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ディープスペースナイン エピソードガイド
第101話「クワークの再婚」
Looking for Par'Mach in All the Wrong Places

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・イントロダクション
※1通路を歩いているベシア。部屋の扉の前で立ち止まると、周りをうかがいながら中の音を聞こうと耳を近づける。そこへクワークがきてドクターと声をかけた。慌てて背伸びをしてごまかすベシア。クワークはわかってます、チーフの家の夫婦喧嘩を立ち聞きしてたという。そんなことはしないと立ち去ろうとするベシア。クワークはこりゃすごい、モリーが聞いていなきゃいいけどとという。聞こえるのかというベシア。この耳ですよというクワークに、なぜ喧嘩してると聞く。ドアから少し離れ、彼が何かしたらしい、彼女はかんかんだ、彼いわくそう怒るな、彼女いわく人の人生に口を出さないでくれ、よくある夫婦喧嘩だというクワーク。でもあの声を聞いていると、まるで命に関わる問題みたいだという。そこへケイコ※2が帰ってきて、ジュリアンと声をかける。こんにちはというベシア。ケイコも挨拶を返し、中へ入っていった。夫婦喧嘩をしてるっていったじゃないかとクワークに詰め寄るベシア。クワークはだからもう片方の奥さんのキラとやりあってるんですよといった。オブライエンがキラのスプリングボールのラケットをどこかに隠してしまったのだ。妊娠中だから激しい運動は良くない、それを勝手だとキラが怒ってというクワーク。ふとしゃべるのを止めるクワーク。ケイコが割って入った、2人とも話し合えばわかることでしょといっているという。お決まりの展開だ、ショーは終わりだというクワークに、良かったというベシア。
とにかく声に強さがある、あの声に張りがあるからバラック・カダーン※3は偉大なる歌い手として評されているというウォーフ。カップを持ってウォーフの前に座ったダックスは、退屈じゃない、いつ聴いても同じ調子だという。クリンゴンのオペラの古典は古典らしく歌われる方がいいというウォーフ。あなたは地球人に育てられ、宇宙艦隊に入隊し、プルーンジュースが好きなのにとても伝統を気にするのねというダックス。別にいいのよ、矛盾のある男性は大好きという。そこへエアロックの扉が空く音がし、若い男と年老いた男、そして女性の3人のクリンゴン人が降りてきた。女性は周りを見てから、2人の男を引き連れて歩き始めた。いい光景ね、クリンゴン人が来るなら和平協議が順調な証拠だというダックス。ウォーフは立ちあがり、彼女を見たかいという。クリンゴン人の女性と聞くダックス。輝くような美しさだといい、ウォーフは後を追っていった。
クワークの店に入り、席につく3人。ウォーフとダックスも来た。彼女、まあまあねというダックス。あんな女性は見たことはない、誰だ、どの家の娘だというウォーフ。家の紋章には見覚えがない。まだウォーフが遠くから見ていると、その女性はクワークの前に来て笑いながら抱き合った。あのフェレンギ野郎の知り合いとはなというウォーフ。久しぶりだなとクワークに声をかけている女性。ダックスは誰だか思い出し、彼女はグリルカ※4だという。クワークの単なる知り合いじゃない、クワークの元妻よといった。不快な顔をするウォーフ。

※1: ガラック役のアンドリュー・J・ロビンソン初監督作品です

※2: ケイコ・オブライエン Keiko O'Brien DS9第97話 "Body Parts" 「クワーク、絶体絶命」以来の登場

※3: Barak-Kadan

※4: Grilka (マリー・カイ・アダムス Mary Kay Adams) DS9第49話 "The House of Quark" 「クワークの結婚」以来の登場。声:水原リン


