アート織田の週末画廊日記
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2003年9月15日

タイトル: Line light T
作家: 久保由加理
場所: 


 うっすらと、たゆたう青。消えそうな色というか、青くてすみませんという色、というか、サヨナラな青、なんとなく、それは私のような気がする。
 思考ではなく夢想、潜ると言うよりは沈む、きままというのではなく迷って、後退ではなく敗走、「ぼんやり」とか「虚ろ」というのは、今ハマル言葉である。
 Line light というタイトルからしても、無論作者の意図はおそらくそんなところになく、絵は私の意図よりはるかに美しいものである事はいまさら断るまでもない。青い線は軽く明るいのだ。
 しかし、いわばホワイトアウト(別にブラックアウトでもいいのだが(何故なら強い光は強い影を作るのだ))していく「薄らぎ」には、私は宿命的なものを感じてしまわずにはいられない。
 耐えられる明るさから、耐えられない光の中へ。そして溶ける様にうっすら消えていく事。絵はまさに私の行く先で待ち構えているようでもある。
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