アート織田の週末画廊日記
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2003年5月17日

タイトル: 個展
作家: 大山敦子
場所: キャナルシティ博多西部ガスギャラリー


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 僕がなぜ画廊日記を書くのか。少なくとも美術評論ではない。作家の皆様のためではあるとしても、それが目的としては大げさ過ぎる。そう、常連の皆様には最初からおわかりだ。自分のため。自己主張。単なる目立ちたがり。という極めてロマン主義的な試み(そうでもないか?)である。
 本来人生は生きるに値しないといのは誰しも知っていることだ。しかし何故だろう?こうして数メガのデータ―を風の中に撒き散らし、何か知らぬものを指目さんとしている。 儚いものへのせめてもの抵抗なのか、手慰みなのか。
 私のテキストはその悪例なのだが、大山さんのは好例だ。
 彼女の部屋にある何かしらプライベートなものを、切々に、単純に、あるがままに書き写している。椅子、バッグ、マニュキュア、淡々と並べられたその日常は、はっきりと現実であり、繰り返されるものであり、すなわりその人の記憶であり存在である。
 死んでもそのまま片付けない部屋の様に、彼女の絵はそれを語っている。

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