・本編
マパリアンエール※5にパザファ※6を垂らしたのがお気に入りだったねとグラスをグリルカに渡すクワーク。覚えていたのか、それは嬉しいというグリルカ。クリンゴン人でブラッドワインを飲まないのは君だけだからな、あとプルーンジュースというクワーク。聞き返すグリルカに、気にするなという。グリルカの家に乾杯、いついつまでも強く誇らしくあれ、美しい主人と共にというクワーク。エールに口をつけたグリルカは、お前は理想の結婚相手ではなかったがバーテンダーとしては超一流だなという。クワークはそりゃ最高の誉め言葉だ、それでしがないバーに来てくれた理由は、仕事かい遊びかいと聞く。グリルカはトゥメック※7を見てから、クワークに話し出した。我が一族は惑星連邦とクリンゴン帝国の対立のせいで、経済的に大打撃を被ったという。戦いで多くを失った、船も土地も戦士たちもだ。戦争か、俺に言わせりゃ戦争なんて何の得にもならないというクワーク。グリルカは一門の財政は危機に瀕しているという。じゃあ財政記録を見せてくれないか、もちろん会いに来ただけがそれが目的じゃないことはわかっているが、なんとかできるかもとクワークはいう。いいだろう、そんなに見たいなら財政記録にアクセスすることを許してやろうとグリルカはいった。礼を言うクワーク。立ち上がるグリルカ。するとクワークの肩をいきなりグリルカの護衛のソポック※8がつかんだ。生きていたければ必死でやれよ、失敗したら命はないというソポック。
司令室にターボリフトで戻る、ウォーフとダックス。事故だったのにクワークは、夫を殺したのは自分だといったのと笑うダックス。なぜだと聞くウォーフ。店に客を呼ぶためよ、大繁盛したとダックスは言う。でもグリルカが現われ、クワークはクリンゴン帝国へと連れて行かれ結婚した。またなぜだと聞くウォーフ。今から話すところよ、女性だからグリルカは一門の長にはなれないでしょというダックス。だからクワークと結婚して家を渡すまいとしたが、結局グリルカが長になることが認められ、その場でクワークとは離婚した。知る限りでは2人はそれ以来会っていないとダックスは言う。ウォーフは便宜上の結婚だなという。それはグリルカには好都合だったでしょうけど、クワークにはいい迷惑よというダックス。クワークはどうでもいい、あんな下品な奴は彼女にはふさわしくないというウォーフ。ダックスはウォーフに、もしかして悪いパーマック※9にかかったんじゃないのと聞く。それは伝染するのかとシスコが聞いた。持ち場につく2人。シスコは野球ボールをダックスに投げた。パーマックとはクリンゴン語で恋という意味で、もっと過激なニュアンスだけどというダックス。ウォーフがというシスコ。驚くことじゃないでしょうというダックスに、キラの妊娠もあるしなというシスコ。
これでキラのくしゃみは少し楽になるはずだとマスクを手に取るベシア。少しというオブライエンに、ベイジョーの女性は10万年もくしゃみをし続けてきたんだぞ、それを一晩にして治せるわけないという。ベシアは極秘情報だが、ドイツが奇襲をかけてくるという噂がある、待ち伏せしてやっつけてやろう※10という。オブライエンがそのマスクを付けてみると、くしゃみをしてしまった。君には逆効果だというベシア。ホロスイートには行けない、キラが何かしでかすと困るもんでというオブライエン。