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特別企画
ヴォイジャー エピソードガイド
第2話「遥かなる地球へ」(後)
Caretaker, Part II

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・イントロダクション
ジェインウェイたちは船の残骸が浮遊するエリアで、1隻の小型船を発見した。それにはヒューマノイド型生命体が乗っており、ジェインウェイはチャンネルを開いた。相手の異星人は通信装置をガラクタをかき分けながら出し、誰だか知らないがこのゴミ置き場は俺が先に見つけたんだという。拾いに来たのではないわ、あなたはと聞くジェインウェイ。男はニーリックス※1と答え、商売敵じゃないなら話は別だ、おたくの名前も知りたいという。キャスリン・ジェインウェイ、連邦宇宙艦ヴォイジャーの艦長だと答える。お見それしました、どういう肩書きかは知らないけど偉そうだなというニーリックス。ジェインウェイがこの宇宙域についてくわしそうねというと、俺ほど詳しい奴はいないんじゃないかと自慢するニーリックス。トゥヴォックと顔を見合わせるパリス。あのアレイ型ステーションは何、第5惑星にパルスを送ってるようだけどというジェインウェイ。近づかない方がいいということだけは知っている、ひょっとして遠い宇宙の果てから連れてこられたのかいというニーリックス。私たちのほかにもそういう船がいたのとジェインウェイが聞くと、何千といたよ、いや何百かな、50隻くらいだったかもとニーリックスはいう。あちこちから管理者が集めているんだ、オカンパの世話をしてる奴だという。第5惑星に住んでいる種族だが、おたくのクルーがさらわれなかったかいと聞くニーリックス。さらわれたというジェインウェイに、毎度のことさというニーリックス。どこにいるかはオカンパ人のところのはずだがという。オカンパ人を探すのに手を貸してくれないかしらというジェインウェイ。ニーリックスは手伝ってやりたいがそんな暇はない、これだけのゴミを調べて回らないといけないという。馬鹿にしてはいけない、時々すごい掘り出し物が出ると笑う。もちろん手間を取らせただけのお礼はするというジェインウェイ。ニーリックスは礼といっても、でももしも、というなら欲しいものがあるといい、水だよといった。クルーを探すのを手伝ってくれたら、欲しいだけ水をあげるというジェインウェイ。そういうことなら任しときなというニーリックス。転送で収容するとジェインウェイはいい、トゥヴォックに第2転送室に迎えに行かせる。だがニーリックスは転送を知らない。瞬時に船の中へ移動させるテクノロジーで、体に害はないと説明するジェインウェイ。いいよといい、ニーリックスは両手を挙げた。
転送を命じるトゥヴォック。手を挙げたままニーリックスが転送されてくる。こりゃ驚いた、連邦っていうのは科学が進んだ星なんだなというニーリックス。連邦はいくつもの星から成り立っている、私はヴァルカン人だというトゥヴォック。俺はニーリックス、仲良くしようなといい抱き付く。それにしても面白いものがいっぱいだなと見回し、一体何に使うものだというニーリックス。それぞれが固有の機能を持った最新のシステムで、説明すると何時間もかかるというトゥヴォック。まずは客室へご案内しよう、シャワーを浴びられた方がいいといった。自動的に開くドアに驚くニーリックス。

※1: ニーリクス Neelix (イーサン・フィリップス Ethan Phillips TNG第72話 "Menage a Troi" 「愛なき関係」のファレク博士 (Dr. Farek、フェレンギ人)、ENT第19話 "Acquisition" 「獲物たちの罠」のユリス (Ulis)、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」の支配人 (Maitre d') 役) 声: 長島雄一

