ART織田の


週末画廊日記


6月2日

村上勝@宇久画廊。飛ばない羽。

空への憧れだけは負けない私、羽について語らせたら長いよ。字数オーバーするよ。
村上さんの作品は福岡市美の階段のところにあるあの赤い羽が有名だ。あの羽を見て、いつも思ってたんだけど、あの羽どう使っても飛べるもんじゃない。あの羽では浮力は得られないのだ。翼断面が流線型であるか、しなるかしないと何枚あってもだめなのになぁ、とつい思っていた。美術とは関係無いけど、ついついそう思ってしまう。
ところが、今日の個展を見てみた。「ていうか、そもそも飛ぶとか、関係ないわ」といまさら感じた。あたりまえだ。美術表現と航空工学はそもそも無関係。例えば「天使の羽は翼面積が不足している」などと無粋なことを言うもんじゃないのだ。
じゃあ、何なのよこの羽はと。地面からにょきにょきと、葉っぱのように伸びてくる羽は。
そう、きっとこの羽は、羽自体が無目的に、ただ自立して生えているだけかもしれない。自我の羽。SEINの羽。そう言われれば、何か一枚一枚が凛々しく見えてきたぞ。本尊を飛ばすことを止め、大地に根ざす羽たちは、なにか、どこか頼もしくも思えてくる。


DMより


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