まだ喧嘩してるのかというベシア。誰からそんなことをというオブライエンに、風の噂で、狭いステーションだろという。馬鹿言えだだっ広いぞというオブライエン。念の為にいっておくが喧嘩なんかしてないというオブライエンに、それならいいけどというベシア。足のむくみに効くというベイジョーの薬草を手渡す。タケオ※11っていう薬草だが飲む時はフルーツジュースに解かして飲んでというベシア。オブライエンはこの前のマカラ※12みたいにまずくないだろうなと聞く。キラに出す薬を全部味見してるのかいと聞かれ、いや、キラが不味いといっていたんだというオブライエン。忘れてたけどキラに湿疹ができた、太股の裏に、軟膏をもらえないかなという。ベシアがいつ気がついたんだいと聞くと、風呂から出すのを手伝った時だから昨日だなという。風呂から出るのを手助けと聞き直すベシア。僕の子供がお腹にいるんだから当然だろというオブライエン。ベシアは、それで見えたかいと聞く。おいよせよ、バスタオルを広げて待ってたんだから見えないというオブライエン。笑い、ケイコは何も言わないのか、君がキラを風呂から出すのを見てというベシア。何も気にしてないさ、我々は大人だからねとオブライエンは言う。大人として成熟した関係を築いているというオブライエンに、そりゃケイコとキラはそうだけど君はというベシア。僕が何だと聞くオブライエン。絶対みただろうとベシアは言った。オブライエンは何も言わずに薬を受け取り出て行った。微笑むベシア。
クワークの店。クワークとグリルカはテーブルで話し合いを終え、クワークは歩いて行った。ウォーフが、カウンターでグラスの酒を指で舐めているモーンのところに近づいた。悪いな、このことは後でちゃんと謝るというウォーフ。そして俺の席に座るなと怒鳴ると、モーンをつかみ投げ飛ばした。椅子に座ってカウンターを叩き、バーテンダー、ブラッドワインだという。何だ、この変な臭いは、腐ったゴミの山でもあるのかと振り返るウォーフ。そしてグリルカの横に座っているソポックを見て、お前が臭いのかという。人に話しかけられたら立て、それとも馬鹿にしてるのかと近寄るウォーフ。立ち上がるソポック。トゥメックがメヴヤップ※13とソポックに叫ぶ。にらみ合うウォーフとソポック。トゥメックはウォーフ、モーグの息子よというと、話があるといい歩き出した。後を追うウォーフ。
グリルカたちから少し離れたところで、トゥメックはウォーフに祖国との戦いを挑んでも時間の無駄だという。グリルカはお前とは結婚することはできない、お前の家は没落しお前も追放の身だという。礼を失するつもりはないというウォーフ。礼を失してはいない、お前は名誉を重んずる男だというトゥメック。しかしはっきり言えば、お前はグリルカとはやっていけないという。理由を聞くウォーフ。トゥメックはクリンゴンの女を手に入れたことがあるのかと聞き、いいえとウォーフは答えた。恥じることではない、お前は地球人に育てられ、価値観を受け入れ艦隊士官となったというトゥメック。クリンゴンの女はわからんだろうという。いろいろと聞いて知っていますというウォーフ。しかしトゥメックはその知識はしまっておけ、グリルカの意志だ、黙って立ち去れとたしなめる。モーグの息子よ、二度と戻ってくるでないぞというのだった。ウォーフはその場を離れた。