・本編
ヴォイジャーとマキの船は、第5惑星の軌道に到着した。ニーリックスの部屋に入るトゥヴォック。鼻歌が聞こえてくる。テーブルの上には、何段もコップに入った水が積み重なっている。たくさんの料理を食べた跡もあった。トゥヴォックは風呂の入り口で失礼といった。ヴァルカン君、入って入ってというニーリックス。いろいろよくしてもらって本当にありがとう、恥ずかしながらフードレプリケーターというのは初めて見たという。そうでしたかというトゥヴォック。こんな風に水に浸かるのも初めてだ、何て気持ちいいんだという。俺たちは砂で洗うのが精一杯といい、水を飲み吐き出すニーリックス。お楽しみのところすみませんが第5惑星に着いたので、あなたの手を借りたいというトゥヴォック。ニーリックスはタオルを取ってくれるという。言う通りにするトゥヴォック。ニーリックスは南の大陸をスキャンして、でっかい火山帯を探しなという。その山すそを北にたどっていくと干上がった川があって、そこに小さな村があるという。さらわれたクルーが村にいる可能性は薄いが、水と引き換えに情報を聞き出してやるというニーリックス。ところでレプリケーターは服も作れるの、そのユニフォームも作ってくれないと頼むニーリックス。トゥヴォックはこれは艦隊の制服なのでといった。ああそうというニーリックス。
ジェインウェイ、トゥヴォック、チャコティ、パリス、ニーリックスの5人が地表に転送された。近くに廃虚のような建物があり、ヒューマノイドもいる。こんな星に住んでる奴の気が知れないというパリス。コーマライン※2の埋蔵量は大したものでねというニーリックス。チャコティがオカンパの資源かと聞くと、オカンパじゃない、ケイゾン・オーグラ※3だという。何者なのと聞くジェインウェイ。村に住んでいるこの辺一帯を支配していて、食料や水は物々交換で手に入れるという。勢力争いの好きな奴等だというニーリックス。オカンパ人を探すんじゃなかったのというジェインウェイ。ニーリックスは我が友よ、元気にしてたかという。だがケイゾン人たちはニーリックスを担ぎ上げた。ジェインウェイたちのフェイザーも取り上げられる。下ろしてくれ、マージェ※4のジャビン※5に話があるんだというニーリックス。壁際で下ろされ、ケイゾンたちは武器を構える。まとめて座らされるジェインウェイたち。冗談だろ、人を脅かすのが好きなんだからというニーリックス。リーダーの男が出てきた。ジャビン、俺だよと呼びかけるニーリックス。水を持ってきた、これで今までの借りを返せるという。パリスに水を見せるようにいい、水を空中から作り出すテクノロジーをもっているんだぞという。瓶を受け取るジャビン。匂いをかぎ、飲んでみる。もっとあるかというジャビン。ジェインウェイはブリッジに転送するように命じる。大きな容器が転送され、歓喜の声を上げながら近づくケイゾン人たち。
力を貸してくれるのならいくらでも水を出すというジェインウェイ。これほどの科学力があるのに俺たちの手を借りたいだとというジャビン。ニーリックスに聞いた、あなたたちならオカンパ人の居場所を知っているだろうって、教えてくれるか尋ねるジェインウェイ。奥から一人の怪我をしたオカンパ人の女性※6が出てきた。あの娘がそうだ、オカンパなんて9年しか生きられないし何の役にも立たない、あの女は地上に出てきたから召し使いにしているというジャビン。いつも地下に住んでるのというジェインウェイ。いつも宇宙から食い物やエネルギーが送られてくる、この星で水に困っていないのは、地下3キロのところに住むオカンパ人だけだというジャビン。ジェインウェイはクルー2人がさらわれ、オカンパ人のところにいるはずだという。街にはたどり着けん、あのステーションが地下にバリアを張ってて、近づけないようになっているというジャビン。ごくまれに地上へ抜け出してくるオカンパもいるが、通路を防ぐのでどこを通ってくるのかわからないという。だがあの子が道を覚えているかもしれないというニーリックス。ジャビンはそんなのはやるだけ無駄だ、何度か道案内をさせようとしたがだめだったという。じゃあ交換しようじゃないか、水とあのやせっぽちの子とをというニーリックス。ジャビンは水より、空中から水を作り出す装置が欲しいという。それは難しい、船から取り出せる装置じゃないというジェインウェイ。いきなりニーリックスはジャビンを後ろからつかみ、首に武器を突き付けた。部下たちに銃を下ろせ、さもなくばこいつが死ぬぞという。ジャビンに言われ、武器を下ろす部下。チャコティがジャビンから武器を取り返す。そしてニーリックスは水の容器を攻撃し、穴を空けた。漏れる水に群がるケイゾン。ニーリックスはオカンパ人をケス※7と呼んで近くにこさせ、早いところ連れ出してくれという。6名の転送を命じるジェインウェイ。我先にと水を奪い合うケイゾン人
転送室に転送される6人。マイダーリン、必ず助けるといっただろうとケスに言うニーリックス。

