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特別企画
ヴォイジャー エピソードガイド
第1話「遥かなる地球へ」(前)
Caretaker, Part I

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・イントロダクション
カーデシアと境界を接する連邦コロニーでは、和平条約を不満とするものが戦闘集団「マキ」※1を結成し、戦いを続けていた。マキを英雄視する者もいるが、連邦政府、およびカーデシア政府は反乱分子とみなしている。
マキ船とカーデシア戦艦が、戦闘を行っている。被害報告を求めるマキ船のリーダー※2。顔には入れ墨をしている。シールド60%と報告するヴァルカン人トゥヴォック※3。燃料系統破損、修復するという女性、ベラナ※4。エンジンが限界に来ているというが、頭を使えというリーダー。39年前のぼろエンジンでどうすればいいのよというベラナ。カーデシア艦の指揮官、ガル・エヴェック※5から通信が入った。直ちにエンジンを切り投降するようにいう。だがリーダーはそれを切り、回避行動オメガパターンを指示した。
シールド50%。リーダーはバッドランド※6にたどり着くまでもたせろ、最後の魚雷を発射し残ったエネルギーをエンジンに回すようにいう。トゥヴォックは光子魚雷を発射した。2発とも命中する。前方のプラズマストームがある位置に向かう。
小さい機体を生かし、プラズマをかわしながら進むマキ船。だがカーデシア艦もスピードを落とさない。エヴェックめ、今日は強気だなというリーダー。だが戦艦はストームにぶつかり損傷した。カーデシアに向けて救難信号を発信しているというトゥヴォック。リーダーはプラズマストームを抜けられるか聞くが、ここは特に激しいエリアなので突っ切るのは難しいと答えるトゥヴォック。どこかで船を修理しないとというリーダー。その時船内に光が走った。今のはと聞くリーダー。トゥヴォックは突然テトリオン※7ビームに包まれたという。発信源は不明だ。さらに後方から強力な変動波※8が押し寄せてきた。リーダーはまたストームかというが、プラズマではない。このままでは30秒以内に飲み込まれてしまうというトゥヴォック。ベラナに推進エンジンの残りパワーを計算させるリーダー。変動波が接近し、スピードを上げてきた。後8秒で追いつかれる。5秒。そして船は光に包まれた。

※1: Maquis DS9第40・41話 "The Maquis, Part I and II" 「戦争回避(前)(後)」で初めて登場しました。続けて TNG第176話 "Preemptive Strike" 「惑星連邦“ゲリラ部隊”」にも

※2: (ロバート・ベルトラン Robert Beltran) 声: 石塚運昇

※3: トゥヴォク Tuvok (ティム・ラス Tim Russ TNG第144話 "Starship Mine" 「謎の潜入者」のデヴォア (Devor)、DS9第24話 "Invasive Procedures" 「突然の侵入者」のツカール (T'Kar)、映画第7作 "Star Trek: Generations" 「ジェネレーションズ」のエンタープライズ-B 戦術士官役。ゲーム "Voyager: Elite Force"、"Elite Force II" でも声の出演。TNG のラフォージとしても考えられていました) DS9第65話 "Through the Looking Glass" 「鏡の裏のシスコ」にも登場。声: 青山譲

※4: ベラーナ B'Elanna (ロクサン・ビッグス・ドーソン Roxann Biggs-Dawson) 声: 五十嵐麗

※5: ガル・エヴァック Gul Evek (リチャード・ポー Richard Poe) これまで TNG第172話 "Journey's End" 「新たなる旅路」、"Preemtive Strike"、DS9第37話 "Playing God" 「宇宙の原型」、第45話 "Tribunal" 「疑惑の法廷」に登場