※5: Maporian ale

※6: pazafer

※7: Tumek (ジョセフ・ラスキン Joseph Ruskin TOS第46話 "The Gamesters of Triskelion" 「宇宙指令! 首輪じめ」のガルト (Galt)、DS9第66話 "Improbable Cause" 「姿なき連合艦隊(前編)」のカーデシア人情報屋、VOY第107話 "Gravity" 「ブラックホールと共に消えた恋」のヴァルカン・マスター (Vulcan Master)、ENT第1話 "Broken Bow, Part I" 「夢への旅立ち(前編)」のスリバン・ドクター (Suliban Doctor)、映画 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」のソーナ人士官その3 役) "The House of Quark" にも登場。声:円谷文彦

※8: ソポック Thopok (フィル・モリス Phil Morris TOS第12話 "Miri" 「400才の少女」の軍帽をかぶった男の子、VOY第128話 "One Small Step" 「電磁空間アレース4」のジョン・マーク・ケリー中尉 (Lt. John Mark Kelly)、映画スタートレック3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」の Foster 練習生 (Trainee Foster)、新スパイ大作戦 (Mission: Impossible) のグラント・コリアー (Grant Collier) 役。(初代) スパイ大作戦のバーニー・コリア (Barney Collier) を演じたグレッグ・モリス (Greg Morris) の実の息子。後のDS9にも登場)