※2: cormaline

※3: ケイゾン・オグラ Kazon-Ogla ケイゾン人 (Kazon) の部族の一つ

※4: maje ジャビンの肩書き、訳されていません

※5: Jabin (Gavin O'Herlihy)

※6: (ジェニファー・リーアン Jennifer Lien)

※7: Kes


オカンパの地下都市。キムとトレスが2人で話している。ジェインウェイ艦長は全力で探してくれてるというキム。トレスはみんな死んじゃったかもしれないという。首の傷が痛み出すトレス。キムが助けを呼ぼうかというが、平気よというトレス。そこへ看護婦がやってきた。痛むのと聞く。ずっと見張ってたの、捕虜じゃないといったくせにというトレス。見張っていたんじゃない、効くかどうかわからないけど薬を持ってきたといいキムに手渡す。街を出てコロニーを作った人たちがいて、そこで果物や野菜を作り、その中のある植物に生える特別なコケの中には薬としての効果があるという。力になれればという看護婦。ありがとう、でも本当に僕らを助けたいと思うのなら、地上に出して仲間のもとに帰してくれというキム。大人に止められる、管理者の意思に反するからという看護婦。トレスにあんたはどう思うのと聞かれ、看護婦は近頃の管理者のすることはおかしいと思うという。人をさらってきたり、エネルギーを増やしたりという。いつもの3倍の量を送ってきており、5年でも使い切れない量がストックされたのだ。なぜかはわからないが、大人は管理者を信じていいといっているという。一人地上に出た子を知っている、それっきり帰ってこないけどという看護婦。管理者が最初に作ったトンネルがあり、バリアがあるが長い年月の間に所々穴が空いているという。地上までは何メートルか土を掘らないといけない。掘る道具を調達できるか聞くトレス。やる気なの、何日もかかるという看護婦。今は休んで、力を蓄えなきゃというが、キムは頼むよ、最後のチャンスなんだといった。
ケスは怪我をドクターに治療してもらっている。計画があるなら話してくれないと、不条理な行動に出るので驚いたとニーリックスに言うトゥヴォック。何を言ってる、見事成功しただろうというニーリックス。ケスは謝り、責めないでという※8。いい加減にしろ、ここは医療室で会議室じゃないと怒るドクター。面会時間は終わりだ、患者以外はすぐ出て行けというが、ジェインウェイは緊急医療ホログラムを終了させる。ドクターは姿を消し、持っていた器具が床に落ちる。私が地上に出たからいけないの、好奇心に勝てなくて、そこが欠点なのよねというケス。好奇心旺盛なのが好きなんだというニーリックス。ジェインウェイは地下へ案内してくれると頼む。だが地下へいく道はもうない、来た道は埋めてきたからというケス。場所さえわかれば直接転送できるというジェインウェイ。トゥヴォックはセンサーではオカンパの地下都市の存在はキャッチできないという。ジャビンが言っていたバリアに遮られ、転送ビームもブロックされてしまうだろう。あのバリアなら古いから何個所か穴が空いている、そこから抜け出たというケス。ジェインウェイはスキャンして穴を探すように命じる。そこから転送できるからだ。ケスがどの辺りか教える、でも戻るのはごめんだ、せっかく地上に出てきたのにというニーリックス。ケスは何てこというの、命の恩人にという。助けたのは俺だというニーリックスに、ケスは力を借りたでしょう、恩を返すのが礼儀ってものよと言った。
ジェインウェイとケスたちは、野菜を作っているオカンパのコロニーにやってきた。パルスの間隔がまた短くなり、0.8秒短くなったというトゥヴォック。野菜の手入れをしていた男と抱き合うケス。元気だったダギン※9という。もう会えないかと思った、どうやって戻ってきたというダギン。この人たちが助けてくれた、仲間が行方不明で探しているという。管理者が連れてきた異星人を誰か知らないと聞くケス。多分中央病院だというダギン。ふいにケスにそれは許さんという声が響く。この人たちはテレパシーが使えないんだから声に出して言って、トスキャット※10というケス。ここにいてはいかん、すぐに帰りたまえというトスキャット。クルーを見つけたらすぐにというジェインウェイに、何人も管理者の意志を変えることはできないという。管理者の意志など関係ないというチャコティ。君たちは何もわかっていないというトスキャット。ケスはその通り、何もわからないという。オカンパ人はあまりにも長い間管理者に頼って生きてきたせいで、自分で考えることもできなくなっているという。昔のオカンパ人は超能力をもった優れた種族だなんて誰も思わないというケス。その能力も使わないでいる間に失ったという。過去のことより今の生活を守るのが大事だというトスキャット。ケスは与えられたものを受け取るだけ、こんな生活恥ずかしくないのという。何といわれようとこの人たちを助ける、仲間も手を貸してくれるというケス。2人を探しにいきましょうといい、ジェインウェイたちと共に歩き出す。トスキャットだけが残された。

