アート織田の週末画廊日記
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2006年1月6日

作家: フェルナン・クノップフ
タイトル: ジョルジュ・ローデンバックと共に−死都
場所: ベルギー象徴派展@長崎県美術館


ポストカードを撮影(部分) (CACIO G'z One Type-R VGA by KDDI)


 新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
 新春いきなりですが、憂鬱なクノップフです。
 象徴派展、逝って来ましたよ。しかしこんなもん誰が呼んで、誰が見に行くんだかという気がします。案の定、一般市民は、特にご家族連れは、冒頭のロップスのエロ悪魔あたりで、挫折していました。実にいい構成です。
 まず、象徴派とは決していいもんじゃないというのを、しっかり教えなければいけません。この先脚を踏み入れる勇気がないなら、さっさと引き返してベルギーケーキセット(←鑑賞券900円+100円で買える!)でも食べてなさいと。
 そしていよいよ、クノップフです。暗い部屋で篭もって書いたとは思えない程、冷たく人気(ひとけ)がなく、生気もなく、しかし正確な水辺の建物の絵が数展あって、あとは妹シリーズです。これが実物かあーーーー、と感動の中で、行きつ戻りつしながら、見て行きます。しかし、生きがいのない人生、実らぬ恋、失った大切さの幻影、自己愛、そういう気持ちで共感できなければ、クノップフなどはただの漫画でしょう。ただ、その一つでも共感できれば、薔薇十字に入れて欲しいくらいに好きになるかもしれません。
 その後も、象徴派とは、ある種の狂気であるかのように、腐った森とか、生首(死せるオルフェウス!)とか、見ていて、実に心侘びで、思いっきり沈んだ状態で、展覧会を後にしました。
 速攻で絵葉書と図録を買って、中華街で皿うどん食って、また舞い戻って、須磨コレクションを見て、ベルギーセットで〆でした。
 今回は往復に特急かもめを使いました。列車の旅もいいですね。では、みなさんは良いお年を(はーと)


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