※6: Badlands "The Maquis, Part I" 以来何度も登場。マキの本拠地

※7: tetryon TNG第131話 "Schisms" 「謎の第3次亜空間」など

※8: displacement wave


・本編
ニュージーランドにある、連邦囚人流刑所※9。作業をしている男に、トム・パリス※10ねと女性が話しかける。その女性はジェインウェイ※11と名乗り、アル・バターニ※12ではパリスの父の部下だった、話があって来たという。話ってと聞くパリス。ジェインウェイは私の下で働く気はないと聞いた。仕事なら毎日強制労働をやっているというパリス。ジェインウェイは囚人管理委員会にこの話をしたら、快く許可してくれたという。お話を伺いましょうといい、一緒に歩き出すパリス。
お父様にはお世話になった、アライアス派遣※13の際に科学士官を務めさせてもらったというジェインウェイ。優秀なんだ、父はできる人間しか認めませんからというパリス。ジェインウェイは任務の内容を話す。バッドランド付近で行方不明になったマキの捜索だ。気が乗らないなというパリス。プラズマストームの中でまともに飛べる船なんてないでしょうという。ヴォイジャー※14を知らないのね、ぜひ協力して欲しいというジェインウェイ。昔僕がマキにいたからですか、でも入ってすぐに逮捕されたのでアジトの場所はほとんど知らないというパリス。それでも私たちよりは詳しいというジェインウェイ。どうしてそこまでして探すんですかというパリスに、ジェインウェイは部下がその船にスパイとして潜入していることを話す。6日間、定期報告が途絶えているのだ。船じゃなくてその人が消えただけかもとパリスは言う。
その船にはもう一人元連邦の士官が乗っているというジェインウェイ。名前はチャコティ※15、あなたも知っているでしょうという。ええまあというパリス。犬猿の仲と聞いているけどというジェインウェイに、チャコティが僕を嫌っているんですというパリス。チャコティがマキに入ったのは故郷を守るためだが、パリスは艦隊を首になったからで、金次第でどこにでもつく傭兵だと思っているという。でも本当のことだというパリス。たとえ昔の仲間を逮捕するのが任務でも抵抗はない、ただし見返りにもよりますという。ジェインウェイは協力してくれたら早期釈放になるよう取り計らうという。オブザーバーという立場で同行してもらうというジェインウェイに、こんな優秀なパイロットをつかまえてと怒るパリス。あくまでオブザーバーで、この任務が終わったらそれっきりというジェインウェイ。そんなとこでしょうねとパリスはいった。
シャトルで、ディープスペースナインに停泊しているヴォイジャーに向かうパリス。スタディ大尉※16がヴォイジャーの説明をする。イントレピッド級※17、最高巡航速度はワープ9.975※18だという。デッキ数15、乗員141名、バイオ神経回路※19採用と続ける。バイオ神経回路と尋ねるパリス。一部従来の回路の代わりに、ジェルパックに入ったバイオ神経回路を採用しており、反応速度もアップしているというスタディ。ヴォイジャーに近づくシャトル。身を乗り出して見つめるパリス。
これはこれは、お客さん新人だねと話しかけるクワーク※20。前途有望な若者っていうのはいい、ご両親も鼻が高いだろうねという。今日の記念に一つというクワークに、その少尉は興味ないという。何か売ろうとしてるんでしょという少尉。何か記念にご両親に贈り物をしたらと思ってというクワーク。おすすめがあるんでしょといわれ、この辺でしか取れないめずらしい宝石や工芸品があるという。ロビークリスタル※21というのを取り出し、この間珍しい異星人から買い付けた、モーン※22って奴というクワーク。アカデミーでフェレンギには注意しろって習ったという少尉。フェレンギを侮辱してるのか、俺は親切で言ってるんだぞと怒り出すクワーク。年の功で親が記念品を見ればどんなに喜ぶか知っている、だからわざわざ助言してやったのにという。その様子をパリスも見ている。押し売り呼ばわりしやがって、文句を言わないと気が済まないといい少尉の名前を聞くクワーク。ハリー・キム※23と答える。クワークはアカデミーでフェレンギに気を付けろと教えた教官の名前はと聞く。キムは慌てて、一つもらうよという。だがクワークは売り物じゃないといい、誰に教わったと聞く。連邦評議会に訴えて、徹底的に追及してやらないといかんという。キムは全部買ったらいくらという。パッドを見せ、支払いはキャッシュかというクワーク。パリスがやってきてそのクリスタルを手に取り、見事な石だ、コラダンダイヤモンド※24にも劣らないという。当然だというクワーク。ここら辺じゃ手に入らないだろう、ヴォルナーコロニー※25にある宝石店で、1ダースを1カーデシアレク※26で売ってた、ここじゃいくらだというパリス。クワークは値段は今相談してるんだという。だがキムはパリスと一緒に歩いて行った。ありがとうというキムに、フェレンギに注意しろって習わなかったかというパリス。
ヴァルカン人の部下に念のためレベル3の検査をしてくれと、指示を与えているドクター※27。そこへパリスとキムが入ってくる。パリスが出頭しましたというと、君が例のオブザーバーかというドクター。何か問題でもというパリスに、君のことは知っている、事件のあった頃私もあの星の病院に勤めていたというドクター。健康データは前の所属地から送られてきている、特に問題はないといい艦長がお待ちだという。キムもご挨拶がまだですという。じゃあ行ってきたまえ、新人はまず挨拶が肝心だというドクター。
通路を歩きながら、事件って何と聞くキム。話せば長いし、話すのも飽きたというパリス。
ジェインウェイは亜空間通信で話している。医者に行ってきた、思った通り子犬が再来月生まれるという相手の男性。ジェインウェイはそのマーク※28に、預かってくれないくれないと頼む。先月じゅうたんを変えたばかりだぞというマーク。ペットショップに預けっぱなしじゃかわいそうといジェインウェイに、君が好きなら犬が好きになれって、しょうがないなという。愛してるというジェインウェイ。出発は報告書を確認したらすぐだという。邪魔して悪かったねというマークに、邪魔なんかじゃない、それにあなたなら邪魔しても構わないというジェインウェイ。2週間で戻る、私の家に帰って犬のベッドを持っていってくれると頼む。もう取りに行ったよ、1時間前にねというマーク。ジェインウェイはキスを送り、通信を終えた。
パリスとキムが入ってくる。ようこそというジェインウェイ。イエッサーと気を付けをするキムに、ジェインウェイは固くならないで楽にして、それにサーと呼ばれるのは好きじゃないという。イエスマムというと、緊急の時ならそれでもいいけど艦長と呼んでというジェインウェイ。もうすぐ出航よといい、ブリッジを案内する。
不都合はないと聞かれ、いいえ全然と答えるパリス。ジェインウェイは副長のキャヴィット少佐※29を紹介した。がんばってくれとキムと握手をする。パリスが手を差し出すと、しぶしぶという感じで握手をするキャヴィット。ジェインウェイはキムを持ち場のオペレーションに案内した。早速お願いするわというジェインウェイ。イエスマムというキムに、今は緊急じゃないでしょう、その時は知らせるというジェインウェイ。
スタディに発進許可を求めさせるキャヴィット。コースセット、発進許可OK。スラスターエンジン、発進準備完了。ジェインウェイは艦長席に座り、発進を命じた。ライトが点き、ヴォイジャーはゆっくりとDS9を離れた。