※8: 声: 小林優子

※9: Daggin (Eric David Johnson) 訳出されていません

※10: Toscat (デヴィッド・セルバーグ David Selburg TNG第12話 "The Big Goodbye" 「宇宙空間の名探偵」のウェイラン (Whalen)、第147話 "Frame of Mind" 「呪われた妄想」のドクター・サイラス (Dr. Syrus)、ENT第28話 "Carbon Creek" 「スプートニクの飛んだ夜に」のヴァルカン人船長 (Vulcan captain) 役) 訳出されていません


キムとトレスは、管理者が作ったトンネルにやってきた。はるか上まで階段が続いている。ライトを持ち、登り始める2人。
キムが途中で疲れてしまい、少し休憩することにする。宇宙艦隊に入るのを夢見てきて、叶ったと思ったらもう死ぬなんてというキム。まだあきらめないで、サバイバルの授業で教授が教えなかったような裏技もあるというトレス。ザカリアン中佐※11よ、アレルギーでしょっちゅうくしゃみしてたという。トレスもアカデミーにいたが、2年目の途中で退学していた。いるべき場所じゃないとわかったというトレス。あの教授どうしても好きになれなかったというキム。トレスはパルスの音が早くなっていることに気づいた。再び登り始める。
その変化にはジェインウェイたちも気づいていた。ふいにパルスの音が消えた。ジェインウェイはヴォイジャーに通信を送り、ステーションに変化がないか聞く。パルスを発射するのをやめ、移動して向きを変えていると答えるロリンズ。変化があったら報告するようにいうジェインウェイ。
オカンパ人たちもあわただしく歩き回っている。ケスとダギンは、2人は病院を抜け出したみたい、目撃者がいないか街で聞いてみるという。地上に出るとしたらとしたら、私と同じようにトンネルを使うでしょうねというケス。ジェインウェイはパリスにケスたちと一緒に調査へいくように命じた。2人を見たものがいないか、病院中の職員に話を聞くことにする。急に地震が起こったようにゆれた。ヴォイジャーのロリンズによると、ステーションがビームで地表を攻撃しているという。エネルギーパイプを破壊しようとしているようだ。チャンネルをオープンにしておくようにいうジェインウェイ。
オカンパのエネルギー供給源であるパイプを、なぜ壊すのかというチャコティ。もう使わないので敵に利用されないようにしているのでしょう、あくまで推論ですが管理者は死に瀕しているのではないかと思うというトゥヴォック。エネルギー供給量を増やし、消費量の5年分をストックしパイプを壊した。管理者としての役割を放棄しようとしているようにみえるという。死にかけているとは限らない、逃げるつもりかもというチャコティ。トゥヴォックは考えにくい、千年もオカンパ人を保護してきたのですという。管理者はオカンパ人に負い目があるのではないでしょうか、管理者が言っていた償いきれない過ちもそのことかもしれないという。もう時間がないと繰り返し、死期が近づいているのだ。管理者が死んだら、どうやって元の場所に帰るのというジェインウェイ。

