くまいあかりの


恋愛は古典的


3月10日

恋愛は古典的・フューチャリング・大山敦子

アート織田急病につき、代打「くまいあかり」がお届けします。

「暗くなっても待って」季小小の恋〜季賀

 たいがい恋愛は疲れます。特に相手を待つパターンはつらい。唐の時代、鬼才とうたわれた詩人季賀は、ひたすら来ぬ人を待つ季小小のそんな気持ちを歌いました。

蘭にたまる露は
こぼれる涙のよう
心を結ぶ人もなく
春の霞も裁ち切れず
草の敷物
松の覆い
風の衣擦れ
川の流れの腰飾
きれいなクルマによりかかり
今夜もただ待つだけ
ブルーのヘッドライトは
ただ虚しく
湖のほとりで
風と雨を照らす

 まあ、あまりにも現代的な訳で、中身もちょっと違いますが、とりあえず雰囲気だけお伝えするという意味で。興味が沸いた人は原文をぜひ。
 文中、「蘭にたまる・・・川の流れ・・・」とあるのは、実はお墓の様子を季小小に例えたもので、死んでお墓に入っても待ち続けているという事らしいんです。
 ちなみに、季小小は5世紀末の人、季賀は9世紀初めの人ですから、300年以上も伝えられるラブストーリーというのも凄い。もっとも21世紀の今もこうして伝えられているわけですから、季小小いったい何者という感じです。
 私はと申しますと、以外と「待つ」かも。ちょっと自分が怖いかも。


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