※9: Federation Penal Settlement 訳は出てきません

※10: Thomas Paris (ロバート・ダンカン・マクニール Robert Duncan McNeill TNG第119話 "The First Duty" 「悲しみのアカデミー卒業式」のニコラス・ロカルノ一等訓練生役) 声: 森川智之

※11: Janeway (ケイト・マルグルー Kate Mulgrew) アメリカのフェミニスト作家、Elizabeth Janeway にちなんで名づけられました。声: 松岡洋子

※12: U.S.S. Al-Batani NCC-42995、エクセルシオール級

※13: Arias Expedition

※14: U.S.S. Voyager NCC-74656

※15: チャコテイ、チィコティ Chakotay

※16: Lieutenant Stadi (アリシア・コッポラ Alicia Coppola)

※17: Intrepid-class starship U.S.S.イントレピッドはコンスティテューション級 (NCC-1631、TOS第15話 "Court Martial" 「宇宙軍法会議」)、エクセルシオール級 (NCC-38907、TNG第65話 "Sins of the Father" 「クリンゴン戦士として」) もあります

※18: 光速の 5,800倍ほどに相当するようです

※19: bio-neural circuitry

※20: Quark (アーミン・シマーマン Armin Shimerman TNG第5話 "The Last Outpost" 「謎の宇宙生命体」のレタック (Letek)、TNG第11話 "Haven" 「夢の人」のベタゾイドギフトボックス (Betazoid gift box)、TNG第47話 "Peak Performance" 「限りなき戦い」のブラクター (Bractor) 役) DS9でおなじみのフェレンギ人。また TNG第173話 "Firstborn" 「クリンゴン戦士への道」にも登場

※21: Lobi crystal

※22: Morn (マーク・アラン・シェパード Mark Allen Shepherd) クワークの店の常連、一瞬映ります

※23: Harry Kim (ギャレット・ウォン Garrett Wang) 声: 真殿光昭

※24: Koladan diamond

※25: Volnar Colony

※26: lek カーデシアの貨幣単位

※27: (ジェフ・マッカーシー Jeff McCarthy TNG第59話 "The Hunted" のロガ・デイナー役)

※28: Mark (Stan Ivar)

※29: Lieutenant Commander Cavit (スコット・ジャック Scott Jaeck TNG第125話 "The Inner Light" 「超時空惑星カターン」の行政官役)


