アート織田の週末画廊日記
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2004年3月20日

タイトル: 第39期福岡教育大学美術科卒展
作家: V.A.
場所: 福岡県立美術館


会場にて撮影(A5302CA@AU)

 いつも楽しみにしている福岡教育大学美術科の卒展である。今年もレベル高いです。
 まず彫刻は安楽郁子さんの「青空」。同名のバタイユの小説を思い浮かべるお馬鹿な私は放っておいて、飛び立たんとする見事な白い翼は惚れ惚れとします。いや何よりその若さがすばらしく伝わってくる佳作です。いや、見事。
 その下にある、廃墟にあるような、焦げた本棚に置かれた白い物体は、杉下大輔さんのインスタレーション「夢→記憶→残像」です。荒削りながら、迫力のある展示がいいですね。単なる廃墟系の質感にとどまらず、そこかしこに不気味にも住み着いた白い物体が異様でいいです。汚れの中の美、不幸の中に見出す幸福、どぶに捨てた人生の中の美しい思い出、そんな感じです。
 右のは平田良子さんのざわめき。これも良かった。ふと「女性の愛など知らぬ私だが、唯一聞いた君の衣擦れの音」と言って死んでいったシラノを思い浮かべます。
 肌触りの良いナイロンの円柱は中に入る事だって出来ます。もうじき訪れる春の日差しや風の様な、優しすぎる人のような、いい感じの作品でした。しかし皮膚感覚に訴える作品っていうのは、なかなか上級者ですよ。
 その他ここでお取り上げ出来なかった見事な作品も沢山ありました。堤さんの見事なアクアチント、御手洗さんの迫力の豚、高木さんの知的なレリーフ、書ききれなかった皆さん、本当に入場料300円払いたかったです。

 DISELのデニムが超欲しいです。最近エレクトロクラッシュとかツボってます。人生先が見えたジジイは何若ぶってんだよ、コシバキかよ、何がしたいのよって感じですが、なんなんでしょうね。老いては子に従えってオチでしょうか。少なくとも将来のある若者と比べれば、私など小さな、極々小さな人間なのでしょうね。
 そうそう、書道課程も見ましたが、これも素晴らしかったです。私は臨書が好きなんですけどね。臨書っていうのは、ただただ、書が好きで好きでしょうがない人の仕事だと思うんです。自己表現とか忘れて、字を書くという気持ちだけが、筆を動かす、こういうのも好きです。
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