※9: par'Mach 原題にも使われています

※10: ホロスイートプログラムのブリテンの戦い (Battle of Brittain)。DS9第83話 "Homefront" 「地球戒厳令(前)」など

※11: takeo herbs

※12: makara herb

※13: mev yap クリンゴン語で「やめろ」"Stop."。TNG第81話 "Reunion" 「勇者の名の下に」より


ディファイアントの食堂。馬鹿なことをしたとつぶやくウォーフ。恋してるからよ、恋って元々愚かなものなのというダックス。落ち込むことない、グリルカは怒ってはおらずきっと嬉しかったと思うと励ます。ウォーフは裏切り者の私が求愛するなんて身のほど知らずだったという。あなたが気にしてるのはそのこと、それともトゥメックからクリンゴンの女を全然知らないって言われたことが心に引っかかってるのと聞くダックス。クワークがやってきた。おい何の用だというウォーフに、クワークはダックスに話がある、あんたが構わなければという。唸るウォーフ。クワークはダックスの横に座り、グリルカに夕食に招かれたからこういう場合のクリンゴンの礼儀作法を教えて欲しいという。彼女の部屋で二人きりだ、後で盛り上がるぜといい、ダックスも笑う。席を立つウォーフ。ウォーフはどうしたんだというクワークに、辛い気持ちなのというダックス。クワークはそれはお気の毒にという。結婚している時は愛を語るまでは行かなかった、クリンゴンの女は男に何を期待しているのかなと聞くクワーク。決まった口説き文句でもあるのか、それともただ盛りのついたネズミみたいに飛びかかればいいのかなという。ダックスはクリンゴン人の求愛の儀式はとても複雑だと言った。一晩じゃすまないというダックスに二晩ある、俺は真剣なんだ、グリルカと俺は気が合うとクワークは言う。何でかはわからないがあきらめてたくないという。寝てみたいからというダックスに、違う、もちろんそれもあるけどというクワーク。彼女は輝いているという。そうらしいわねというダックス。もし本気なら、あまり焦ったことはしない方がいいと忠告する。露骨に口説いたり、胸の谷間を眺めたりはだめだという。どうすればいいんだというクワークに、まずは会話、彼女の一族の歴史や功績を話してもらうという。相手への敬意と受け取られるという。敬意だと、わかったほかにはないかと聞くクワーク。ウォーフはグリルカはメクロヴァック※14出身だ、あの地方では男は愛する女の食事にリンタ※15の足を持っていき、求愛するという。古いのではだめで殺したばかりのもの、そしてそれでテーブルの上のものをなぎ払い、大声でこういうというウォーフ。「これはそなたへの贈り物、今日この日からそなた一族の面倒は俺がみる、ただ願わくばそなたと共にあり、そなたの名誉となりたい。」それからというクワーク。OKなら問題ないけど、あなたが好意をもたれていない場合は護衛に叩きのめされるというダックス。上等じゃないかといい、クワークは出て行った。
オブライエンはキラの足のマッサージをしている。マッサージ上手はお父様譲りってほんと、身重の女がどうして欲しいかわかっていたのねというキラ。母をなだめるためだったそうだ、妊娠を嫌がってというオブライエン。父のマッサージだけが落ち着かせられたらしいというと、私みたいだと言うキラ。全くだ、母はベイジョー人じゃないが周りに当たり散らす時のセリフは同じだったというオブライエン。ケイコが服を持って入ってきた。私の制服と聞くキラに、ガラックにサイズ直しをしてもらったという。足が楽になるだろうといっていたといい、ブーツを見せるケイコ。キラはマッサージの痛さに声を上げるが、ケイコは全然いたそうに聞こえない、キラが本気で痛がるくらいじゃないと効かないという。じゃあ力入れるよというオブライエン。マイルズ・オブライエン、あなたサドだったのね、お父様もサドだったのと聞くキラ。母の悲鳴はアイルランド中に響き渡るほどだった、あんまりすごいんで近所の名物だったらしいとオブライエンは言う。次は肩を揉んでもらうキラ。アイルランドは恋しいと聞かれ、オブライエンは1年前だったら答えはノーだったという。でも最近なぜかしら故郷を思い出す、年取った証拠かもという。もうすぐ休暇でしょう、アイルランドに行ってきたらと勧めるキラ。そうしたら誰がマッサージするんだというオブライエンに、キラは私も連れてって、アイルランドであなたと過ごす休暇も悪くないという。オブライエンはそれもそうだなと笑ったが、手の動きを不意に止めた。無言になる2人。ケイコがまた来て、気にしないで続けてという。そうだなといい、またマッサージを続けるオブライエン。
ディファイアントのブリッジで、ウォーフがクリンゴンのオペラ※16を大音量で再生しながら一緒に歌っている。クワークが来たのに気づき、歌を止めるウォーフ。邪魔して悪い、お礼を言いに来たというクワーク。グリルカはとても喜び、やることなすこと全て思うつぼにはまった、完璧だったという。それみろ、俺だってクリンゴンの女はわかるというウォーフ。クワークはバサイの心をもっていると言われたという。詩人のことだ。じゃあ誉められたんだというクワーク。それから一族の歴史を1時間も聞かされ、戦いばかりの血みどろの話で予想通りだったという。それから持っていったリンタの足を食べた、これがまた凄まじくまずかったというクワーク。それから騒音みたいなクリンゴンの音楽を聴かされ、帰ってきたという。完璧な出来だとウォーフはいった。クワークはただ一つ、護衛の奴がずっとにらんでいたという。当然だろう、あんな素晴らしい女がこんなフェレンギ男とと思うと腹が立つというウォーフ。あんたらクリンゴン人は、そういう態度をとるから人生を楽しく過ごせないというクワーク。ウォーフはバサイの心を持っていると本当にいわれたんだなと聞く。嘘をついてどうする、あんたを見直したというクワーク。一押しでグリルカは落ちてくる、あんたの口説き方にぐっときてるらしい、頼むよ最後の一押しを教えてくれと言った。ウォーフはわかった協力してやろうといい、立ち上がった。

