アート織田の週末画廊日記
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2003年8月18日

タイトル: カプラ3
作家: 野村佐紀子
場所: アートスペース貘


DMより

 写真に映っているもの。それは、撮影者が見たものであり、見る人が見るものである。しかしただ写していたのでは十分ではない。印画紙の性質、光学的特性、画面の切り方などを駆使しながら、より「撮影者の見たもの」に近づけて行かなければならない。と書いておきながら、以下いつものことながら、一方的で身勝手な感想を。
 野村さんの写真は悲しい。嘆きの海に溶け込んで行くような稜線に、煙突はすべもなく佇んでいるようだ。しかし、この美しさが全国200人の夕暮れ朝焼けファンを魅了する。
 この写真のような夕暮れ朝焼けは彼岸(の国)の近さを感じさせ、それは故郷を想うような気持ちに近いものである。縁ぶちから迫り来る黒も、終焉を招くようだ。人の死の間際、目に映るものは、あるいはこのような映像かもしれない。
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