ぴ : 何でも、世界一の映画マニアとしてゆーめいな金正日さんが、日本からゴジラの制作スタッフや着ぐるみ俳優の人を招いて作らせた逸品らしいよ ? でも、85年製作でその後公開中止になっていたものが、何で今の時期に解禁になったのかっていう経緯は、よく分からないんだけどもね。
う : ふーん。何かよく分かんないけど、そっちの方がハリウッド版のヤツより面白そうだったりしてねー。

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