ART織田の


週末画廊日記


5月12日

小野セツロー@梅屋。見えない線

 何度もいう。僕は農学部だった。当然授業で作物の発育図やら、虫の形態やら、よく絵を描く機会があった。僕はへたくそだった。誰もそれは指摘しなかったが、自分ではよくわかっていた。全然写実的ではないし、線がヨレヨレで形を捉えていない上、繋がりも悪かった。不器用だからあきらめていたけど。
 小野セツローの植物は、どうしてこんなに味があるんだろう。どうしたらこんな線の捉え方ができるのだろう。絵は一般的な植物画の写真的な要素ではなく、完全にアウトラインしか書かれていない。枠の黒。茎の緑と赤。葉の黄緑。花の紫。それぞれが簡単な構成で描かれている。だがどうだ。描かれた絵はアザミというだけでなく、野の花の可憐さまでも感じるではないか。
 こういうのを見ているといつも「絵を描くとは」みたいな事を考えてしまう。下手なりに自分で描いてみると少しは近づくかもしれないけど。どうだろう?やらんよりはやったほうがいいくらい?逆?


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