アート織田の週末画廊日記
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2004年2月29日

タイトル: 寒い春
作家: 岸田淳平
場所: みさき画廊


DMより

 ムルソー君はいう(久しぶり!)。
「何ヶ月も前からこの(牢獄の)壁を見つめている。おそらくずっと前には、私もそこに一つの顔を求めていただろう。しかし、その顔は太陽の色と欲情の炎を持っていた。それはマリーの顔だった」(長いね)
 岸田さんは、女性像を多く書く。形を追えども求めども幻影を掴むかのように書く。
 それは岸田さんにとって、紙が、ムルソー君のように、「牢獄の壁」なのかもしれない。浮かび上がる形を、筆で残そうという気の遠くなるような試み。すごいとは思う。
 ちなみにムルソー君の場合、その顔は、かつて属していた小さな生活の小さな楽しみの代表であったが、やがてその離別にも慣れてく。
 しかし岸田さんは、このままずっと書き続けるかもしれません。
 しかし、その終着点はどこになるのでしょうか。
 象徴派のモローは「さらに高い次元での男女の結びつき」を示唆しています。生も死も超えた結びつき、それは彼のサロメやヘレネーなどを主題とした作品に、なんとなく垣間見られます。

 とまあ、中途半端な文章になってしまいましたが、どうなんでしょうか。
 あんまりこの問題を語るのはマジで得意ではありません。意外でしたか?じゃあ書くなって。だってしかし、絵の解説でここを避けるわけにはいかなかったんですもん。
 だから私はというと、服買って、CD買って、絵見て、本読んで、ちょっと仕事して、と本当に本当に心貧しく、地味〜にやってるだけっすね。関係ないっすよ。モローとか。(そう?)
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