ART織田の


週末画廊日記


3月9日版

3月8日

特別編:第4回北九州ビエンナーレ報告


原則として,美術館については触れないのだが,まあ別に原則にこだわる事もないので簡単に報告しちゃいます.
北九州ビエンナーレは北九州美術館で3月1日から30日までの間行われています.

1.靉嘔/Some Hanging Pieces No.10
巨匠はゆとりがある.作品の内容は日常の雑貨や食品を天井から数多くつるしただけのものだ.あと,1升ますを改造した「指つっこみ」(銘々私)が壁に等間隔につるしてある.つっこめる穴があるととりあえず突っ込んでみる私は,すべての穴に指を突っ込んだ.一見誰にでも出来るぞ的なこの作品(いや,実際誰にでもできるぞ),大変シュールで楽しいものだ.
ちなみに,この作品は床に寝そべって鑑賞するのが正しいらしい(かもしれない).もし,床に寝そべってる人がいても,決して怪しい人でも,下心がある人でもないのでご安心下さい.

2.逢坂 卓郎/GROUND
この部屋は完全に真っ暗なので,大人数で入るとパニックになるのでご注意.しかし,次第に目が慣れると,壁の周囲にちらほらと明かりが見え始める.ホタル狩を思い浮かべるこの光は,宇宙線を光の信号に増幅変換して光らせているらしい.「そういえば,カール・セーガンは元気だろうか」と考えながら10分間くらいはじっとしていた.楽しい.

3.今 道子
まず作品リストを見ると「なんじゃこらー」という感じだ.「タコ+エプロン」「潤目イワシ+シルクハット」「鯛+ギター」,そう,皆さんのご想像通り(想像しないよ),これらの写真は「もの」がタコや潤目イワシで形通りに覆われているコラージュなのだ.良く見ると結構気持ち悪いぞ.でも楽しい.

4.吉水 浩/タンゴ他
セサミストリートのマペットのような毛羽立った素材で覆われた大きな立体作品がいくつかあった.いっそのことソファーの様な柔らかい素材で作られていれば良かったのに.それに,さわるためにはウエットティッシュで手をふかなければいけないし,時計を外したりもしなければいけないので結構めんどくさい.ので触らなかった.残念.

5.PHスタジオ/船を作る話他
人が入れる穴があればとりあえず入ってみる私は,犬にでもなったように,犬小屋のような作品群に入ったり出たりした.もう少し大規模で複雑ならなお良いのに.でも楽しい.

6.藤本 由紀夫/ROOM他
ROOMでは,何台かのキーボードが小さなノイズの様な和音をだしていた.聴覚に訴える作品である.次のBROOMでは床に落ち葉が敷き詰めてあった.歩くとザクザクいう.嗅覚と聴覚,そして踏んだ感じに訴える作品だ.そして,長い回廊を次の作品へ行こうとすると,かすかにパランポロンと音がする.どうやら,回廊の奥にある作品にしかけてあるオルゴールの音らしい.作品にたどり着くと「ネジを回して下さい」とかいてあった.動く部分があるととりあえず動かしてみる私は,全部のネジをいっぱいに回してそこを立ち去った.前の人もそうやったのだろう.次に来る人も同じ事をするだろう.楽しい.

以上,まあまあ楽しめる現代美術である.入場料800円はもったいなくないぞ.


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