ART織田の
貧しき者にも日は降り注ぐ
死を見つめるロードスター@レス・ザン・ゼロ
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シボレー・コルベットC1・コンバーチブル。(たぶん)V8を搭載するこのロードスターは、1950年代に製造された。メデタイ紅白、羽の形をした空気穴、セクシーなリア形状、ちょっと間抜けなフロント(スポーツカーのマスクは蛙顔との戦いなのだ)、1mmも動かない(であろう)はめ込みシート。スポーツカーの中でもトップレベルのデカダンはやはりコルベットだ。19にして心朽ちたりな若者が、ヤク中、乱痴気騒ぎ、借金、のあげく、命を落とすという「レス・ザン・ゼロ」の演出には、まさにはまり役のクルマだ。原作に出てくる、メルセデス、BMW、ポルシェという、いかにも西海岸の金持ちのボンボンが乗るようなクルマでは、まあそんなもん過ぎて映画にはならない。
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