ART織田の

週末画廊日記


10月29日版

10月27日

山本真由香について再度考えます.


山本さんの個展が終了する.山本さんの絵が私にとって何だったのか?もう一度おちついて考えたい.
山本さんは形を(別にあたらしく)作るというのをしたくなかったらしい.形に自分の内面を反映させたり,気持ちを込めたりというのから離れたかったらしい(とインタビューしたが,私の捕らえ違いであったら御免).だから,わざわざお母さんの体型をかたどったという作品を作ったりしたのだろう.
しかし,そうした作家の意向とは別に,作品に向かい合った私は何を感じたのか.それは影であり形跡であり存在ではなかったのか.
例えば,家に帰って侵入した泥棒を見るのと,泥棒が侵入した痕跡を発見するのでは,その意義はほとんど同じである.ずいぶんと例えが悪いが,まあそうだ.
造形的に生まれた女性像がどんなにリアルであっても,実在する人の形跡のほうが(例えそれがただ1本の線であっても)よりリアルに伝わるということは有り得る.それが私には一つの恐怖感に近い存在感となって伝わってきたのだった.
無論その裏に,彼女の地道な版画のテクニックがあっての話だが.
この事が作家にとって成功だったか否かは,西公園駐車場のホットドックを食うのにてこずったため聞きそびれてしまった.
しかし,果たして次回の作品はどうなるのだろう?


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