ART織田の


週末画廊日記


3月1日

平山万紀子@県立美術館


DMより

 県立美術館を歩いていると、平山さんの個展をやっていた。一見、軽い、やさしい感じの作品かと思って入り込むと、それは罠だった(笑)。かなり重く、力強い作品だった。
 重くていい。まずタイトルだが、上の作品は「見捨てられた肉体の発見」と書いてある。それだけで考えてしまう。全体もなんだか大正時代のような暗さがある。遠近感のない室内、ぼやけた輪郭、全体を包む影のような靄(もや)、縛られた手で金魚すくいをするという構図、しかも水の入ってない傘2本入った風呂場で、なぜ風呂場、落っこちそうなあじさい。色はパステル的だけどムンク的な重さがある。いい。いいよ。いいじゃないか>作品。
 他の作品もどこか精神的なアンバランスさを感じる部分があり、奥行きを感じる。一見きれいだけど実は重い。しかもほとんどが100号ないしは50号以上。ふらっと寄った個展だが、ついついはまってしまった。


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