※14: Mekro'vak

※15: lingta

※16: Klingon opera TNG第108話 "Unification, Part II" 「潜入! ロミュラン帝国(後)」など


クワークはダックスと共に、ウォーフが見ている前でバトラフを使いクリンゴン兵と戦っている。周りには何人もの死体が転がっている。ダックスは敵をやっつけたが、クワークは頭にバトラフを振りかざされたところでプログラムが停止した。ダックスが身振りで反撃方法を教える。その通りにやり、相手を倒すクワーク。「モッヴァ アー・キー ルスタック」※17と叫ぶダックス。その後もクリンゴン語でやりとりが続くが、クワークは何とか覚えているといった感じでしかない。ウォーフはあきれてやめさせ、セリフがあってても感情がこもってないのではだめだという。クリンゴン語だけで精一杯だ、演技なんてできないというクワーク。演技だと思うからだめだ、役になりきって実際にこの場にいると思えというウォーフ。この叙事詩はクリンゴン帝国が勃興した1,000年前のことだ、カム・チー※18の城に向かって500人の戦士が殺到したが、城を守る兵は敵前逃亡し残るは皇帝カーレス※19とレディ・ルカーラ※20の2人だったという。この時史上最大のロマンスが幕を開けたとウォーフは言うが、あほらしくてやってられないというクワーク。だって辺り一面死体だらけで、靴は血でぐしょぐしょ、これでロマンチックな気分にはなれないという。何だってこんなことをしなくちゃいけないんだという。ダックスはその後のお楽しみのためでしょ、カーレスとルカーラはその後盛りのついたネズミみたいに飛びついたんだからというダックス。納得し、もう1回やるというクワーク。
第3目標塔から備品が盗まれたのは今月4度目だと怒るオドー。なぜ犯行が続くのかしら、もう3回警備プロトコルを変更してるのにと言うキラ。問題は警備体制じゃありません、我らが技術チーフ、オブライエンの責任ですよというオドー。何かしたのと聞くキラに、何もしないんですとオドーは言う。いつまで経っても第3目標塔の構造統合フィールドの整備をしないんで、出入り自由の状態になりその気になれば子供にだって潜り込めるという。マイルズは忙しい、何もかもはこなせないと言うキラ。何もこなしてませんというオドー。キラは難しい状況の中でがんばっていると思うという。オドーは最近チーフを好きになったきたんですかと聞く。昔からマイルズは好きよと言うキラ。チーフとしてはね、でもマイルズはまた別の話でしょうというオドー。今同居してる、彼の子供も身ごもってるし、見方が変わってくるとキラは言う。どういう風にと聞くオドーに、身近に感じる、私もオブライエン家の一員という感じでという。オドーは近寄り、どの一員と聞く。妹、娘、従姉妹。そんなことより犯罪報告書を検討しあいましょうと言うキラ。オドーはもちろんです、それからチーフの仕事ぶりをけなすのは控えることにしますと言った。いや違った、マイルズと言う。
クワークの店。席に座っているトゥメックの前で、ソポックがうろうろしている。あんなフェレンギ野郎と付き合うなんて許せませんというソポック。立場をわきまえろソポックと言うトゥメック。お前はグリルカの護衛だ、それ以上ではない、主人のすることにけちをつけるなと言う。グリルカがクワークと一緒に笑いながら2階から降りてきた。トゥメックに2人分のマパリアンエールを頼むグリルカ。承知するトゥメック。お前は面白い男だと言うグリルカ。そう思うよと言うクワークに、しかし戦い向きではないと言う。あんな腕ではホロスイートでなければあの世行きだというグリルカ。大事なのは気持ちだと言うクワークに、それはそうだな、お前の本心はなんだと言う。なぜ私を誘ってクリンゴン史上最高の大恋愛と言われるプログラムをしたと聞くグリルカ。なぜクリンゴン語を習い、習慣を学び、私を追いかけるのかと尋ねる。クワークは買う価値のあるものしか追いかけないという。いかにもフェレンギ人が口にしそうなセリフだなと言うグリルカ。だからこそものの価値を見極める目にだけは自信はある、俺に言わせれば君はアルファ宇宙域中のラチナムより価値があるとクワークはいった。グリルカはクワークをみつめ、わがカーレスにといいグラスを差し出した。クワークもわがルカーラにという。するといきなりソポックが叫び声を上げ、テーブルをひっくり返した。転がるクワーク。メヴヤップ、ソポックと命じるグリルカ。ソポックは無礼をお許しください、しかしフェレンギ人の家は歓迎される家を守るつもりはないという。卑怯でその上嘘つきで何の名誉もない、明日決闘だ、俺が死ぬか貴様がお前を殺すかだと言い、ソポックは歩いていった。倒れたままのクワーク。

