Keisuke Hara - [Diary]
2003/11版 その1

[前日へ続く]

2003/11/01 (Sat.)


2003/11/02 (Sun.) r のつく月

昨夜は牡蠣のせゐで大変だつた…暖冬は特に気をつけやうね。

午後になつて起床。夜は近所の蕎麦屋。 しかも夕食のあとも午睡(?)。

文庫本用のブックカヴァーが欲しいなあ、と思つて、 良いものを探索中。


2003/11/03 (Mon.) 仮想人格サーヴィス(略して VPS)

朝、起きたら今度は風邪ぽい。 雨で気温が急に下がつたからだらうか。 昼食はベンガルカレー、 夕食は拉麺(葱多め)と身体が温まることを期待しての外食。 いつもと同じく御近所でひつそり過した連休であつた。

私は色々な支払ひを一旦執事に立て替えておいてもらつて、 月末に請求書(gpg で暗号化と署名がされてゐる)を受け取り、 まとめて支払ふやうにしてゐる。 私としては随分と時間の節約になり助かつてゐる。 一方で最近、「可愛い女子学生からメイルが来たりとか、 廊下で『だーれだ?』つてされたりとか、 日常に(那古野大師弟コンビ的)潤ひはないんですか」(即答:「ないね」) などと会話したことがあつた。 以上はマエフリ。 昨日、先月末分の請求書メイルを復号すると、 一行目に
「萌絵でーす。さて、先生の今月の支払いはいくらでしょう?」
と書いてあつて、しばらく笑はせてもらつた。 一種のサーヴィスなのであらう。

Think Pad に新しい環境を構築中であるが、 そんな中、面白いソフトウェアを発見。 Opera のメイル・クライアント M2 である。 たしかに画期的な発想であることを認めるに吝かではないが、 メイルの読み方や扱ひ方は長年本質的には変化のない世界なので、 これが広く受け入れられるのは難しいのではないだらうか…


2003/11/04 (Tues.) 校正、校正また校正

発表者の体調不良により卒研はキャンセル。 M2 のゼミも発表者の事情でキャンセル。 昼食を生協で食べ、 突然空いた時間を使つてまとめて事務作業をする。 その後、M1 のゼミ。 読んで来てはゐるが、問題の本質が捕へられてゐなかつたので、 そこの部分を考へて来ることを次回までの宿題にする。 自宅で夕食を作つて食べ、少しチェロの練習をして、 夜は Williams の校正作業。第 0 章、第 1 章を終了。 全体の校正には今月半ばまでかかると見た。 再度の校正も勘定に入れると、 一月出版の予定は怪しくないかなあ。

やはり風邪をひいたやうで、効率が下がつて困る。 昔はこんなに始終、風邪をひかなかつたやうに思ふのだが、 歳のせゐだらうか…


2003/11/05 (Wed.) 消える銃弾

朝は翻訳の校正作業。 Williams の第15章。ほとんど訂正箇所が見つからない。 風邪で集中力を失なつてゐるのだらう… A 堀先生のチェックに期待しやう。 豚他人丼と味噌汁の早めの昼食を自宅で取り、出動。 午後は「プログラミング演習」。 久しぶりに会議のない水曜日。即、帰宅。 夕食はエリンギとベーコンのパスタ。 縦に太めに切つたエリンギをベーコンとともにバターで炒め、 白ワインで香りづけし、 火を止めてマヨネーズと醤油、胡椒で微かに味つけして、 温かいサラダ風にまとめる。 一方で、普通のアーリオオーリオに作つたパスタと合はせれば完成。 私の「まあこんな感じかな」的レシピであるが、 天才かな私…と自画自賛しつつ、ワインとともに食す。 夜はまた校正。 夜はなかなか調子良く、第 2 章から 5 章まで終了。

今日の「相棒」もなかなか良く出来てゐた。 特に犯人に「消える銃弾」と言ふ意識はなかつたのに、 現象としてはさうなつてしまつた、 と言ふ見せ方がモダンであらう。 一時間の流れが軽くもなく重過ぎでもなく、 きつちりエピソードがまとまつてゐて、 細い見せ場も多々自然に折り込むところなど、 脚本家にかなり力があると見た。 高槻の T 部長も褒めてゐたが、 単に刑事ドラマの良い所の寄せ集めと言ふより、 かなり練つて来てゐるやうに思ふ。 (なんだか、すつかり TV 評論家みたいだぞ)。
次回は、「目貼りの密室」もの?