大食堂※30に入り、レプリケーターにトマトスープ※31を注文するパリス。コンピューターは14種類あるといい、ライス入り、野菜入り、ボリアン※32スタイル、パスタ入りと続く。中にはキムのところにキャヴィットとドクターがいて、こちらを見ながら何か話している。普通のとパリスがいうと、ホットですかコールドですかと聞くコンピューター。ホットの、普通のトマトスープというパリス。出されたスープを持って席につこうとすると、キャヴィットとドクターは席を離れていった。親切な人が教えてくれただろうといってキムの前に座るパリス。本当なのと聞くキムに、あの事故の責任は僕の操縦ミスだ、認めるには時間がかかったけどというパリス。トマトスープを口に含むなり、まずそうな顔をして横へ置く。普通のトマトスープもまともに作れないのかというパリス。キムは嘘の報告をしたってほんとと聞く。したさ、事故を隠すためにというパリス。じゃあどうして後で自分から真実を告白したのと聞くキム。本当は口をつぐんで責任逃れをしようとしたがだめだった、僕のせいで死んだ3人のクルーが亡霊になって夜な夜な現われ責めた、だから懺悔したというパリス。だが悪いことは続き、宇宙艦隊を首になった後戦う場所を求めてマキに参加したが、最初の任務で捕まってしまったという。いろいろ大変だったろうね、親が提督※33だとというキム。大変なのは僕より親父の方だといい席を立つパリス。キムに僕には近づかない方がいいって忠告されたんだろう、一緒にいるとつきが逃げていくぞという。キムは友達ぐらい自分で選べるよといった。そこへジェインウェイから通信が入り、バッドランドへ着いたという。キムも向かう。
プラズマストームのレベルは3から4だという。マキが行方不明になった場所がわかり、当時のプラズマストームの状態も入手したというジェインウェイ。船のおおよそのルートを割り出す。多分テリコフベルト※34にあるMクラスの惑星を目指したんだと思うというパリス。マライヤ星系※35の先だ。プラズマストームをよけるルートを割り出し、同じコースを取るように命じるジェインウェイ。プラズマストームに巻き込まれて崩壊したとカーデシアはいっているが、残骸が全くないという。プラズマストームなら残骸なんて残りませんというパリスに、ワープコアの残留波ぐらいなら残っているはずというジェインウェイ。その時キムがテトリオンビームでこちらの船がスキャンされているという。発信源はわからず、強力な変動波が押し寄せてきている。スクリーンにはこちらに向かってくる不気味な波が映し出される。分析によると、一種の電子変動波だと思われるというキム。キャヴィットは重力子フィールドを使えば衝撃を抑えられるでしょうといい、取りかかる。非常警報を発令し、コースを変えさせるジェインウェイ。スタディが従う。
重力子フィールドを発生させたが、効果はない。後12秒で波に飲まれてしまう。ジェインウェイはワープに入れるか聞くが、プラズマフィールドを抜けるまで無理ですというスタディ。後5秒。衝撃に備えるようにいうジェインウェイ。3秒。船内は光に包まれた。波に飲まれるヴォイジャー。
ブリッジは破損し、あちこちから煙が噴き出ている。起き上がるパリスとジェインウェイ。キャヴィットは既に死んでいた。被害報告を求めるジェインウェイ。キムは第14デッキに船体亀裂、機関部への通信ラインがダウンしているという。修理班に亀裂を密閉するように伝えるジェインウェイ。負傷者数確認中、医療室の応答がない。スタディも死んでしまった。キムは何かいますという。もっとましな言い方はないのというジェインウェイに、すみません、でも数値が普通じゃないんですというキム。スクリーンに映像が映し出される。それは巨大な宇宙ステーションだった。先端からエネルギーをどこかに送っている。キムはセンサーの故障でなければ、ここは先ほどの位置から7万光年も離れている場所だという。この銀河の果てですといった。