※17: MoVas ah-kee rustak 意味は「今日は死ぬのに良き日であった」"Today was a good day to die."

※18: Qam-Chee

※19: Kahless the Unforgettable クリンゴン初代皇帝

※20: Lukara このホロスイートプログラムは、"Kahless and Lukara"


2時間も早く家に帰ってくるなんて、そんなに妻を甘やかしてもいいのというケイコ。最近暇なんだ、これから毎日5時に帰ってくるというオブライエン。ケイコはそんな嘘誰も信じないという。キスをする2人。そこへキラが帰ってきた。座ったら、顔色がすごく悪い、疲れたのというケイコ。オブライエンに首のマッサージをしてあげて、気持ちいいから元気が出るわという。手が冷たいからとソファーから立つオブライエン。キラも遠慮する。硬くなった筋肉はほぐした方がいいというケイコ。平気よ、明日ベイジョーへ行ってくる、2、3日で戻ると言うキラ。体を休めようと思って、ムシラ地方※21に別荘をもっている友達がおり都会から離れてて静かで落ち着けるという。そりゃいい、いつ発つのと聞くオブライエン。明日の朝一番にと言うキラ。ケイコは一人でベイジョーに行くなんてだめよ、陣痛が来たらどうなるのという。ジュリアンは後1月は大丈夫だといっていたと言うキラ。絶対じゃないでしょといい、ケイコは一緒に行ってあげてとオブライエンに頼む。私は植物病理学のセミナーがあるからだめだけど、仕事が暇なんでしょうという。一人で平気と言うキラ、同感だなというオブライエン。マイルズ・エドワード・オブライエン、あなたは自分の子供を身ごもってる女性を一人で旅行させるような、思いやりのない男なのというケイコ。それともまた喧嘩したのという。慌てて否定する2人。決まりね、荷物を積めるわよというケイコ。顔を見合わせるキラとオブライエン。
ディファイアント。ウォーフ、ダックス、クワークの3人が同じテーブルで話し合っている。この前クリンゴンでやったのと同じ手を使ったらどうかなというクワーク。つまり剣を投げ捨てひざまずき、殺すなら殺せと挑発する。そうすればあいつは名誉を失い、尻尾を巻いて逃げ出すというクワーク。うまくいったのはガウロンが間に入って止めてくれたからだ、今度は誰も止めないというウォーフ。ダックスも私も立ち会えないという。道は2つか、決闘をパスして恥をかきグリルカを失うか、それとも死ぬかというクワーク。そうだというウォーフに、冗談じゃない、ほかの方法がありそうなもんだという。クリンゴン人っていうのは何につけても儀式だ、こんな時のための仲直りの儀式はないのかと聞く。例えば秘密の握手とかというが、首を振るウォーフ。急にダックスは一つひらめいたと微笑んだ。
ダックスとバトラフで戦うクワーク。見事に互角に戦っている。だがその横には、クワークと全く同じ動きをするウォーフがいて、肩に機械を取り付けている。クワークはダックスの剣を弾き飛ばした。なかなかやるじゃないというダックス。どんな気持ちと聞かれ、操り人形みたいだ、しかも乱暴に操りやがって、腕がもげそうだったというクワーク。お前が体を鍛えていればそんなに痛くないはずだというウォーフ。運動は汗をかくからなというクワーク。ダックスは笑い、もう寝ることねというとクワークの頭のローブの下に隠した機械のスイッチを切った。体が疲れていれば、たとえウォーフでも救えないという。おやすみといいクワークは出て行った。何でここまでしてやらなくちゃいけないんだ、あんな奴にグリルカをというウォーフ。グリルカのどこがいいわけ、確かに魅力的な美人だけどそれでというダックス。全てが素晴らしい、態度は自信に溢れているし、周りの者をよく従え、強く誇り高く自分の感情をストレートに顔に出し、声にも力が溢れているという。あの眼は宝石の原石を見るようだ、美しいというウォーフ。銅像の説明みたい、そんな女を手に入れてどうするの、陳列棚に入れて毎週磨くとかというダックス。君にはこの気持ちはわからんというウォーフ。私ならもっと違うタイプを選ぶ、一緒にいると楽しい面白い人、それとそばにいて自分の方をふり向いてくれる人というダックス。君は私の好みじゃないとウォーフは言う。残念だわ、あたしとあなたが付き合えばきっと驚くほど楽しいと思うけどといい、ダックスは出て行った。目を細めるウォーフ。
グリルカたちが待っているホロスイートの壁が変化し、クワークが入ってきた。また部屋の壁に戻る。位置についたことを確認し、準備に入るウォーフとダックス。クワーク、ケルダーの息子よ、なぜここに来たと聞くトゥメック。答えようとするクワーク。いきなり持っていたバトラフを振り動かし、無論ソポックの挑戦に応えるためだという。わが名誉を証明し、麗しのレディのお心を得るためだというクワーク。別の部屋ではウォーフが同じ動きをし、ダックスがトリコーダーでチェックしている。ソポックの挑戦は受け入れられた、何者の邪魔も許さん、マック※22というトゥメック。グリルカと共に下がる。いよいよ決闘が始まった。互角に戦うクワークに、どこで戦い方を覚えたと聞くソポック。俺にはいろいろな才能があるのさというクワーク。再び組み合った後、離れて笑いながらバトラフを回す。だがその時、ウォーフが誤ってバトラフを機械のアンテナに当て、壊してしまった。クワークの動きも止まる。茫然とするクワーク。

