アート織田の週末画廊日記
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2003年10月26日

タイトル: まなざしのパッセージ
作家: 黒岩 俊哉
場所: ART SPACE 獏


会場にて撮影(C5302CA)

 会場はビルのように見える箱の影絵と背景に雲を流し、朝>昼>夕と色を変化させ、それを繰り返すという、一日の空の変化を早回ししているような感じになっていた。
 ちなみに私は夕暮れ好きの夕暮れ君だが、これはそんな私への挑戦だろうか?
 また、ちなみに僕には、窓辺でひざを組んで、窓の外に流れる雲を見つめて過ごす、漫画みたいな時間がある。だから、こういう展示も興味津々、しばらくただ眺めていた。
 昔、あずまひでおの漫画でこういうのがあった。不気味君というドクターが公園のベンチに静かに座っている。次のコマで通りかかりの人にこう聞かれる。「何をやっているのですか?」「何も・・・。ただこうやっていると・・・・・・。そのうち漫画が終わるもので」その後何コマも黙って座っている同じ絵が繰り返される。2ページ進んだところで、通りがかりの人が止めに入るのだが、人生というのは、こうして、そのうち、終わるものだと今でも思う。
 それを思い出しながら、会場に用意してあった椅子に、僕は80歳のように、しばし座っていた。
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