もう京都・滋賀はすっかり秋。 今日から後期セメスタ開始。 私の講義は来週月曜(世間では休日であるにも関らず)スタートだが、 今日はあれこれ事務的な用事をしたり、 講義の準備をしたり。 キャンパスは久しぶりに学生達で大賑わいであった。
先日の誕生日に、実家の両親から手紙があって書かれていることには、 あいかわらずふらふらとして、ろくな生活をしていないだろう、 少し包んでおいたのでこれで何か栄養のあるものを食べなさい、 とのことであった。 親と言うものはありがたいものである。 早速、今日そのお金で調理器具屋に行って、 卵焼き用フライパンと木櫃(おひつ)と竹のざるを買った。
アーリオオーリオはまだ道は遠しと言えども、 ある程度自分で満足できる所まで来たので、 次の目標を立てることにした。 次なる目標は「だし巻き卵」である。 私は関西人として当然のことながら、だし巻きにはうるさい。 東京で暮らすようになった時には、 醤油で真っ黒になり焦げ目までついた砂糖味の卵焼きを食べさせられて、 テーブルをひっくり返しそうになるのをぐっとこらえて、 「ああ、思えば遠くへ来てしまった。文化の果つる所とはこういうことか」 と深く嘆息したほど、一家言あるのである。 しかし、不覚にも今まで一度も自分で作ってみたことはなかったのである。
そういうわけで今日の夕食。 豆腐と鷄の煮物、味噌汁、そして、 初めて自分で作っただし巻き卵。 感想は正直に言って、 それらしく見えるものの味は全然ダメであった。 それに手際が悪いので、しっかりと焼け過ぎて、 だし巻きのふんわりした優しい仕上がりにほど遠い。 これはアーリオオーリオ以上に道が遠いような気がする。
世間は休日らしいが挑戦する大学、 革命、いや失敬、改革のデパート、我がR大学は通常営業日。 ちなみに世間では振り換え休日の12月24日(月曜)も通常営業である、 自作のお弁当を持って大学へ。 昨日TV映画を見ながらじゃが芋と人参を蒸して、 ついでにマヨネーズも作ったので、 今朝和えてお弁当のおかずにした。 他は、おかかと梅干し、大根の朝漬け。
事務的な仕事をいくつか片づけたり、 院生の天才君とゼミの打ちあわせをして、夕方に今期の初講義。 講義内容は「数学解析」というタイトルで、 微分方程式、ラプラス変換、 フーリエ解析など解析の少し応用的な話題をごった煮的に、 情報学科の低回生を対象に話すものである。 私はそれなりに情報学科にとって有意義な科目だと思っていたのだが、 結局、2000年度からの新カリキュラムから消えさり、 私のこの講義は再履修科目として今期で最後となった。 例年は教科書的に応用解析的な話題をやっていたのだが、 今期はおそらく最後ということもあり、 最近の自分の興味にあわせて、 楕円関数を具体例にばりばり微積分の計算をするような講義にすることにした。 ちなみに今日は曲線の長さを求める公式の復習をして、 楕円の周長を二通りに計算して、(第二種)楕円積分の導入をした。 講義の後は、個研をT山先生が訪ねて下さって、 再履修科目の講義についてなど少し雑談。
今期は聴きたい講義 (古典的曲面論、複素解析、ヤング図形の話など)がいくつかあったので、 お勉強の季節にしようと思っていたのだが、 残念ながら聴こうと思っていた講義が全て自分の用事と重なってしまい、 ほとんど不可能となった。まことに残念だ。
深夜12時半に追加:
ようやく論文の著者校正がメイルで届いた。
後でDHLでも届くようだが、最近はPDFファイルなんかで校正が来ちゃうのだな、
論文を全然書かないから良く知らなかったが。
しかし長かった…今夜くらいはマティーニで酔いつぶれていてもばちは当たるまい。
昨夜はマティーニを飲み過ぎて、 チェスは執事に三連敗して降格するし、 今朝の寝醒めも悪かった。 昼食は玉葱のスライスとベーコン、ポテトサラダのサンドウィッチ。 自宅でPDFファイルを見ながら校正場所をざっとさらって、 プリンタ用紙を買いに外出。 投稿した段階では30数ページだったのだが、 著者校正版を見ると結局50ページ近くになっていて、 ちょっと驚いた。 ついでに本屋で「猫語の教科書」(P.ギャリコ)、 「殉教カテリナ車輪」(飛鳥部勝則)を購入。 自宅の近所で新米を買って帰宅。
