ART織田の


週末画廊日記


11月11日

岸田淳平@香月。今回の個展は来迎図か。

私は個展のパーティーのさなか、頭を抱えて考えていた。「導入、いきなり仏教の話しからやったら、びっくりするやろーなー」と。というわけで仏教の話し。ってまじかい!
阿弥陀経によると、人間「南無阿弥陀仏」と唱えれば、阿弥陀如来がお迎えに来て極楽往生出来るんだそうな。ちなみに、この際生前の善行によって、様々なランク付けが行われ、如来単身から助手付き、さらには大合奏団付きまでが用意されている。まあ、人間、合奏団までいかんでも、助手の観音くらいは来て欲しいぞ、と思う人はせいぜい善行をつみましょう。
で、岸田さんの描く女性はみな浮揚感がある。イノセントなやさしさがある。観音的である。と思った。正直、ある者は楽器を持ち、ある者はシナをつくり、ふりむき、微笑み、見つめ、している沢山並べられた肖像を見て、平等院鳳凰堂の「還り来迎図」を思い浮かべた。まるで、来迎の楽団のような個展だと。もしかしたら、すでに作品は本人の思いを超えて、別の領域に達しているのかもしれない。
お客さんがバレリーナの様に絵を見て行き、愉しげな語らいもおだやかに続いていた。絵と人があきらかに空間を現世から隔てて行くようだった。その隅で、私は一人このレポートの落ちを考えていた。って落ちないか。続く!?

余談:会場で「見たよ」と言っていただいた方々、本当に感謝します。「見ます」と言っていただいた方々、つまらん文章でごめんなさい。岸田先生、乱筆乱文笑ってお許しを。みなさま今後とも宜しくお願いします。


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