ART織田の


週末画廊日記


2月9日

島谷真奈@獏。


DMより

 最近写真が好きだ。見るのも撮るのも。僕にとって写真とは追憶であり存在である。生きていくのに必要なんじゃないかとも思えて来る。
 島谷さんの作品は、東京の下町の風景を撮影した、個人的な日記である。住んだ事がある人は解ると思うが、首都といっても、下町に一歩入り込むと、古びた町並みが続く。少なくとも、地方の人が考える都会のイメージはぶっ飛ぶ。まあそんなもんだ。
 写真を見ると、その辺、僕は震災前の神戸を思い出す。そんなわけで、アルバムの1962年の白黒写真を見てみると、トヨエースと一緒に、生まれたばかりの僕と、住んでいた戦後出来た古ぼけた鉄筋の小さなビルが写っている。なんでもないスナップ写真だが、今見返すとなかなか良いではないか。
 普通写真の個展というと、どうも「いわゆる芸術写真」を考えてしまう。しかし、ログ(記録)こそ、写真の本来の存在意義であるはずだ。前回に引き続き、個展内容が余りにスナップショット的で、満足できなかった来場者もあったのではないかと察するが、こうしたログが、Exhibitionであってもいいじゃないか。芸術でも事件でもない東京の日乗。じっくり見させていただいた。
 しかし、写真こそミニマルアートにふさわしいツールなんだなぁと思うこのごろである。(そういえば、この「週末画廊日記」は"Week End Gallery.LOG"というログファイルに似せた名前がついている。ってことは、もしかして、これもアートなの?なんてね)


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