世の中には1本の線でものがいえる人間が居る。
前回そう書いて思い出すのがこの作品だ。佐藤さんの場合は、ダークゴシックな、退廃的なイメージがつきまとう。タイトルもプラハだし。
「カフカ:迷宮の悪夢」という実にすばらしい映画が、全編プラハロケのスゴサがあるように、世界観や精神性は、映像にも、物にも、線にも反映される。
雰囲気という以上に、長年受け継がれた伝統が呪いの様な重さをもつように、ヘビーな版画は、買ってからずっと、私の部屋にかけられている。
最近プチ引きこもりである。家で飯を炊き、味噌汁を作り、食べる。これが今、一番自分らしい時間である。
今度発売される「薔薇の名前」のビデオを、アマゾンで予約購入した。雪深い僧院で、(笑ってもいいかどうかは別として)黙って本などを読む毎日というのが、実は目指すところだったのではないか。
それには粗食が似合う。服はユニクロでいい。図書館さへ行かず、昔買った本を読み直す。あ、別に画廊に行ってないという、いいわけじゃないんですけどね。