※11: Commandar Zakarian

ケス、ニーリックス、パリスの3人はトンネルにやってきた。トリコーダーで調べ、こっちだというパリス。キムの名を呼ぶ。登り始め、ジェインウェイに通信を入れるパリス。2人の反応をキャッチし、地上に向かっているという。
発見したらすぐに転送するようにいうジェインウェイ。ヴォイジャーに3名を転送するようにいう。しかしシグナルをロックオンできない。ロリンズは多分ステーションの攻撃による放射線の影響だという。センサーでバリアの穴も発見できなくなってしまった。抜けるにはトンネルを通るしかない。
ジェインウェイからの呼びかけに応答するパリス。転送ビームが使えないため、地上に出る際にバリアの穴を探してヴォイジャーに知らせるように言う。了解するパリス。ジェインウェイも2、3分遅れで後を追うという。パリスたちはキムたちに追いついた。激しい攻撃により足元がゆれる。来ないかと思ったというキムに、たった一人の友達を置いていけるかというパリス。キムと肩を組む。いつ友達になったっけというキム。2人を発見したことをジェインウェイに伝える。ジェインウェイたちもトンネルに入った。早く安全なところに避難するように言う。大丈夫、バリアの穴の位置は知っているというケス。階段は終わった。ジェインウェイたちも急いで追いかける。
トンネルの終点に出たパリスたち。ニーリックスにフェイザーを出させ、一緒に発射して壁に穴を空ける。崩れ落ちる岩石。地上から光が漏れている。
よじ登り、砂漠に出るパリスたち。ヴォイジャーに転送できるかと通信を送る。5人しか確認できないというロリンズ。その時ビームが再び地表を襲う。伏せるように言うパリス。トンネルを登るジェインウェイたちの上に土砂が降りかかる。出口から土煙が上がるのを見て、パリスはジェインウェイに呼びかける。だが応答はない。チャコティ、トゥヴォックもだ。自分以外の者を転送するようにヴォイジャーにいうパリス。トンネルに戻る気かというニーリックス。ケスたちは疲れ切っている。ニーリックスは馬鹿は一人じゃほっとけないといい、ケスに2人を頼むぞ、後から会おうといった。パリスはニーリックスのバッジをケスに渡し、それをロックオンして3名転送するようにいった。転送されるケス、キム、トレス。
トゥヴォックは意識を失いかけている。チャコティはうめき声を上げ、足が折れた、動けないという。ニーリックスとパリスが駆け付け、ニーリックスはトゥヴォックを連れて行く。チャコティは僕がというパリス。ジェインウェイも外に出ていった。攻撃の衝撃により、足場が今にも崩れかかっている。来るなパリス、そこも崩れるぞというチャコティ。すぐ出てくよ、あんたを捕まえたらねというパリス。チャコティはお前がそこに乗ったら崩れる、2人とも死ぬぞという。でもここであんたの命を助けとけば、あんたは俺のしもべだというパリス。インディアンの掟でそうなっているんだろうというパリスに、俺のとこは違うというチャコティ。パリスは強情な奴だなと言いながらチャコティを抱え、僕に助けられるなら死んだ方がましかという。勝手にしろ、どうせ死ぬなら道連れにしてやるというチャコティ。チャコティを抱え必死に階段を上るパリス。鳥に変身して空を飛ぶまじないなんかないのかという。無茶いうなというチャコティ。2人が渡り終えた瞬間、足場が崩れて谷底へと落ちていった。


