アート織田の新週末画廊日記
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2009年4月16日
作家: レオナール・フジタ
個展タイトル: レオナール・フジタ展
場所: 福岡市立美術館
これまではフジタがわりと好きな方だった。 印象派〜後期印象派〜象徴派とあって、自分は象徴派であるが、(後期)印象派あたりもわりと好きだ。 好きな作家は沢山いるが、特にゴッホ、ゴーガン、加えてルオー、ユトリロ、モジリアニ、フジタ、とこのあたりで順不同になるくらいの好き加減である。 しかし、今回の展覧会で、フジタ好きの順位は一気にあがった。 もしかしたら、印象派近辺全てのなかで、一番好きかも知れない。 ただ、晩年の宗教画限定である。
実はフジタが宗教画を描いていたとは知らなかった。 あの、福岡市美にある白い裸婦が強烈すぎて、「フジタといえば白い裸婦」と誰でもが感じていたように思っていた。 心の底では、絵はすばらしいが、その頃のジャポニズム(日本ブーム)の中で、鼓舞された部分もあったかとも邪推していたところもある。 悪かった、フジタさん、俺は見直したよ。
フランス国籍をとってからの作品は、これまでのちょい日本画風の感じも白も、潔く捨てて、やや平面的で情熱的な、信仰の深さが良く伝わってくる、すごく気持ちのこもったキリストを書いている。
絵はがきを撮影 (SoftBank 913SH (Full Face) VGA)
キリストの生涯で多かったのが、誕生と磔だった。 誕生は幼子イエスと聖母子像、磔はこの「良い罪人と悪い罪人との構図」と十字架から降ろされるキリスト。 あるいは、人に言えない罪を背負っていたのだろうか、とも思う。 「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」(ルカ23・42)と言った良い罪人は、顔を上げイエスへと傾いでいる。