アート織田の週末画廊日記
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2008年4月21日

作家: 久保由加理
個展タイトル:White Line
場所: アートスペース獏


会場にて (SoftBank 913SH (Full Face) VGA)

ホワイトライン
 春だというのに、陰鬱だけがそばにあった。
 やはりモードっぽいものより、ストリート全開の方が自分らしいと思い始めた。
 1枚に刈上げた坊主頭に、小汚いパーカーとユーズド感あふれるデニムで、私は獏にいた。
 私たちは何を求めて絵を見に行くのだろう?
 もう何年も、少し疲れながら、時には義務っぽく、時には期待をこめて、ずっと彷徨っている気がする。

 久保さんの作品と展示を見た。
 光が走るように、きらめきながら、移ろう色の中を走っていく、ロードムービーのような、物語性に富んだ展示である。
 一枚一枚の絵も、びっくりするくらい、とても丁寧に描かれていて、奥行きのある、絵一枚が話一つくらい内容のある、深い味わいと落ち着きを持っていた。
 絵たちが語りかけてくるぬくもりとやさしさは、倦怠な私にはありがたすぎるくらいだ。
 それは、歌がそうであるように、慰めてくれたり、励ましてくれたりするものであり、黙ってそばにいてくれるありがたい友達のようにも思えた。

 こうした作品に出会えるのは、とてもうれしい。
 私は孤独ではあるが、不特定多数に贈られた、さまざまなプロダクツによって大切なつながりを持ち、支えられている。
 世の中ありがたいものだ。
 そうした支えを感じながら、新しいTシャツでも買って、スターバックスにでも行こう。
 時として押しつぶされそうになる単調な日々も、少し楽な気持で乗り切れるように感じた。

服飾戦線各駅停〜彷徨編
銀座の女性30人に聞きました。男性で一番いやな格好は何ですか?
ピタピタな服 12人
レザージャケット 8人
フレアパンツ(ベルボトム) 5人
はいはいはい。すいませんね。全部セットでよく着てますよ。
というつまらないアンケートさえも、ボディーブローのように効いてくるこのごろです。くやしぃーです。
丸の内OLに引き続き、銀座でも全敗。やっぱり間違っているのか?>自分。

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