※30: mess hall 訳は出てきません

※31: tomato soup

※32: ボリアンは青い肌をし顔が半分に分かれたような種族。食堂の中にもいます

※33: パリス提督 Admiral Paris

※34: Terikof Belt

※35: Moriya system


マキの船に生命反応はなく、前に見えるアレイ型ステーション※36の中はスキャンできないというキム。ステーションから出ているパルスは何と聞くジェインウェイ。放射性エネルギーで、近くにあるGタイプの星系に向けて発射されているというキム。通信するようにいうジェインウェイ。機関部から通信が入り、被害は甚大だという。チーフは死亡、ワープコア爆発の恐れもあるという。機関部のシステムをガードするようにいうが応答はない。キムに医療室に行って様子を見てくるようにいうジェインウェイ。ロリンズ※37にブリッジを頼み、機関部へ向かう。パリスは医療室へ行くキムに同行する。
医療室では火が燃えていた。ドクターは死亡しており、マシンの爆発をもろに浴びたらしいというパリス。キムは消火器で火を消す。
髪を整えながら機関部へ急ぐジェインウェイ。中に入ると、コンピューターがワープコアに亀裂があるため爆発の危険があると警告する。ジェインウェイが聞くと、ワープコアの圧力は2100キロパスカルだという。マグネットポンプを停止するようにいうジェインウェイ。機関士※38はそうするとダイリチウム反応を再開できなくなるというが、ジェインウェイはそれしか手はない、圧力を元に戻さなければならないという。
キムは緊急用医療ホログラム※39を起動させた。ホログラムのドクターが姿を現す。緊急事態の内容を説明しろという。爆発による被害、ドクターは死にましたというキム。そのドクターは手を出し、トリアノリン※404ccという。看護士も死にましたというパリス。ため息をつき、欠けた医療部員の補充はいつごろ来るか聞くドクター。この状況ではすぐには期待できませんというキム。ドクターはトリコーダーという。持っていたトリコーダーを渡すキム。ドクターは医療用トリコーダーだという。取りに行くキム。トリコーダーを受け取り、早く医療部員の補充を申請したまえ、私はあくまでも緊急時の短期対応用のプログラムだという。ドクター一人がたよりですよというパリスに、心配には及ばん、私はあらゆる病気や怪我に対処できるというドクター。その患者は大丈夫だ、外に出せという。パリスと顔を見合わせるキム。
準備が整い、マグネットポンプを作動させる。圧力は元に戻り、2500キロパスカルを維持している。ブリッジからジェインウェイに、ステーションからスキャンされていると伝えてきた。スキャンの種類はというが応答がない。機関部の人間が消えていく。ジェインウェイは緊急ロックオフを開始させようとするが、同じように消えてしまった。
ベッドにいる患者に怪我はたいしたことない、持ち場へ戻っていいというドクター。起き上がろうとすると、目の前から消えた。医療室にいたほかの人間も全て音と共に消えてしまう。ドクターはこちら緊急医療ホログラムドクター、患者を転送しろと指示した覚えはないぞと通信を入れるが、ブリッジからも応答はない。私のプログラムを消し忘れたのか、応答せよというドクター。
ヴォイジャーのクルーたちは地球のアメリカ農村らしき場所にいた。家からおばさん※41が出てきて、いらっしゃい、冷えたレモネードがあるという。トリコーダーで周りを調べたジェインウェイは、見た目にだまされないで、100キロ先に転送されたという。ここはあのステーションの中だ。実体はありません、全てホログラム映像の投影のようですというキム。おばさんは遠いところ疲れたでしょう、中に入って休んでと誘う。結構です、私はキャスリン・ジェインウェイ※42、連邦宇宙艦ヴォイジャーの艦長ですという。遠慮しなくていいのよ、村のみんなもすぐ来るしというおばさん。人々がやってきた。バンジョーを持った老人※43がようこそという。お客様は大歓迎という娘※44。歓迎パーティを始めましょうというおばさん。老人はバンジョーを弾き始め、それに合わせて踊る農民たち。

※36: Array

※37: 先ほど少し映っていた、ロリンズ少尉 (Ensign Rollins) (スコット・マクドナルド Scott MacDonald TNG第140話 "Face of the Enemy" 「ロミュラン帝国亡命作戦」のネヴェック副司令官 (Sub-Commander N'vek)、DS9第6話 "Captive Pursuit" 「ワーム・ホールから来たエイリアン」のトスク (Tosk)、第76話 "Hippocratic Oath" 「苦悩するジェム・ハダー」のゴランアガール (Goran'Agar)、ENT第53話 "The Xindi" 「トレリウムD」などの爬虫ズィンディ (Xindi-Reptilian) 役)

※38: 名前は Joseph Carey (ジョッシュ・クラーク Josh Clark TNG第8話 "Justice" 「神からの警告」の操舵手役)

※39: Emergency Medical Hologram、略して EMH (ロバート・ピカルド Robert Picardo) エンタープライズEにも導入されており、映画ファースト・コンタクトに登場しました。声: 中博史

