ART織田の


週末画廊日記


3月10日

濱田亨@MAP


DMより

 50ccのバイクを買った。10数年ぶりだろうか、今また乗ってみると新鮮な楽しさがある。巨漢のスポーツバイクと比べると比較にもならない速度だが、3月とはいえ冷え込んでいる空気を突っ切って走るのは、普段の日常ではありえない瞬間だ。風圧を全身に受け、軽快なエンジン音とともに、質感のある大気にダイブしていく。実に楽しい。
 濱田さんの四散した色の世界もまた楽しいと思う。絵の具を思いっきり振り払ったような飛び散った点。滴り落ちる色。実にカラフルなスプラッターである。他の絵も、ある程度は形を成しているが、分解され、ばらばらになって、漂っているかのようだ。
 50号近いこの作品をじっくり見ていると、なんだか絵の前に立っているという感覚が狂ってくる気がする。
 「ダイブだよ」
 そう思った。絵の中央部分に真っ直ぐ頭から突っ込んでいけるような気がしてくるのだ。たぶん遠近感が乱れてくるのだろう。すごく奥行きがあり、広がりがある作品だ。しかも色それぞれが、動きを持ち、さらに四散していくような感じを受ける。
 そう思うとたいした作品だと思う。ちなみに値段はバイクよりちと高い。事故らん分いい買い物だとも思うが。


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