2003/11/06 (Thurs.) 広報

先週と同じくまた京都駅で、 K 川先生の元同級生の数学者に偶然会ひ (単に同じ時間に講義があるからだが)、 教育現場の聲を交換しつつ出勤。 朝は「確率論」。確率変数の収束定理など。 20分の間に生協で昼食を取り、 続いてファイナンスシンポジウムの準備ミーティング。 続いて「積分論 II」。多次元のラプラスの方法への準備など。 物理の Y 君の自主ゼミは本人の都合により休みのため、 早めの帰宅。帰りの電車では、 一つだけ解けなくてストレスになつてゐた、 今月分のチェスのプロブレムが解けた。 プロブレムなので、 ポーンは最初だけ二歩進めることが盲点に入つてしまつてゐた。

帰宅すると、 実家の父から年末調整用の書類が届いてゐた。 もう年末調整は事務室に提出してしまつたので、 確定申告の時に添付しやう。 自宅で選挙広報を読みつつ夕食。 しかし、選挙広報つて中身がまるでないな…


2003/11/07 (Fri.) エリンギ

昨深夜、一階で派手な音がしたやうな気がしてゐたのだが、 やはりクロがティーカップを落として割つてゐた。 彼女は時には深夜に、 一番高い場所である料理本を納めてある本棚の上に乗つて、 部屋を睥睨するのが好きなやうで、 その通り道にあるティーカップを落としてしまつたものらしい。 ズバリ、最近、本人(本猫)が思ふ以上に身体が巨大化してゐるからに違ひない。 マリアージュフレール製の微妙に歪みの入つたいいカップだつたのに、 後に残されたのは微妙に歪んだソーサのみ。 コーヒーカップとお揃ひのを新調したいところだが、 その出費は少々痛いな…

午前中は講義の準備。昼食は生姜焼き。 午後から半日休暇。洗濯をして、 数学会の学会費を払ひに郵便局に行き、 さらに珈琲豆を買ひに烏丸へ。 お出かけは一時間ほどで終了。 その後は読書。ミステリを一冊、税法の本を一冊。 夕食はエリンギのサラダ、納豆、 漬物、味噌汁など。


2003/11/08 (Sat.) 感性を測る感性

R 大の経営学部が「感性入試」を来春から導入 と言ふニュースと、 R 大など京都の私大が学生の「面倒見の良さ」 を競ふサーヴィス合戦をしてゐるとか言ふニュース二つを知り、 少し憂鬱になつたが、もちろんすぐ忘れることにした。 時間の無駄だ。

今日は休み。午前中は読書。昼食は自宅で適当に済ませ、 午後も読書。合間に、家事と買ひ出しなど。 渋谷の N 井氏から暗号関係のメイルが来てゐた。 仮想プライヴェートネットワークのキーワードがあつたところからして、 また転職先も情報基幹業務だらうか。 既に職場では「般若の N 井」と呼ばれてゐるさうで、 同僚達の怯へぶりが想像される。 近所の「黒い月」に行つたら、 京都のアマチュアチェロ弾きからよろしく、 とお伝へ下さい。

最近、滅多に現実には会はない知人が多い。 録音の方がコンディション良く聴けることは分かつてゐても、 たまに現実の楽器が鳴つてゐるところを見にコンサート会場に出向き、 あそこの音が外れてゐたとか、 隣の席の人の香水が気になつたとか文句を言ふ。 そんなことに、微かではあるが確かな意味があるやうに、 人間にもたまには会ふべきものかも知れない。 一種の贅沢として、だが。


2003/11/09 (Sun.) 一枚の切手

昨夜の執事とのチェス。 20 分プラス一手ごと 10 秒。黒番、シシリアン・ドラゴン。 白のポカが出て、6 段目にパスポーンを作り、 後は楽勝と思はれたが、 駒損と引き換へにメイトの筋を無理矢理狙つてくる、 ここからの抵抗が思ひがけず激しく、 久しぶりに頭を使つた。途中、 何度か怪しいところはあつたが、勝ち。

九時起床。 珈琲を飲んで目を覚まし、午前中は Williams の校正作業。 第 6 から 8 章を終了。 衆議院選挙の投票をして、昼食は近所でベンガルカレー。

私は就職して以来は選挙投票をするやうにしてゐる。 と言ふものの、選挙権は義務ではないし、権利としても、 是が非でも果たすべき権利とは思はない。 主に各個人とその属する社会との距離の取り様に依存するものであるから、 私は投票率が低いことも特に問題だとは思はない。 (一方、非常に高過ぎる場合には何か社会に問題があると思ふ。) むしろ、私が不思議に思ふのは、成人全員に平等に選挙権があることである。 これは非常にラディカルな発想だと思ふ。普通に考へれば、 自動車の運転と同じく免許制にするとか、 納税額に比例させるとかしさうなものだ。 思ふにこれは、 郵便代金を国内どこ宛てでも同じにした「革命的アイディア」 と同質のものではないだらうか?

午後は二時間ほど午睡。 夕食は自宅で豚丼、漬物、葱と油揚の味噌汁、焙じ茶。 夜はプレプリントの校正など。


2003/11/10 (Mon.) 雨の一日

京都は久しぶりに終日の雨。 午前中はプレプリントの校正の反映作業。 昼食はだし巻き、納豆、漬物、甘藍の味噌汁。 午後は一時間ほど午睡をして、 またプレプリントの校正の反映作業。 夕食はカルボナーラ。 夜はプレプリントの最終稿を作成。 もうこれはこれでいいとして、 明日から次の問題を考へることにしやう。 30 分ほどチェロを弾いてから、某委員会の書類仕事。 平穏な一日であつた。

投票率が低いことより、 投票箱を開け忘れただの、鍵をなくしただの、 選挙管理のミスが多発したことの方が問題じやないかな… 投票を集めて集計するつて言ふだけの仕事も満足に出来なくなつてゐることが。


[後日へ続く]

[最新版へ]
[日記リストへ]

Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。