医療室ではドクターが忙しくしている。ジェインウェイにブリッジから通信が入り、ケイゾンの船がステーションに向かっているという。後を追うようにいい、ブリッジに戻るジェインウェイ。チャコティも船に戻るといいトレスもベッドから起き上がる。君たちは安静を必要とする、今動いたらどうなるか保障はできないというドクター。キムにここのクルーはいつもこうなのかと聞くドクター。わかりません、初の任務だからといいキムも出ていった。ため息をつき、また私をつけっぱなしで出ていったというドクター。
ジェインウェイは武器システムをオンラインにするように命じた。フェイザー砲、光子魚雷パワーアップ。警戒警報を発令するジェインウェイ。
ステーションには2隻のケイゾン船が近づいてきている。ケイゾンから通信が入り、スクリーンに出す。ステーションの動きを探りに来たのかというジャビンに、故郷へ帰りたいだけで、そのためにステーションの中にいる者と話がしたいというジェインウェイ。行かせられないというジャビン。ジェインウェイは邪魔はしないというが、ジャビンは俺たちの邪魔をさせないという。ステーションはもらうというジャビンに、ジェインウェイは落ち着くようにいうが通信を切られてしまう。武器を装填するケイゾン。ジェインウェイは話しても無駄ねという。相手は攻撃してきた。こちらもフェイザーを発射し、回避行動デルタ4をとる。
マキ船もケイゾンに応戦する。ジェインウェイから通信が入り、トゥヴォックと2人でステーションに入るという。ケイゾンを食い止められるか聞くジェインウェイ。チャコティは何とかやってみるという。頼むわといい、ジェインウェイはパリスに船の操縦を頼んだ。シグナルをロックオンしていつでも転送できるようにしておく。
ジェインウェイとトゥヴォックは納屋に戻ってきた。トリコーダーで調べ、壁の裏にコンピューターがあるというトゥヴォック。バンジョーの音が聞こえてくる。コンピューターに分析を頼むジェインウェイ。近づくと、あの老人がいた。恐れ入ったよ、粘り強い種族だという。ジェインウェイは元の場所へ送り返すように頼むが、管理者は不可能だという。自分の仕事をやり遂げる力も残っていないという。死ぬ前にパイプを壊そうとしたのはなぜかを聞くジェインウェイ。ケイゾンどもが水を盗みに来る、だがどのみち何年か経ってオカンパがエネルギーを使い果たせば終わりだという管理者。地上に出るしかなくなり、生き残ることはできなくなる。ジェインウェイはあなたがあの星を砂漠に変えてしまったの、償い切れない過ちとはそのことと聞く。管理者は、我々はよその銀河から探検に来て、あろうことか我々のテクノロジーが空気のバランスを変え、この星を砂漠にしてしまったという。2人が残り、オカンパ人を保護した。だがもう一人は見切りをつけて去っていった。ほかの星の者をさらって、病気に感染させたのはなぜと聞くジェインウェイ。病気で死んだのではない、死んだのは体が適合しなかったからだという管理者。銀河の隅々を探し、生体分子構造が自分と似ているものを集めたという。分身を作ろうと生体移植を試みたのだ。責任を引き受けオカンパ人を守るために、でも辛い役目だ、自分の子孫にしか託せないという管理者。ジェインウェイはオカンパを過保護にするのは止めて、自立させようとは思わないと聞く。彼らは子供だという管理者。子供は成長するもの、私も宇宙を探検したくさんの種族を見てきたというジェインウェイ。どの種族も困難を乗り越えていた、自分たちの力で乗り越えることこそ種族の進化につながるという。子供って、親が思うよりたくましいものよといった。ヴォイジャーのキムから連絡が入り、戦況という。
新たに巨大なケイゾンの船が現れた。攻撃をくらい、ヴォイジャーのブリッジにも被害が出る。援軍が来ましたというキムに、時間を稼いで、あと何分か持ちこたえてというジェインウェイ。全力を尽くすというキム。
