・・・ノスタルジックに思い出を語る・・・neko1.gif

今までたくさんの猫を飼いました。全部親子代々の猫たちです。
黒猫とまだら猫ばかりで、皆似ていました。猫たちからすれば
寝食も一緒だった(人間の)私はきっと、同じ猫仲間のような
存在だったかもしれません。今考えれば、ずいぶん不衛生な
生活状態でしたね(笑)。現在は動物を飼えない状況にいるので
なおさら彼らが懐かしく、そしていとおしく思えてなりません。うるうる。



 気がつけばそこにいた

物心ついた頃、3才ぐらいかなぁ。最初の記憶があるのは。
もう、すでに猫がいた。いつも私のそばには、2〜3匹の猫。
親よりも、兄弟よりも、記憶の中には猫・ねこ・ネコばかり。


 ライバルはネコ

一番多いエピソードは、食事タイム。
いつも私の横に猫が陣取っていた。
そう、私はねらわれていた。子供は私だけだったから。
猫たちが、前足で、素早く食べ物をかすめ取ってしまうのだ。
私の両側から、わきの下から、肩ごしから・・・。
時には、直接おはしに食いついてきた。
私は、足で猫を押さえつけて、泣きながら食べた。
生存競争は厳しかった。


 しあわせな夢

寒い夜。冷たいフトン。体を丸めて震えていると、
猫たちがフトンの中にすべりこんでくる。
私の体とフトンの隙間をうめるように、
ぴったりと私にくっついて寝てくれる。
じきにあったかくなって、体をのばして寝られた。
毎晩、一つのフトンで、ひとりと3匹が夢をみた。


 首に乗ったら要注意!

猫という生き物は、とにかく甘えん坊。エサが欲しい時や
背中がかゆい時は、体をすり寄せてまとわりつく。
「ナーオ」とか「ゴロゴロ」と甘い声で誘惑されると、大抵の
人間は「なでなで」してしまう。そして、ひざの上に乗って
こられても許してやるし、その結果、足がしびれても
じっと我慢する人が多い。
しかし、ここで要注意だ!
決して急に動いてはいけない。猫は振り落とされまいと
爪をたてるからだ。
私は何度も首に「みみず腫れ」をこさえたもんだ。


 猫はふすまを開ける

以外と猫は器用である。
前足の爪をひっかけて、ふすまやガラス戸を開ける。
自分の体が通れるくらいの、ほんのわずかだけ。
寒い季節は すきま風がふいて困る。
障子の場合は 一部分の紙をドアのようにしてやると
頭で押しあげて 出入りするのだが・・・。
ばあちゃんが言った。
「閉め方を教えてやれ。」 無理だって!


 コタツで酔っぱらう?

昔 うちのコタツは堀ゴタツであった。
主に木炭を使ったが、豆炭、練炭の時もあった。
冬には 人間も猫もコタツに入り浸った。
ある時コタツの中から 猫がヨタヨタと出てきた。
体がまっしろ! 猫灰だらけってヤツ。
どうやら◯◯中毒になって、灰の中に落ちたらしい。
3匹ともよく落ちた。少しこげくさかった。
学習能力はないのかー?
それとも 病みつきになるほど気持ち良かったのか!


 茶だなの中の黒い物体

3匹の中で一番いやしい系は クロだった。
その名のとおり真っ黒な猫である。
甘いもの好きのばあちゃんは、いつも茶棚の中に
饅頭やおせんべいをしまっていた。
お客さんが来て お茶菓子を出そうとしたら
茶棚の中には、お皿の上で 気持ち良さそうに
丸くなって寝ているクロの姿が・・・。
茶棚のガラス戸を開けるのなんて 朝飯まえ。
ばあちゃんは つっかえ棒をしてたけど、
クロは反対側をあけて入ったらしい。
お皿には 食べ残しの饅頭がつぶれていた。


 お昼寝は屋根の上で

屋根の上で寝たことがありますか?
我が家は山の斜面にあった。だから、裏の畑から
屋根瓦に移ることができるのである。
秋から冬にかけて ポカポカお天気の日には必ず
猫たちが瓦の上で 大の字(?)に寝ていた。
ちょうど「たれパンダ」状態で、本当に気持ち良さげに
しているので、私も屋根にのぼってみた。
おおっ、あったかーい!瓦がパネルヒーターみたい!
かくして 青い空 さわやかな風を感じながら
最高のお昼寝タイムを満喫したのでした。
よい子はマネをしないように!


 猫のテリトリー

猫って一日じゅう家の中で ゴロゴロしてる。
姿が見えなくても、呼べばすぐやって来る。
ふと 私はおもった。
この子たちのテリトリーは どこまでなんだろう。
さっそくクロをだっこして、散歩に出た。
ところが! 3軒となりの家まで来たら
クロがモーレツに暴れ出した。
必死で押さえたけど、やっぱり逃げられてしまった。
私の腕に無数のひっかき傷を残して・・・。
再度アタックしたら もっと近くで逃げ出した。
結論→ 猫のテリトリーはメチャ狭い。
たぶん、ノラ猫は違うだろうけど。


 猫からのプレゼント

実は、私は 猫からプレゼントをもらった事がある。
すごい? ほんと、すごいもんをもらったのだ。
それは ヘビ。まだ小さな白いヘビだった。
おまけに まだ生きていた! ぎゃーっ!だよ。
逃げようとするヘビを 猫は前足で押さえてる。
このときの猫の得意顔ったら 人間みたいだ。
気持ちは嬉しいけど、こんなモン私は食えねえよっ!
ばあちゃんが、白ヘビは家の守り神だからって
どこかに逃がしてやった。ほっ


しかし、猫は私の事どう思っていたんだろう・・・

 泣かせる話

私は、18才の時に就職して家を出た。

そして2年後、成人式で帰省した。
その時に、ばあちゃんから聞いた話。


おまえが家を出た日から猫たちが大変だった。
毎日、毎晩、おまえをさがして鳴くんだよ。
家の中や近所を、ニャーニャー、ニャーニャーと鳴きまわって
うるさ〜て寝られんかったよ。


すっごい感動っ。
私はうれしくて涙が出たね。
別れってやつは、出て行くヤツより残される方が
より辛いんだね。
新しい生活を始めた私の方は
すっかり猫たちの事 忘れていたってのに・・・


かわいい私の猫たちよ。
久しぶりにたっぷり可愛がってあげるね。


食べ物を持って、さっそく猫たちに近づくと、
なんとっ! ささっ、ぴょ〜んと
私の姿を見るや一目散に逃げて行った。
おい・・・そりゃないだろ。
私が悪かったよぅ。戻ってきて〜〜〜


猫って気まぐれだというけれど
もう完璧に忘れられていたワタシでした。


。。。。。。。。。。。。おしまい。。。。。。。。。。。neko1.gif


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