貧しきものにも日は降り注ぐ

 

ダン・タナーのサンダーバード(R.ユーリッヒを偲んで)

昔話をしよう。僕が中高生のとき、アメリカのTVドラマに夢中になっていた。ちょっと前で言うとERとかだけど、その時はもっと色気があった。「600万ドルの男」に始まって、「バイオニック・ジェミー」、最近映画化された「チャーリーズ・エンジェル」もその頃のドラマだ。ジェミー・ソマーズ(女、26歳、職業教員)を演じるリンゼー・ワグナーにほれたかと思うと、チャーリーズ・エンジェルの一人、サブリナ・ダンカンの知的な感じに心を惹かれ、ここでファラ・フォーセット・メジャーズへ行かない所が僕のいいところだけど。(わけわからんという人は勘で笑ってください)
さて、昔話に花が咲いていますが、なかなか誰も知らない「ベガス$」というドラマが、実は僕の人生を規定していた。私立探偵ダン・タナーがラスベガスを舞台に、降りかかる何事件を拳と銃で解決して行くという、なんとも爽快なドラマだ。とにかく、ダン・タナーがかっこ良かった。僕の中でこうありたい男No.1だったわけだ。困難にめげず、女にはもてるがなびかず、タフでクールな探偵。惚れるぜちくしょう。
2番目の主役というべき彼の愛車は、真っ赤な1957年製のサンダーバード・カブリオレ。まあ、当時は赤いスポーツカーという認識しかありませんが、このクルマがとりあえず当時の僕のアガリグルマだった。コレに乗ったダンは、さらにもましてかっこよかった 。そうやって、インプリンティングされたオープン・スポーツへの誘惑というのは、どうやったって逃げ切れないもんですね。
ところで、ダン・タナー役のロバート・ユーリッヒさんは今年4月に癌で亡くなったとの事でした。享年55歳。僕に男を教えてくれた最初の俳優でした。心からご冥福を祈ります。


在りし日のユーリッヒ。CNN配


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