夕食は、しめじと豆腐の味噌汁、だし巻き卵、ポテトサラダ等。 新米をお櫃から食べて、しみじみ美味しいなあと思う。 お箸の国の人だもの…って感じかな。
明日ばたばたとハードコピーに校正を入れて、 夜にチェックして明後日に共同研究者に送ってオーケーをもらい、 今週末あたりに校正を送り返すという感じか。 無事、校正を送り返した暁にはシャンパンでも抜こう。
自作のお弁当を持って大学へ。 今日は、 ちりめんじゃこと大根のあさ漬けと紅生姜だけの散らし寿司 (名付けて「貧乏散らし」)、だし巻き卵、五目豆。 最近はめっきり湿度が下がって爽やかではあるが、 やはり日中の日差しは厳しい。 秋、冬好きの私としては、早く寒くなって欲しいものだ。
正午からM2の修論ゼミ。 続けて、「プログラミング演習」。 さすがに一回生はお子様達で、加えて夏休み明けのせいか、 わいわいがやがやと五月蝿い。 数理も入学者数がかなり増加しているせいで、 演習科目は一部屋に納まりきらず急拠、 学系長に隣りの部屋も予約してもらい二部屋に分け、 TAも二人増員して対処。 古い考え方だと一年に100名近くも数学科に入れて、 一体この後どうするつもりなのかなあ、などと憂えてしまう所だが、 そこはそれ、時代の流れと言うものであろうか。
演習を終えて、さっさと帰宅。 道すがらK川先生に、もう御帰宅ですか、などと声をかけられながら、 帰路につく。 夕食はジャーマンポテト、納豆汁、大根のあさ漬け。 夜は自宅で校正作業。
頼んでいたチェスクロックが届いた。 これで持ち時間を決めてゲームが出来るようになった。 ちなみに現在、4連敗中…
朝起きて昨日にやった校正を再度見直し、 近所のコンビニでコピーを作って京都駅隣りの郵便局から 共同研究者に速達郵送。 その足で大学へ。 午後は卒研の打ちあわせ。 プレプリントの最新版コピーを作ったり、 事務用を色々片付けたり。 夕方のゼミまで時間が余ったので、 図書館で白洲正子の本を借りて、 図書館前の噴水の周りに出されたテーブルで読書。 夕方6時前くらいから確率論ゼミ。 A堀先生が最近、考えている問題の話をしていた。 出席者はW先生、Y先生、学生二名。
帰宅は九時前。さすがに御飯を炊いている時間がなくて、 夕食はトマトとベーコンのサンドウィッチ。
自宅待機。共同研究者のI先生からの校正についての連絡待ち。 夕方チェロをさらって、レッスンに出かける。 スケールとエチュード、「白鳥」など。 レッスンから帰宅するとI先生からのメイルが来ていたので、 電話をかけて校正個所について打ちあわせ。 僕などは目を皿のようにしているつもりでも一つも間違いが発見できないのに、 また沢山の校正個所が見つけられていた。
その後、夕食。今日の夕食。冷や御飯、だし巻き卵(昼食の残り)、 五目豆、梅干し。 だし巻き卵は今の所で10回くらい作ったが、 我ながら、これだ、と言うものは出来ていない。 見た目はかなり良くなったが、味つけに研究の余地がまだかなりある。 多分、あと数10くらいの試行錯誤が必要だろう。 とは言え、だし巻きを作るのも飽きてきたので、 次の目標を募集中。
僕は子供の頃から御飯は冷めた方が美味しいと思っていたのだが、 最近読んだ子母沢寛の「味覚極楽」の中の増上寺大僧正道重信教の話に、 飯じゃがね、これはつめたいに限る。 たきたてのあたたかいのは、第一からだに悪いし歯にもよくないし、 おまけに飯そのものの味もないのじゃ、とあって、 思わぬところで同じ見解を読んでちょっと嬉しかった。 僕が冷や御飯を好むのはけっして貧乏育ちのせいではないぞ。 大僧正は、 吸い物を冷たい麦飯を相手に食うのがうまい、だとか、 冷や飯に水をかけて沢庵で食べると本当の米のうまさが分かるとか、 おっしゃっていて、 正直ロクな食べ物は出てこないのだが、 「こういう味はわしのような坊主しか知るまいがな」 と締められると、どうにも美味しそうに思えてきたものだった。 でも、冷たい御飯に熱い味噌汁の組み合わせとか、 冷たい御飯のカレーライスとか美味しいですよね…
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