※21: Musilla Province

※22: Mok 「はじめ」"Begin."


再び襲いかかろうとするソポックを、クワークは待ったといって止めた。別室のダックスはビジュアルイメージリレーが壊れているという。直せそうかと聞くウォーフに、わからないと答えるダックス。
どうしたと聞くソポック。クワークはこれから初心を表明したいという。決闘中で初心表明とは聞いたことがないというトゥメック。クワークはフェレンギの習慣だというが、知ったことかというソポック。身勝手だろ、俺だって自分の国の習慣は大切に思っているというクワーク。決闘の最中でも、思うところがあれば述べてもいいという。それが我がフェレンギの習慣だという。グリルカはクワークは我々の伝統に敬意を払ってくれた、我々とて同じだという。何をするのだとクワークに聞く。スピーチをする、君についてというクワーク。さっさとやれというソポック。
トリコーダーで調べ、なぜだか知らんがクワークは生きているというウォーフ。早く装置を直してくれといわれ、急いでるわよというダックス。
バトラフを片手で持ち上げ、ところどころ詰まりながらスピーチをするクワーク。「君がために、我が剣の刃は我が魂の澄んだ湖に、揺らぐ水草のありかを探し求め、それを刈り取ったのである。愛の湖の岩だらけの底には、豊かな実りを約する豊穣な土地がグリルカの愛の種を待ち望んでいる。これだけで、君に対する気持ちを言い表せただろうか。いいや、胸にぽっかりと口を開けた洞窟は待っている、愛を運ぶコウモリがやってくるのを。」その時一瞬クワークの首元が光り、バトラフを握り直した。これで所信表明は終わりといい、ソポックに向き直りいざ戦いに戻らんという。
今度は手加減は止めてさっさと片づけてよというダックス。手加減なんかしていないというウォーフ。
クワークはソポックの足をなぎ払い、床に倒した。殺すがいいというソポック。望みなら殺してやろうといい、バトラフを振り上げるクワーク。しかしウォーフはそれを振り下ろそうとしない。やめておこう、それよりこうしてといいソポックの剣を拾うクワーク。グリルカの前でひざまずき、捧げようあなたにといい剣を差し出した。グリルカはソポックに名誉は保たれた、返された剣を受け取り我が家から出て行くがいいと言い、バトラフをなげ返した。受け取り、礼をして出て行くソポック。トゥメックも失礼するといって出て行った。グリルカはクリンゴン語で叫び、クワークはグリルカの首につかみかかった。グリルカもつかみ返す。別室ではその時ウォーフの機械のスイッチが切られた。いきなりスイッチを切られたため、グリルカに押し倒されるクワーク。
見事だったわ、さすがねというダックス。ウォーフはあんな下衆野郎のどこがいいんだという。どこかしら、でもクワークとグリルカは波長が合っている、それを見抜いたクワークは偉いというダックス。グリルカを目の前にして見抜けないなら馬鹿だという。ダックスはウォーフに向かって、「モッヴァ アー・キー ルスタック」と言った。そしてコンピューターにバトラフを出させ、空中で受け取るダックス。ウォーフもクリンゴン語で答える。2人は剣で組み合い、ダックスの剣を弾き飛ばすウォーフ。ダックスに投げられ、横になったウォーフに馬乗りになるダックス。ウォーフはダックスの首をつかみ、自分の方に引き寄せる。
シャトルに乗り込んだキラとオブライエン。2人の間には気まずい空気が流れている。席に座り、その別荘ってどんな家なんだいと聞くオブライエン。素敵よ、200年前の家で家具はアンティークで、緑の森の真ん中にあるというキラ。暖炉3つにバルコニー2つ、それに一番近い家までは20キロ、街からは30キロという。笑うオブライエン。キラはもっとある、眺めがいい、ホラナ川※23で別荘のどの部屋の窓からも見えるという。夜になれば満天の星空、川のせせらぎが聞こえて、ベイジョーで一番ロマンチックな場所だと間違いじゃないと言うキラ。オブライエンはわかったというと、僕は行かないと言い荷物を持った。ケイコがなんといおうと行かない、1時間したら家に帰って、出発時間の連絡ミスでキラは僕を置いていったというというオブライエン。信じるかしらと言うキラ。また喧嘩したの、子供っぽいと言われるかもしれないが、2人でその家に行くのはまずいという。あなたの言う通りだわ、別荘はやめてシャカールに会いに行くと言うキラ。オブライエンは久しぶりに名案が出たねといい、抱き合う2人。気を付けてというオブライエンに、ありがとうと言うキラ。行ってみたかったというオブライエン。キラは別の人生でねといい、考えるのはやめとこうというオブライエン。2人は見つめ合った。マイルズ、早く行ってと言うキラ。そうだなといいすぐに出て行くオブライエン。
右上の頭骨は複雑骨折、肋骨は2本骨折、靭帯損傷、腱は筋違い、数えられないほどの打ち身、切り傷、擦り傷、一体何をやったらこうなるんだというベシア。何をって2人の愛の証だよなといい、ベッドに寝ているクワークは隣にいるグリルカと一緒に笑いあった。気にしないぞ、想像すると恐いから考えるのはやめておこう、ただ治療すればいいんだとつぶやくベシア。そこへウォーフとダックスが入ってきた。どうしたんだと聞くベシア。2人の髪は乱れ、怪我だらけだ。私たちはと言葉の詰まるウォーフ。ダックスがどうしても聞きたいなら言うけどというと、ベシアは言わないでいい、想像したくないからこれからはどうしたって聞くのはやめようという。治療に専念すればそれでいいんだという。どうぞ座っててくれ、あっちが終わればすぐ来るというベシア。
わかってるだろうな、クリンゴンの伝統では というウォーフ。伝統では結婚しなくちゃねというダックス。君は伝統に縛られたくないといっているしというウォーフに、ダックスはあなたも心では自由が好きなはずよという。そうかもしれんな、これからどうするんだというウォーフ。ダックスはわからないという。何か考えがあるんだろうな、君から誘ったんだからというウォーフ。これから2人どうするか決めていかないとという。ダックスはウォーフの上に座り、今は何も考えたくない、しばらくはこのままでいましょうという。ウォーフは不確かな人間関係は得意ではないものでねという。一つ確かなのは、グリルカのことは忘れたってことねとダックスは言った。2人は笑い、ウォーフの笑いはいつまでも続いた。

※23: Holana River

・感想
クワークが中心になると話がコメディになりがちなのですが、今回も例外ではなくウォーフたちまで巻き込んでしまって楽しませてくれます。ウォーフとダックスの関係がさらに深くなり、ご存知の方もいるかもしれませんがこれからの動きに注目ですね。さらにもう1つの、キラとオブライエンの関係も意外ながらも興味深いものです。


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