アート織田の週末画廊日記
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2005年2月27日

作家: 岸田順平
タイトル: 風の色
場所: みさき画廊


 たまにメランコリーになる。メランコリーというと犬種のような響きだし、メリリー(楽しい)と近いような気もしないでもない。しかし漢字で書くとである。29画もある。普通書けない。やっぱり漢字は強力だ。しかも「鬱鬱とする」とかも言う。29画×2だ。
 絵を見て儚く思う。絵は僕よりもずっと長生きするのに。
 塗らない美しさ、書かない美しさ、沈黙が美しいように、絵にもそれはあるはずだ。
 薄さが欲しい。もっと薄ければいいのに。むかし何処かの書道展でそう思った。薄けりゃいいか。それは違う。
 僕の中からメランコリーを引き出して、踊ろうとする薄さが欲しいというわけだ。
 トウトウタラリトウタラリみたいな。
 もしお金があって、これを買ったなら、窓辺にかけようと思う。日没の薄明かりで、人生の終わりのように薄い薄い赤に染まるのを、見たいと思った。


 ブティックはでは流行色の薄いターコイズで、華やかな感じになってきた。ところがオトコは相変わらず黒・白・灰色のモノクロームだ。
 「白と黒は女を試すこわい色」と斉藤薫さんが「きれいマダムをめざす」で書いていた。(だからGrazia読むなと。)
 では僕が黒い服を着るとどう見えるだろうと思う。陰険だろうなぁ。鬱だろうなぁ。日没の明かりで人生が終わった幽霊のようだろうなぁ。

 というわけで、自分の最近の一発話題。
 オダです。でも色のついた服が似合いません!


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