ART織田の


週末画廊日記


6月10日

中村孝平@MA。黒く塗れ

まずこの絵の黒いのは鉛筆で執拗に塗りこめられているからである。同じ執拗でもカタナの革シボのシートにモノ消しをかけまくるのとはわけが違う。黒く塗るのはある種の快感がある。ちなみに私のAXはノアールだし、私の知り合いの女性でも黒を好んで着る人も多い。この絵の黒は、書かれている図形によって行きを持たされ、さらに引きたてられる。いわば深淵の黒。その黒に、2つの図形が手を取り合って沈んで行く。人が黒に求めるのは死の香りか、耽美な快楽か。夜の闇を突っ切るノワールのシトロエンDS。またそうきたか。


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