ART織田の


週末画廊日記


5月27日

フィリップ・ウイッテンバーグ@MA。物語の始まりの一部

例えば、映画「華麗なるギャッツビー」。始まりは食いさしにハエが止まるところからだった。長い物語を始めるには印象的で効果的なカットだった。そしてそのカットはエンディングに繋がって行く。
ウイッテンバーグさんの作品は、例えば古びた洋館の2階のカーテンの向こうにちらちらする活け花だ。一見すると何だかわからないが、よーく見ても全体は把握できない。なんじゃそら。なんじゃそりゃなんだけど、それは春の始まりを風の音に聴くようなもの。わたしゃ全体を見て思ったね。こりゃ始めであり終わりであって話し全体の基調なのだと。とたんに私は侘びしくなった。
さすがクノップフのお国柄だ。ウイッテンバーグ、感じさせます泣かせます。


パンフレットより転載


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