アート織田の週末画廊日記
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2004年5月9日

タイトル: 探していくもの
作家: 大森鮎
場所: ART SPACE 貘


会場にて撮影

 この個展にはサブタイトルがある。「3つの空がもつ 降りてくる線、空気を含み、土の上に至るもの」とある。
 この作品をそのまま形容したものだが、この言葉自体暗喩的な感じがして、雰囲気を持っている。
 線の一つ一つは、毛糸の綿のようなもので出来ており、見た目は有機的で、さわるとふわふわして、頼りない。
 「探していくもの」の感覚を、空間の構成と質感(触感)で、イメージを持たせる、素晴らしい作品である。やさしく包まれるような一方、儚げで、救いがありそうで、悲しい、この部屋の中にいると、なんだかほんの少しの、希望があたえられるような、そんな気がした。


 私はなんかカンダタを思い出しました。シャカが垂らした蜘蛛の糸みたいな。
 でも、あれって変な話ですね。下から多勢登って来たら、誰だって蹴散らすって。未だに何を説教したいのか、よくわからんラストです。逃げるときは皆で逃げろ?、ちょっとちがうような。
 ヨタ話はともかく、私にとって、カンダタでなくとも、上から降りてくる白いものは、救いに他なりません。「すべての試練は神の御技であり、福音は先々必ずやってきます」と牧師さまも言っていますし。とりあえずは、いろいろ信じろってことですか?今とか、明日とか。アッラーの神もお恵深いって事ですし?
 とまあ、それもともかく、いろいろ感じさせられる、いい部屋でした。

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