ヴォイジャーは武器系統をやられている、やばいぞというチャコティ。こっちの武器じゃ、あの船に太刀打ちできないというトレス。体当たりだ、だが誘導システムがいかれてるから手動で操作するしかないといい、チャコティはクルーを全員ヴォイジャーに避難させるようにトレスに命じた。パリスにクルーを転送することを伝え、俺のシグナルをロックオンしておくように転送係にいってくれというチャコティ。これから派手なショーを見せてやるといった。了解するパリス。
ケイゾンの船に向かうマキ船。トレスがヴォイジャーのブリッジに来る。チャコティの船がケイゾン船に突っ込んでいく。今転送してやるぞとパリスはいうが、まだだというチャコティ。近づくマキの船。攻撃を浴びて火を噴く。限界だとパリスはいうが、チャコティは待てという。目の前に広がるケイゾンの船。ぎりぎりのところで、今だと叫んだ。転送される瞬間、船は衝突し大爆発を起こした。連鎖的に爆発を起こし、コントロールを失うケイゾン船。
転送室には無事チャコティが収容された。転送係の肩をたたき、ここにいるよというチャコティ。
トゥヴォックは連邦の宇宙域に戻るプログラムを発見したが、動かすのに時間がかかりそうだという。協力してというジェインウェイ。管理者は助けてやりたいが、時間がないという。ステーションの自爆プログラムを起動させたのだ。ここを爆破したら、私たちの帰る道はというジェインウェイ。ケイゾンの手に渡すわけにはいかない、後数分で爆発する、逃げろという管理者。
ダメージを受けたケイゾン船はステーションに衝突してしまった。ステーションの一部が吹き飛ぶ。納屋のホログラム映像が消えかかり、ついにコンピューターがその姿を現した。見ると、不定形をしたアメーバのような生命体がいる。あれが管理者かというトゥヴォック。ヴォイジャーに報告を求めるジェインウェイ。ケイゾンの船がステーションに衝突しました、無事ですかというパリス。大丈夫よ、待機してというジェインウェイ。今の衝撃で自爆プログラムがダメージを受けた、このままでは爆破できないと管理者はいう。何としても壊さなければならない、もしケイゾンにステーションを奪われたらオカンパ人を絶滅させてしまうと言いながら、管理者は小さくなっていった。跡には小さな固まりだけが残された。それを手に取って見つめるジェインウェイ。連邦の宇宙域に戻りましょうというトゥヴォック。我々が去ったら、オカンパはどうなるのかしらとジェインウェイは言う。トゥヴォックはオカンパ人を助けようと行動を起こせば、この星に干渉することになるという。それは艦隊の誓いに反する行動ですという。だけどもう関わってしまっている、見ぬ振りはできないとジェインウェイはいった。
ヴォイジャーは攻撃を受け続けている。ブリッジに戻ったジェインウェイは、トゥヴォックにトリコバルト弾※12の発射用意をさせる。ケイゾンにチャンネルを開く。引き上げたらどうだ、こちらはさらに援軍を呼んだというジャビン。警告する、直ちに安全圏に待避しなさいというジェインウェイ。ステーションを爆破しますという。できるものかというジャビンに、できる、見てなさいというジェインウェイ。通信を終えた。敵は攻撃を強化してきた。シールドは無事ですというキム。ジェインウェイはパリスに400キロの位置まで後退するように命じる。正気なの、ステーションを爆破したら帰る道がなくなるというトレス。皆故郷に愛する者を残してきている、私もよ、でも自分たちのためにオカンパ人の命を犠牲にはできないというジェインウェイ。帰る道はほかに探すという。どうやって帰るつもりよというトレスを止めるチャコティ。この人にみんなの運命を決める権利があるのというトレス。チャコティは彼女が艦長だといった。トリコバルト弾準備完了、安全圏に入った。ジェインウェイは発射させた。
発射された2発のトリコバルト弾により、アレイ型ステーションは爆発し、完全に粉々になった。その様子を無言で見つめるブリッジのメンバー。