※40: trianoline

※41: (Angela Paton)

※42: Kathryn Janeway

※43: Banjo man (Basil Langton)

※44: (Keely Sims)


ジェインウェイたちは踊るのを見つめている。パリスはトリコーダーで調べた結果、クルーは農場内に散らばっているが全員いることがわかった。辺りをスキャンしてどこかにホログラム発生装置がないか探すようにいうジェインウェイ。おばさんは茹でたトウモロコシをもってきた。
調査を続けるパリスとキム。犬がその横を駆け抜ける。娘が案内しましょうかと近寄ってきた。あれが地下貯蔵庫、中はジャガイモとかつまらないものだという。パリスは娘と抱き合っている。ホログラム相手に何やってるんだというキムに、無下にもできないというパリス。キムは生命反応を探知した。近くの納屋の中だ。娘は古い干し草があるだけよ、アヒルの池を見に行かないと誘う。入り口に立ち、中には何もないという娘。パリスとキムは押しのけて中に入った。一つだけ生命反応を探知するキム。マトリックス処理装置もあり、多分それがホログラム装置だという。さらに壁の奥にヒューマノイドの生命反応を探知した。ヴァルカン人一人と地球人数名だ。まだここには触らないでという娘。いつのまにか犬がいて、こちらに向かって吠えている。パリスはジェインウェイを呼ぼうとするが、娘に殴り飛ばされた。
パリスからの呼び出しに応答するが、反応がない。ジェインウェイは部下と共に向かった。
納屋の中に次々とクワを構えた農民たちが現れた。ジェインウェイたちもやってくる。仕方ないわ、せっかくもてなしてあげたのに気に入らないようだから次の段階に進みましょうかというおばさん。すると納屋の壁のホログラムが消え、人工的な設備が姿を現した。ゆっくりと中に入るクルーたち。そこにはチャコティやベラナ、トゥヴォックたちが眠らされていた。ふいに農民たちもクルーも消えた。
ジェインウェイは同じように寝かされている。腹部に針が突き刺さる。ジェインウェイは痛みの声を上げ、気を失った。
クルーたちはヴォイジャーの中で目を覚ました。ジェインウェイはブリッジに誰かいると通信を送る。ロリンズが答え、さらわれていたのは3日間だった。マキの船が発進しようとしているというロリンズに、引き止めるようにいうジェインウェイ。上級士官はブリッジに集合するように命じる。
パリスも医療室に戻ってきた。何が起きたのか説明してくれというドクター。パリスはキムの居場所をコンピューターに聞くが、艦内にはいないという。ジェインウェイにキムがまだステーションの中にいるらしいと伝えるパリス。
ジェインウェイは行方不明のクルーの人数を尋ねる。キムだけだ。続けてマキの船に呼びかけるジェインウェイ。スクリーンに映し出される。チャコティ司令官、私はキャスリン・ジェインウェイ大佐ですという。なぜ私の名をというチャコティ。あなたがたを探しててここに飛ばされた、クルーが行方不明でもしやそちらの船にというジェインウェイ。チャコティはこちらも一人いない、エンジニアのベラナ・トレス※45という。お互い問題は同じね、ここは協力して解決に当たるべきだというジェインウェイ。チャコティはヴォイジャーに行くことを了承した。マキの船はエンジンを止める。パリスがブリッジに入ってきた。チャコティたちがブリッジに転送される。武器を構えているチャコティたちを見て、ロリンズもフェイザーを向ける。だが武器を下ろすようにいうジェインウェイ。チャコティに争う気はないわ、お帰りなさいトゥヴォックといった。連邦の秘密任務であなたの船に潜入していましたというトゥヴォック。ヴォイジャーの保安部長だったのだ。俺たちを連邦に渡すためだったのかというチャコティ。私の任務はマキに関する情報を収集し、その後あなたがたを連邦に引き渡すことだったという。お前もグルかとパリスにいうチャコティ。パリスは久しぶりだなという。ヴァルカン人の裏切りには腹を立てても仕方がないが、お前がどうして仲間を売るというチャコティ。取り引きしたのか、金が目当てかという。ジェインウェイはパリスは私の部下よ、暴言は慎んでという。あなたも自分のクルーを侮辱されれば腹が立つでしょうという。チャコティはひとまず引き下がった。ジェインウェイは言い争っている場合じゃない、行方不明のクルーの捜索に全力を注ぐべきだという。トゥヴォックはスキャンした範囲では、あのステーションに存在する生命体は1体のみだという。その生物が船をスキャンしたのは、我々にとって理想的な環境を提供しようとしたからでしょうという。リラックスさせておいて、その間にバイオ分析にかけたというトゥヴォック。検査が目的だとというパリスに、論理的に考えればそうなります、無傷で送り返されたのですからというトゥヴォック。パリスは帰ってない奴もいるという。ジェインウェイはフェイザーライフル※46を準備して第2転送室に集合するようにいう。再びステーションに戻るのだ。その間ステーションを分析しておくようにトゥヴォックに命じるジェインウェイ。元の位置に帰る手段を探るようにいう。行くわよとチャコティにいい、うなずくチャコティ。ジェインウェイはいつでも転送できるようロックオンしておくようにロリンズに命じる。パリスはジェインウェイを呼び止め、自分も行くという。チャコティにいわれたことを気にしているのならというジェインウェイに、違います、キムの身が心配なだけですとパリスはいった。ジェインウェイはいいわという。ターボリフトに乗り込む。