艦長室。コンピューターのパネルには、ジェインウェイがマークとペットの犬と共に写った写真が映し出されている。パリスが入ってきて、お呼びですかという。あなたには悪いけど、チャコティ以下マキのメンバーをクルーに迎え入れることにしたというジェインウェイ。この状況ではそうするのが一番妥当でしょうという。じゃあ僕にボディガードを付けてくれますかというパリス。もういるじゃない、チャコティが自分の命はあなたのものだ言ってた、というジェインウェイ。パリスの身の安全はチャコティが保障してくれるそうだ。奴をしもべにできるわけだというパリス。だがジェインウェイは喜ぶのは早いといい、チャコティを副官に任命したことを話す。クルーは皆彼の指揮に入る、主任パイロットであるあなたもねというジェインウェイ。僕がと驚くパリス。今日付けでヴォイジャーの日誌に記録した、あなたを主任パイロットに任命します、トーマス・ユージン・パリス※13大尉というジェインウェイ。握手をし、おめでとうという。パリスは言葉が出てこないなんて初めてだという。期待している、お父様に報告できなくて残念ねというジェインウェイ。知らせますよ、地球に戻ったらといってパリスは部屋を出ていった。それと入れ替わりに、お話があるといってニーリックスがケスと一緒にやってくる。
水は十分積んでおいたわ、出発準備はできたと聞くジェインウェイ。ニーリックスは相談なんですが、俺たちも連れていってもらえませんかと頼んだ。悪いけどこの船は客船じゃないのというジェインウェイ。ケスはもちろんお客のつもりはないといい、ニーリックスはクルーにすれば役に立つという。あんたたちには俺みたいな奴が付いていないと、知らない星じゃガイドも必要だろ、物資が必要なら俺が調達してやるというニーリックス。顔が広いから何かと便利だ、料理もうまい、俺のアングラボスカは絶品だよという。ニーズをいち早くチェックして期待に添えるようにする、こんな便利な奴連れて行かなかったら後悔するよという。お願いします、皆さんのお手伝いがしたいんですというケス。ジェインウェイはうなずいた。
ジェインウェイはブリッジに集まったクルーの前で話を始めた。「我々は、この未知の宇宙に放り出されました。何人かの友人もできましたが、敵も作りました。これからどんな危険が待っているか想像もつきません。一つ確かなのは、生き抜いていくためには全員が力を合わせなければならないということです。そこでチャコティと私は双方のクルーを一つにまとめ、チームを作りました。デルタ宇宙域※14を旅する、唯一の連邦宇宙艦として艦隊の任務を遂行し、この未知の世界の探索を続けましょう。けれど最終目標はただ一つ、連邦の領域に戻るには最高速度でも75年かかってしまいます。でもほかにも道があるはずです。管理者のような存在がこの宇宙のどこかにいて、私たちを送り返す方法を知っているかもしれない。それを探すのです。もしくはワームホールや、帰るために役立つ新しいテクノロジーを探しましょう。希望を捨てず、旅を続ければ、必ず帰れるはず。」パリスにコースをセットするように命じる。「ふるさとへ。」ヴォイジャーはワープに入った。

※12: トリコバルト (tricobalt) は、TOS第23話 "A Taste of Armageddon" 「コンピューター戦争」でトリコバルト (三コバルト) 爆弾 (tricobalt explosive) として出てきました

※13: Thomas Eugene Paris ミドルネームはスタートレックの創始者、ジーン・ロッデンベリー (Gene Roddenberry) にちなんで

※14: デルタ・クアドラント、デルタ宙域、デルタ象限 Delta Quadrant 銀河系を4つに分けた区画の一つ。連邦のほとんどの領域はアルファ宇宙域、クリンゴンやロミュランはベータ宇宙域、DS9のワームホールはガンマ宇宙域につながっており、ボーグはデルタ宇宙域出身です。TNG第56話 "The Price" 「非情なる駆け引き」のワームホールはデルタ宇宙域につながっていました



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