※45: B'Elanna Torres

※46: phaser rifle タイプ3フェイザー (phaser type-3) のこと


キムは目を覚ました。異星人の女性※47がいて、意識を取り戻しましたという。だが口は開いていない。横にいる男性※48が気分はどうかねと聞く。起き上がろうとするキムにまだ病気なんだから起きてはだめという女性。病気なわけはないというキムだが、腕や首にはさっきまでなかった奇妙な傷ができていた。横に寝ていたトレスが起き上がり、離してという。一瞬キムを見て、扉に駆け寄りたたき出す。それを見て女性はスイッチを押す。トレスは取り押さえようとした男性を殴り倒したが、扉から入ってきた2人に腕をつかまれる。起き上がった男性から首に注射を打たれ、おとなしくなるベラナ。再びベッドに戻された。
再び農村に戻ってきたジェインウェイたち。バンジョーを持った老人だけが椅子に座っている。どうして戻ってきたんだ、もうお前たちに用はないという老人。知ったことじゃない、仲間を帰して元の場所に戻してというジェインウェイ。老人は進化の遅れた生物のくせに口だけは一人前だなという。あいにくだけど仲間をさらわれておとなしくしているような種族じゃないというジェインウェイ。チャコティが2人はどこにと聞くと、老人はもうここにはいないという。長いこと探してやっと見つけたんだ、2人は置いていけという。2人は部下で、上官として見捨てることはできないというジェインウェイ。あなたにはわからないかもしれないけどという。よくわかるが仕方がなかった、もう手段を選んでいられるほど時間がないのだという老人。償いきれない過ちを犯してしまった、償おうと努力しつづけたがという。ジェインウェイは横に座り、わけを話してくれたら力になれるかもしれないという。わしの科学力をもっても成功しなかったのに、君たちに何ができるという老人。ジェインウェイは7万光年先までさらったんだから、責任をもって帰してもらうという。送り返すには複雑な計算がいるんだ、そんな時間はないあきらめろといい、老人は手をかざした。
次の瞬間、ジェインウェイたちはヴォイジャーのブリッジに戻っていた。スクリーンのステーションを見つめるジェインウェイ。
トレスが起き上がり、落ち着かせるキム。あなたは誰と聞くトレスに、ハリー・キム、連邦宇宙艦ヴォイジャーのクルーだという。ステーションからさらわれてきたんだが、ここがどこだかというキム。トレスはどうして宇宙艦隊がここにいるのという。君たちを追ってきたからだ、バッドランドに向かっていたらストームにあってというキム。私たちを逮捕しようとして来たのというトレス。無駄な抵抗はよせ、どこかにフェイザーガンがと探し出すキム。トレスはこんな状況でよく言えるわね、艦隊の坊やといい、扉に近づく。キムは無駄だよというが、扉を叩き出すトレス。キムは止めさせる。あいつら私の体に何を植え付けたのと叫ぶトレス。キムは暴れるとまた薬で眠らされるぞという。トレスはやっとで落ち着き、感情を抑えられないのという。半分クリンゴンの血が流れている※49というトレス。キムに名前を聞かれ、ベラナ・トレスと答える。そこへ先ほどの男性が入ってきた。気分は良くなったか、君たちも驚いただろうという男性。着替えを持ってきたという。なぜ捕らえたのというトレスに、捕虜ではなくむしろ大切なお客様だという男性。管理者※50が送ってきたお客だ、暴れたりしなければ自由に動き回って構わないという。僕らの体はどうなっているんだと手を見せるキム。男性は私にもわからんといった。外へ出て一緒に食事をしないかと誘う。
フードディスペンサーはこの先だという男性。キムは地下にいることに気づいた。我々オカンパ人※51は地底生活をしている、500世代以上も前からという男性。その以前、温暖化が始まる前は地上に住んでいた。地上が砂漠と化したが、管理者が守ってくれたという。古文書によれば管理者が大地に穴を空け、祖先を地下へ導いたという男性。生きる糧も全て与えてくれたという。いつのまにか大勢のオカンパ人が集まってきていた。管理者のお客だと聞いて集まってきたのだ。管理者を見たことはないのでねという男性。
ディスペンサーの前には大勢の人が並んでいる。皿に入った料理を受け取るトレスとキム。食べ物も管理者が送ってきてくれ、温暖化の後地下都市を作り上げたという。定期的に栄養源を送ってきてくれている、刺激的な味はしないので若者など不満に思うものもいるが栄養は十分に取れるという男性。
キムは近くにある巨大なスクリーンを見て、これで管理者と交信するのと聞く。男性は管理者とは直接交信することはない、我々は管理者の意志を汲みとって動くという。じゃあ僕たちを送ってきたのはどういう意図だと解釈したわけと聞くキム。男性は安全のために仲間から引き離したのだろうという。その病気が広まるのを防ごうとなさったのだという。管理者と会うまでは病気じゃなかったというトレス。管理者は今まで何度か病気になったものを送ってこられ、看護を任されたという。ほかにも同じ病気がいるのと聞くトレスに、そうだという男性。これは難病で、治療法もわかっていない、今まで助かった患者はいないといった。
宇宙暦48315.6。アレイ型ステーションから発射されているパルスは、付近の第5惑星に向けられている。キムとトレスは何らかの方法で、この第5惑星に転送されたに違いない。艦長室にトゥヴォックが入ってくる。例のパルスに変化が見られます、加速していますというトゥヴォック。パルスの間隔が当初より0.47秒短くなっているのだ。理由は推測できませんというトゥヴォックに、説明できない謎はそれだけじゃないといいコンピューターのパネルを見せるジェインウェイ。第5惑星には海も川も全くない砂漠で、生物が生存できるMクラスではあるが雨の核となる粒子※52が存在しないという。Mクラスの惑星を何千も調べたが、こんな大気は初めてだというジェインウェイ。何かの大きな事故か異常気象に見舞われたとしか思えない。船の修理が出来次第、第5惑星へ向かいましょうというジェインウェイ。トゥヴォックは睡眠を取られた方がと勧める。ジェインウェイは出発前にキムの母親から通信があったことを話す。一人息子だ。息子がクラリネットを忘れたから、今から送って間に合うかということだった。キムがジュリアード学生オーケストラ※53にいたことを知ってたと聞くジェインウェイ。トゥヴォックはキムとはあまり会う機会がなかったという。私もまだクルー一人一人のことはほとんど知らないというジェインウェイ。これからじっくり知り合っていこうとしていたのに、大切なクルーよ、必ず連れて帰るわという。艦長が疲れた状態で指揮を執っていたのでは、クルーのためになりませんというトゥヴォック。的確な忠告ね、あなたが戻ってくれて良かったというジェインウェイ。トゥヴォックはジェインウェイが探しに戻ってきてくれたからだという。ジェインウェイはトゥヴォックの家族に会って来たことを話す。元気にしていましたかというトゥヴォックに、とても心配していたという。それは正しい認識ではありません、ヴァルカン人は心配はしませんというトゥヴォック。あなたに会いたがってたというジェインウェイ。トゥヴォックは私も同じですといった。ジェインウェイはトゥヴォックに近づき、必ず会わせてあげる、約束するというのだった。

※47: (Jennifer Parsons)

※48: (ブルース・フレンチ Bruce French TNG第95話 "The Drumhead" 「疑惑」のサビン・ジェネストラ (Sabin Genestra)、ENT第7話 "The Andorian Incident" 「汚された聖地」のヴァルカン人長老 (Vulcan Elder)、映画第9作 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」のソーナ人士官その1 (Son'a officer #1) 役)

※49: そのためおでこにクリンゴン特有のしわが少しあります

※50: Caretaker TOS第17話 "Shore Leave" 「おかしなおかしな遊園惑星」の Caretaker (世話役) とは別

※51: Ocampa

※52: nucleogenic particles

※53: Julliard Youth Symphony 「学生時代オーケストラにいた」としか訳されていません



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